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現実より、異世界生活⁉︎  作者: ちゃぐ
16/40

1–15:一日の終わり


シルヴァさんが部屋の確認に行って、三十分は経っただろうか……。未だに、僕とヒルデは広間にいた。


「まだ、来ないですね。僕たちがどこにいるのか、わからない何てことはないですよね……?」


相変わらず、彼女は表情一つ変えず、僕を見張っている。もう少し、仲良くしたいものだ。


「それはないと思います。手続きに時間がかかっているだけで、もう少しで来ると思います」


手続きか……細かい所で色々と大変なんだな。なんだか、申し訳ない気がしてならない。

シルヴァさんが来るまで何をしてようか?料理は流石にもう食べれないし、ヒルデとの会話は困難だし……自然とため息が出た。


(はあ〜、どうしよう)


「拓真様—」


すると、前方から自分の名を呼ぶ、人影が近づいてくる。見覚えのある顔だ……クルス! 国王の部屋の前でどこに行ったのか分からず置いてきてしまった従者のクルスさんだ。


「クルスさん! よかった。あの場所にいなかったから、置いて、先に進んでしまって……どこに行ってたんですか?」


たくさんいる人の群れをかき分けて、僕の前まで来ると彼は頭を深く下げ、謝罪した。


「先ほどは申し訳ありませんでした。少し、席を外さなければならない用事ができまして、少しなら大丈夫かと思ったのですが、戻ってみると、マリー様と拓真様のお姿はなく、外の門番に聞いた所どこかに行ってしまわれたと分かり、一度自分の部屋に戻ることにしたのです」


なるほど、その場を少し離れている間に僕たちが部屋から出てきてしまい、勝手にパーティーに向かってしまった為に起こった行き違いだったようだ。タイミングが悪かっただけか……。


「そんな事があったんですね……僕たちの方こそ申し訳なかったです。勝手にいなくなってしまって」


クルスさんの事を完全に忘れて、パーティーに向かったなんて言えるはずもなかった。このことは自分の胸の内にしまっておこう。ただ、あの場に一緒にいて、先にクルスさんのことに気づいたマリーが喋らないという可能性は完全には否定できない。クルスさんはこんなことで怒ったりはしないと思うが、万が一というのがある。それだけが怖い。


「いえいえ、私が悪いんです。門番にでも伝えていれば、よかったのですから……。それより、私がここに来たのには別の用事がありまして……シルヴァさんに頼まれてここに」


シルヴァさんに頼まれて……ここに……?


「それって、もしかして、僕の部屋のことですか?」


「そうです。シルヴァさんは用事ができたとかで、行けなくなり、代わりに私が来たわけです」


僕は待ってましたと言わんばかりにクルスさんを問い詰めた。もう眠くて、眠くてすぐにでも眠りたかった。


「どうなりましたか?」

「おっと……」


僕が急に前かがみで近づいた為に少し後ずさりをされた。自分が取った行動は変だとわかっていたが、そのことには特に触れられることなく、彼は話を続けた。


「拓真様の部屋は210号室になります。こちらが鍵です。失くさないように大切にしてください」


小さな銀の鍵を渡された。その鍵の持ち手の部分には何かの紋章が刻まれていた。おそらく、この国の象徴的なものだろう。僕が元いた世界で例えるなら国旗といった所だろうか。


「ありがとうございます。それでは、眠気が限界なので部屋に帰ります……」


「そうでしたか。では、私はここで失礼します。明日からは共に同じ使用人として頑張りましょう」


彼は僕に手を差し出し、握手を求めてきたので、それに応えるようにして握手を交わした。


「はい……よろしくお願いします……」


相手の熱意のこもった言葉とは裏腹に力の抜けた言葉を返した。

先ほどから急に来た眠気がひどい。ちゃんと僕の言葉は相手に伝わっているだろうか。


あまりにも眠すぎて、考えが回らないがクルスさんは僕がここでお世話になる事を知っているようだ。たぶん、シルヴァさんにでも聞いたのだろう。


鍵を受け取り、クルスさんと別れて、そのまま広間を抜けてニ階に向かった。一刻も早く、ベッドで横になりたかった。



(210、210っと、ここだ!)


左右に弧を描くように伸びる階段の右側を登ったすぐのところだった。


鍵穴に鍵を入れ、ひねって、扉を開けた。

部屋の中は、僕が客人として最初に通された部屋とは違い、豪華なものではなく、生活するのに最低限といった所だ。それでも、一人なら十分の広さに違いない。ただ、ベッドが二つあるのが気になるが……。


「はあ〜」


今日は色々あって疲れた。

シャワーも浴びず、服も着替えることなく、ベッドに大の字でダイブした。

外はまだパーティーの最中で騒がしいが、そんな事を気にする事なく、もうろうとした意識はすぐに途切れ、僕は眠りについた。そうして、この世界に来て、短くも長くも感じる忙しかった一日は終わった。


そして僕はこの時、ヒルデの存在を完全に忘れていた……。


お読み頂き、ありがとうございました。

やっと、一日が終わりました……いや〜長すぎた。

ここから話を展開していくつもりですので、よろしくお願いします。(ただ、話の進むスピードは相変わらず遅いかもしれませんが……)


明日はもしかすると投稿できないかもしれません。ご了承ください。


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