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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第10章 共闘イベント、本格攻略開始!

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第290話 瘴気強化種のボスの撃退


 レナさんとハーレさんの2人組によってチャットを全文朗読されるという事とそれを要約したアルの説明により、新たに得た情報自体はほぼ伝わっているだろう。……どう考えても聞いた上での行動だしね。


「魔法吸収が動きを制限するのに有効とありましたが、これは私の出番ですね」

「……他の人がやってるみたいだけど?」

「軽く見ただけでもかなりギリギリじゃないですか!? 木の方は逃げ回るのには向いていませんよ」

「あー、ちょっと良いか?」

「……どうぞ、アルマースさん」

「そもそも魔法吸収の取得条件ってのはなんだ? 木の人が使ってるとこを見ると俺も取れそうな気もするんだが、選択肢にないもんでな」

「……意外ですね。灰の群集は把握していないのですか?」


 そういやジェイさんがコケだし、俺も取れるとは思ったけど一覧で見た覚えがないような気もする。……何でもかんでも分かっている訳じゃないけど、これに関しては普通に知らないね。まとめでも見ればあるのかな?


「あ、まとめにあったかな。植物系限定のスキルみたい」

「……ただあなた達が知らないだけでしたか」


 すぐにサヤが確認してくれたようで、魔法吸収はあったらしい。さて、どんな条件だ?


「基本的には未成体からポイントでの取得だけど『水分吸収』と『養分吸収』を一定Lv以上が必要なんだって」

「あー、それだと俺は微妙か」

「アルさん、その辺はあんまり上げてないもんね!」


 確かにその条件だとアルは微妙だよな。……ん? それだと常闇の洞窟の闇ゴケってどうなるの?


「サヤ、他に取得方法はないか? それじゃ微妙に説明出来ない相手がいる」

「未確定になってるけど、あるにはあるよ? 魔法攻撃を受け過ぎて死亡した場合の適応進化で得るってなってるね。闇ゴケはこれじゃないかな」

「それはほぼ確定で間違いない筈ですよ。私は前者の方ですけど、その条件も試した方はいますので」

「なるほどね。青の群集の木の人達って地味に物理寄りが多い?」

「……割合はどうでしょうか? 少し多い気はしますけども」


 植物系の養分吸収は物理攻撃だった筈だし、それを主力に使う人が多いのかな。だから魔法吸収を使ってる人がそこそこいるんだろう。うちのアルの木は、どちらかというと魔法寄りの攻撃だしな。

 まぁ今は取得方法は重要じゃない。サクッと2割削ってしまってこのカタツムリを仕留めるのが先だな。……カタツムリならナメクジに近いし、塩が有効な気はするけど塩そのものはまだ手に入ってないしね。海水じゃ微妙な気もするし、今回は確実に倒す方向性で行こう。


「ジェイさん、魔法を吸収して岩に乗って逃げ回るのは可能?」

「可能ではありますが、少し時間を頂けますか?」

「何するんだ?」

「こういう時はコケ単体の方が有利ですからね。一度共生進化を解除してきますよ」

「なるほど、分かった」


 そしてジェイさんは一度共生進化を解除する為にログアウトしていった。ふむ、状況に合わせて解除が出来るってのは支配進化にはない共生進化での利点だね。


「うぉーい!? ジェイさんどこ行くの!?」

「ちょ、このボスの攻撃地味に嫌なんだけど!?」

「交代してもらおうと思ってたのに居なくなったー!?」

「慌ててんじゃねぇよ! どうせすぐ戻ってくるから、それまでお前らは逃げ続けとけ! 『乱れ斬り』!」

「ホホウ、随分と攻撃的なようで。『ウィンドボム』!」


 さてとボスの猛攻を受けている俺らの連結PTの支援に行きますか。他のPTは雑魚敵の瘴気強化種は未成体の方が多くなっているようで、1体辺りの始末に手間がかかってるみたいだしね。

 ボスの行動誘導をすると周囲の敵が強くなる感じだな。成長体の瘴気強化種に比べると時間がかかるとはいえ、苦戦する範囲ではないか。


「サヤさん、投擲!」

「分かったかな! 『投擲』!」

「うー!? サイズ的に私じゃ投げられないもんね!?」

「あはは、ハーレ。ごめんねー! 『強蹴り』からの『踵落とし』!」


 サヤに投げられたレナさんがカタツムリの殻に向かって飛び蹴りをして、そこを足場にジャンプして踵落としを決めていた。その強襲にカタツムリが標的をレナさんに変えて、瘴気を纏わせる様に飛ばしてくる。


「あははっ! その程度、わたしには当たらない! おっと、再使用可能になったね。『魔力集中』!」

「あ、私もかな。『魔力集中』! ケイ、水流の操作をお願いできないかな?」

「おう、問題ないぞ」


<行動値1と魔力値3消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発動します> 行動値 50/51(上限値使用:4): 魔力値 173/176

<行動値を19消費して『水流の操作Lv4』を発動します>  行動値 31/51(上限値使用:4)


 サヤの要望通りに水流を生成し、竜の背に乗ってサヤは流れに乗っていく。……あの移動方法が案外気に入ったみたいだね。まぁサーフィン的な感じなんだろうか? サーフィンってした事ないけどさ。


