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現実より、異世界生活⁉︎  作者: ちゃぐ
10/40

1–9:そんな事で


ガウェインと別れて、僕とマリーは見張りを待つため未だに動けないでいたので、近くのイスに腰を下ろし、先ほどのバカにされた件について問い詰めていた。

「あんなバカにしなくてもよかったのに」、「いや、本当のことでしょ」など軽く言い合いになってしまった。


そんな事をしている内に時間が経っていたのか、見張りを担当する人物がやって来た。


「あなたが、拓真ですね。話は聞いていると思いますが、私があなたの見張りを担当するヒルデだ」


「あ、よ、よろしくお願いします」


てっきり、見張りなので男性だろうと思っていたが違ったようだ。

自分よりは年上そうな、若い女性が目の前に立っている。どこか物静かで真面目そうな印象を受ける。

彼女は肩まであるか無いかの短い髪を結ぶ事なく、少し動くたびにさらさらの髪を揺らしている。そして、手には鞘に収まっている短剣を持っている。武器は持っているが、先ほどまでの鎧を着ている騎士とは違い、身軽そうな格好をしている。


「何、律儀に挨拶してるのよ。よろしくお願いします・・・・じゃないわよ。どっちかって言うと、敵みたいな もんでしょ。あんたの見張りとして監視されるのよ」


いや、敵って言い過ぎでしょ。他に言い方ってものがあるだろう。

確かに僕はスパイなどではないから、危険人物ではないけど……ここの人にしたら何も知らない不審者だろうに。それに見張りの本人の前で敵ってなにを考えているんだ、まったく…。


「何、言ってんだよ。初対面だから挨拶しただけだろ。敵とかそんな風に言うなよ、これから一緒に行動するのに……これ以上変なこと言うなよ!」


いつからだろ、マリーとはタメ口で話していた。


「うるさい、拓真に指図される言われはないわ」


また、言い合いになってしまった。すぐにこうなってしまう。

マリーとは知り合って1日も経っていないというのに……。しかし、それだけ言い合いになるという事は打ち解け合っているのかもしれない。それにマリーとは今後も仲良くやっていけそうな、そんな気がする。


「さっきの事忘れたの。それに私はここの王女よ。そんなこと言ってていいわけ」


「確かにさっきの事は感謝してるし、助かったと思ってる。でも、これは王女とかそんな事、関係ないと思うけど」



僕とマリーはその場にいた見張りのヒルデを完全に忘れ、言い争っていた。


それから少し経って、僕は少し冷静になり、見張りがいる事を思い出した。そしてどんな様子かチラッと横目でヒルデの方を見てみたが、冷静にこちらを見て、特に口出しはしてこない。

何、冷静に見てんだよ。無性にツッコミたくなってしまった。

しかし、それより先にこんな争いをしている事が急に恥ずかしくなってきた。マリーはまだヒルデに気づいていない。もうここら辺でやめておこう。


「マリー、もうやめよう。ヒルデさんも見てる」


僕は息を切らしながら言った。


「そ、そうね。ここら辺にしといてあげる」


マリーは頰を赤らめている。照れているのだ。やはり、気づいていなかったみたいだ。



「終わりましたか、では行きましょうか」


やっと、喋った……っていうより冷静すぎる。やっぱり終わるのを待って、何も口出ししてこなかったんだ。



「ああ、そうですね…」


「そうね。い、行きましょう」


マリーはヒルデさんに何もつっこまなかった。「何、冷静にしてんのよ」、「王女よ、私」なんて事を言うのかと思ったが、よっぽど恥ずかしかったのか顔を伏せるている。そこまで気にすることでもないと思うのだが。



それから、僕とマリー、プラス見張りの3人はこの後のパーティーに参加するため、1階まで下りることになった。僕とマリーが前を歩き、ヒルデは後ろからついて来ている。あくまで見張りなので後ろからついて来るみたいだ。


「元気だしなよ、マリー。僕も悪かったって」


「うるさい。黙ってて」


そんなにショックだったのか、それとも見張りと知り合いだったのだろうか。


「マリー様。さっきの事は誰にも言いませんので、お気になさらずに」


見張りのヒルデが口を開いたが、そんなにド直球で言うのかよ。

ヒルデさんはやはり真面目すぎるのか、それが正しい判断だと思ったのだろう。完全にさっきの事を恥ずかしい事だと言っているようなもんじゃないか。何も言わず、見てないふりでもすればよかったのに。


これから明るいパーティーだっていうのにマリーは下を向いたままだ。あれだけ明るかったのに別人みたいだ。どうにか元のマリーに戻してあげたい。


「マリー、そんなに気を落とす事ないって。これからパーティーだろ・・・・」


僕が元気付けようと必死になって、話しかけていた所をかき消すように言った。


「本当!ヒルデ、本当に誰にも言わない?」


(ええ!どういう事〜)


マリーは顔を上げ、一気に明るさを取り戻しつつあった。


「ええ、もちろんです。誰にも言いません。この事は私の中に留めておきます」


一体、どういう事なんだ。そんな事で元気になるのかよ。どれだけ人に言われたくないんだよ。てっきり、ヒルデの真面目な一言に落ち込んでいるのかと思ったのに入らぬ心配だったようだ。




(はあ〜、良かった。お父様にこんな事を話されてしまったら、嫌われてしまうかもしれない。そんな事で言い争う、野蛮な人間だと思われでもしたら大変だもの…)



「ありがとう、ヒルデ。ごめんなさいね、敵だなんて言ってしまって。これからよろしくね」


「いいえ、お気になさらずに。こちらこそ、よろしくお願いします」


さっきまで敵だとか言っていたのに…。この二人は仲良くなっているのか分からないが、先ほどの様な嫌な空気ではなかった。


(この二人はよくわからないな〜)


そして、なんか僕だけが置いていかれている様な気がする……。


お読み頂き、ありがとうございました。


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