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あれ? 俺……詰んでね?  作者: Aion
天に唾吐く愚か者……編
10/41

人生って予想外の連続だよなっていう話。 ③

次は10/7の午後六時です。


「まず、君たちに思い出して欲しいのは、今朝彼が僕たちに話してくれたこと。つまり昨日の彼の行動だ」


 そういって、俺を指さす文人。

 いつもと口調が違う。


 探偵っぽい雰囲気を出そうとしてるのかな?


「今朝の話は、彼の主観が多分に含まれるため僕が事実だけを簡単に列挙しよう。今回重要なのは三つ、一つ目は彼が三人の女性に告白をしたこと、もう一つはそれが誰にもバレていないこと、最後の一つは彼が、告白することを嫌がっていたということだ」


 ほうほう、なるほどなるほど。


「もう一つ、これはさっきの出来事だが、月島さんが彼に弁当を渡した。これは、ただ振られただけの相手にすることとは考えにくい。このことから、導き出される結論は――」


 いい推理だ、さすがの賢さだな。

 素晴らしい着眼点だ。


「きっと、彼は憐れまれたのではないだろうか? ……かわいそうすぎて、弁当を恵んでもらえるほどに酷いものだったに違いない」


 前言撤回。

 最後の最後で、なぜその結論に達した?

 こいつも詩織先輩みたいに、頭いいのにポンコツかよ

 

「なるほどなあ」

「納得ですぞ……」


 納得すんなよ。

 

「いやいや、俺が三人と付き合って弁当をもらってきた可能性もあるだろ?」

「いや、ないね。秋人にそんな魅力があるようには思えない」

「確かにな」

「そうですな」

「……………」


 こいつら、本当に友達か?

 もうちょっと、信じてくれてもいいだろ!


「………本当なのかい………?」


 俺が押し黙ったのを見て、文人がそうつぶやく。

 そこで、俺は香奈先輩に貰った弁当を開けながら、昼休みの話をし始める。


 月島の話が終わるころに香奈先輩の弁当を食べ終わる。

 弁当の中身は、オムライスとかハンバーグ、海老フライ、ポテサラなど、まるでお子様ランチみたいだった。

 まあ、あの子供体型(笑)にはあってるとおもうけd……。


 は! ……今、背中がゾワっときた。

 何だったんだろう?

 すぐに収まったけど……。


 「それで、次はお前らも知ってるように放送室に呼び出されたわけだが……」


 月島の弁当を食べ始めながら、話の続きをする。

 月島の弁当は、卵焼きや唐揚げ、トマト、たこさんウインナー、あとはアスパラガスが入っている。

 健康に気を使いつつ、ザ・お弁当といった感じだな。

 俺は、甘い卵焼きよりもだし巻き卵のほうが好きだから、ちょっと残念だが……。

 それよりも、もっとやばいものがある。


 なんで……こいつ、桜でんぶでご飯の上にハート描いてんだ?

 確かに、テレビでこういうの見たことあるけど……実際やられると微妙な気持ちになる。

 あと、甘い!


「おいおい、愛されてるじゃねえの」

「なぜ、来栖氏ばっかり……吾輩もこんな彼女が欲しいですぞ‼」

「これは……どうやら話は本当だったようだね……」


「話の腰を折るなっての。あと、龍次! そのニヤニヤ笑いをやめろ!」

「ああ、ふふ、いや悪い悪い」


 お前、絶対いつか仕返ししてやる……。


 恥ずかしいので、桜でんぶの部分はさっさと食べてしまう。




 結構腹が膨れてきて、食べるペースが落ちてきたが何とか香奈先輩の話が終わるぐらいに月島の弁当を食べ終わることができた。

 腹をさすると、少し膨れているような気がする。


「最後に、今朝校門を通るときに呼び出されたので、生徒会室に行ったんだ。それで……」


 三つ目を食べきれるかが不安だが、詩織先輩の弁当を開ける。

 中身は、ひじきの煮物、焼き魚、ちくわの磯部揚げ、大葉入りの卵焼きだった

 ご飯はタケノコの炊き込みご飯だ。


 これ、結構手間かかってるよな……?

 魚は……旬はアジだったかな?

 たぶん、あってるはず。 

 好みの味付けだから、箸が進むな。





 先輩の話をし終わったころには、お腹がいっぱいだった。


 ギリギリ、先輩の弁当は食べ終わった……。

 でも、俺の弁当どうしようか?

 昨日の残りでもあるし、さすがに今日の夜までは持ちそうにないよなあ。


「なあ、俺もう腹にこれ以上入る気しないからさ。誰か、俺の弁当食べないか?」

「じゃあ、俺がもらうぜ」

「弁当箱から見て、来栖氏が作った弁当ですな! 吾輩も欲しいですぞ!」

「僕も食べたいね」


 全員がもらいたいらしい。


「あー、昨日はそこまで時間取れなかったから、割と手抜き料理だぞ? いつもみたいな期待はかけないほうがいいと思うけど……」

「お前の手抜きはあてにならねえ」

「そうですぞ」

「そうだね」

「そうか。じゃあ、三人で分けてくれ。俺は先に教室に戻ってるから」

「弁当はいつも道理、休み時間にでもお前に渡したらいいか?」

「ああ、それで大丈夫」




 教室に戻ると、月島が駆け寄ってくる。


「お弁当、どうだったかしら?」

「うまかった。けど、卵は甘くないほうが好みだな」

「わかったわ。次はそうするわね」


 そういって、月島が離れていくと同時に教室の男子たちが駆け寄ってくる。


「おい、来栖。お前、月島さんとあんな会話をして……どういうことだよ!」

「お前ら、まさか付き合ってるのか?」


 うわ、面倒くせえ。

 そうか……そういえば、月島たちと付き合うにはこういう問題があるのか。

 親衛隊の存在すっかり忘れてたぜ………。

 

 ここで、ふと疑問が頭をよぎる。


 香奈先輩、ストーカーに悩まされてるって話だけど……親衛隊はなにしてるんだ?

 まさか、親衛隊が件のストーカーとは思いたくないんだけど……。


「おい、来栖! 聞いてるのか、お前!」


 ひとまずこっちを先に対処するか。


「いや、別に付き合ってn……」

「あなた達には関係ないでしょ」


 月島が俺が誤魔化すより早く、答えてしまう。


 それ、もう言ってるようなもんだよな?


 その返事を聞いた男子たちが、俺をすさまじい目でにらんでくる。

 さらに、男子の一人が口を開こうとすると……。


「おーい、お前ら席に着け。今日は小テストだぞ」

『ああああ! そうだった! 先生! 勉強時間をください!」


 助かった………。


 先生のおかげで、追及を逃れることができた。


 残りの授業は移動教室だし、終礼が終わればすぐ教室を出れば大丈夫だろう。


 ひとまずの安全が確保できたことに安堵する。


主人公は料理がうまいです。

同じレシピ、同じ具材を使っても主人公の料理のほうが明らかにおいしいです。

理由はありますが……もっと先のほうで判明します。

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