第11章 え、勉強ですか?
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王宮での一幕から3日が経っていた。
幸いあの後から決闘に巻き込まれてしまうという事態は起こっていなかったが、新たに二つ問題が起きていた。
一つはリークに対する評価についてで、当初リークハンサム説で女性の支持率が圧倒的で男性からは意味嫌われていたのだが、今回のファンベルト戦で男性支持率もかなり上がってしまった。
本来なら喜ばれる状況なのだろうが、何しろ現実世界では否定しかされなかった悲しい人間だ。
ちやほやされるという行為にまったく馴れていないがために、宿屋に引き込もってしまっている。
「こんなんじゃ、だめなんだよなぁ~」
このままだとまたあの地味でネクロな俺に戻ってしまう。
「ん?どうかしたか?」
そしてこれが今最も悩まされている元凶だ。
「いえ、何でもありません」
私はお前のリーダーだとか何とか言ってアリアが家庭教師をかって出ているのだ。
確かにこの世界のことは何一つ知らない無知者だが、わざわざ宿屋にまで押し掛けてくる必要はないだろう。
今は魔法基礎について教育されており、魔法の発動について学んでいる。
アリア先生曰く、魔法と呼ばれるものは人類がその歴史を綴り始めたら当初から確認されており、誕生の謎などまだまだわかっていないことが多いらしい。
古く、魔法は闇と光の二大元素にわかれているとされており、現在の三大元素となったのは随分と最近のことである。
人々は規律をつくり、善を定め、悪を見極めた。
その過程で人類に悪とされた闇分子は徐々に廃れていき、魔獣のみが使うようになったとされる。
逆に、人類に善と定められた光分子は研究と改良が重ねられ、現在のような三大元素魔法に派生したらしい。
次に教わったのが、詠唱についてだ。
魔法を発動するのに必要な言霊なのだが、発動するのが比較的簡単な魔法は簡易魔法と位置付けられ、必要な詠唱も短いらしい。
高度な魔法になればなるほど詠唱は複雑になっていき、それを無視した俺の魔力は異常だということだ。
簡易魔法ならば普通の人間にも扱うことができるのだが、上級魔法はやはり得手・不得手がある。
しかしこれでリークが最強の術士かというと、そういうわけでもなく、魔法のバリエーションを増やすことが求められた。
「ということで、これ覚えろ」
そういうと、目の前に広辞苑顔負けの魔法辞典が山のように積まれる。
これを覚えろということか。
ってか、アリア自身あんま魔法得意じゃねぇだろ。
異世界に来てまで勉強なんて......。
アリアが帰ってからしばらくは、例の魔法辞典と格闘していた。
試したところ、すべての魔法が無詠唱で使えるらしく、魔法の取得は思った以上にはかどった。
しかしながら詠唱を行ってもメリットがないかというと、そういうわけでもなかった。
詠唱を行うと、魔法の威力が若干ながら上がるのだ。
もともと暗記ものは得意だったので、すらすらと頭に入ってくる。
そういうば妙に力持ちだったり、体が軽かったり.....。
これも最強体質だろうか。
「まさか......」
一時間かけて分厚い辞典に目を通す。
すべて読み終わり、パタンと本を閉じる。
......覚えいた。今目を通したすべての魔法を、否詠唱までも。
その日徹夜してすべての辞典を読み終え暗記したのは、言うまでもない伝説だった。