 もう少しで切れそうではあるけども、魔力集中と付与した土属性は継続中。ジェイさんが戻ってきたら総攻撃を開始するとして、みんなのチャージの回復具合はどうだろうか。


「ジェイさんが戻ってきたら、総攻撃を仕掛けるけどみんな応用スキルのチャージの再使用はいけるかー!?」

「ちっ、俺は無理だな」

「斬雨は後先考えずにぶっ放すからだ。俺は行けるぜ! あれを聞いてたらまだ使いどころじゃないって分かったしな」

「いやいや、あれは誰かの攻撃は必要だっただろ。まぁ巻き込むのはどうかと思うけど。あ、俺も大丈夫。クジラの人も指示は的確なのな」

「そうそう、巻き込むのはねー。青の群集の大体の人は大丈夫だと思うよー!」


「あれくらいなら避けるの楽勝だよな?」

「……うん。灰の群集での見たら分かるの意味がよく分かった」

「だろ? あれが日常みたいなもんだから、慣れてけよー!」

「灰の群集も大体問題なし! いつでも流すやつは行けるぜー!」


 ふむふむ、大体問題なさそうだな。……灰の群集の人はスルーしてるけど、青の群集の方には地味にチャットの全文朗読からのアルの要約した指示がかなり効果があったようである。……色々と思うところはあるけども、実際に結構有用だったっぽいな。

 そして攻撃も間近という事もあり、みんなのテンションも上がっている。とりあえずジェイさんが戻って来たら、次の攻撃でカタツムリを1回撤退させられる可能性も高いからね。


「『ウィンドクリエイト』『操作属性付与』『爪刃乱舞・風』!」


 それにしてもさっきからサヤが水流に乗ったまま風の刃で迎撃をしているし、俺もサヤの邪魔にならない程度に水流の操作で瘴気の塊は撃ち落としているけど、カタツムリの攻撃は結構な威力があるな。相殺になって水量がどんどん減っているから、さっきから追加生成をし続けている。


 そうしている内にジェイさんがコケのみで戻ってきた。そろそろ引きつけている木の人も交代が必要そうだし、良いタイミング! これでこの1戦は終わらせようじゃないか。


「お待たせしました。……なんですか、このハイテンションは?」

「遅ぇぞ、ジェイ! ケイさん、これでいけるな?」

「おうよ! ジェイさん、早速で悪いけど引き付け役を頼む」

「……どうやら余裕は無いようですね。『増殖』『移動操作制御Ⅰ』『増殖』! では、始めましょうか!」

「みんな、総攻撃の準備開始! 青の群集も灰の群集もチャージ持ちは全員参加! 遠距離攻撃持ちは瘴気の塊の相殺で、ジェイさんに攻撃を当てさせるな! 該当しない人はチャージ攻撃の終わった人の回収で!」

「了解さー! 『魔力集中』『ウィンドクリエイト』『操作属性付与』『アースクリエイト』『爆散投擲・風』!」

「ホホウ、『並列制御』『ウィンドボム』『風の操作』!」

「やるだけやらないとね。『並列制御』『ポイズンクリエイト』『アイスクリエイト』! 『同族統率・毒氷』! 行けハチ1〜3号。『毒針』!」


 よし、みんながそれぞれの役割に向けて行動を開始した。俺も俺でやるべき事をやっていこう。


「ダイクさん、俺らは2つの水流を用意する!」

「おうよ! 『アクアクリエイト』『水流の操作』!」

「サヤ、このまま行くからな!」

「分かったかな! 『重硬爪撃・風』!」

「おっと、乗り損ねたら勿体無い奴だねー! 『ファイアクリエイト』『操作属性付与』『重脚撃・火』!」


 そして出来上がるのは2つの水流。カタツムリは動き回っているので、狙いは慎重にしないとね。……アルはする事が無いと判断したのか、尾ビレにチャージの終わった人を乗せて次々と水流の中に放り投げたりしていた。

 さてと、これで大体の準備は完了した。あとは動きを単調化させると共に回復速度を上回る攻撃を叩き込めば良いだけだ。

 

「瘴気の迎撃、一時中断! ジェイさん、任せるぞ!」

「えぇ、任されました!」


 意地になった様に瘴気の塊を連発していたカタツムリの攻撃への迎撃が止まると、その瘴気の攻撃の大半が待ち構えていたジェイさんへと襲い掛かっていく。


「それを狙っていましたよ! 『魔法吸収』!」

「ジェイさん、行けそうか!?」

「このくらいなら大丈夫ですね。さぁ、カタツムリ、ついて来なさい!」

「よし、迎撃再開! 総攻撃開始!」


 コケであるジェイさんには継続ダメージはそれほど効果はないはず。ここは高原で、森林深部程ではないにしても決してコケが少ないわけではない。多少大暴れした事で減ってはいるけど増殖と群体化を駆使すればそう簡単には仕留められる事は無いだろう。


「一番乗りは貰ったかな!」


 竜乗りのサヤが水流に乗ったまま、下から斬り上げるように中身と殻に向けて一閃する。その風属性の1撃は土属性の付与に比べると衝撃的には弱そうではあるけども、鋭さと何よりも速さが違った。カタツムリが吹き飛ばされる事は無かったが、殻に切れ目が入っている。

 慌てるように殻に引きこもり防御態勢になったカタツムリだけど、遅すぎたね。それをするのであればもっと早くに……サヤの1撃を受ける前にすべきだった。


「殻の切れ目を狙っていけ!」

「「「「おう!」」」」


 そしてそこからは俺の水流を先に、ダイクさんの水流を後からにしてサヤの作った殻の切れ目を狙って次々とチャージを終えた応用スキルが叩き込まれていく。……途中で俺の水流の操作が切れちゃったけども、ダイクさんとアルがフォローしてくれたから助かったよ。


 ただしカタツムリは2割削った時点で瘴気で自身を覆って防御したかと思えば、雲散霧消するようにその場から消え去っていた。……聞いていた通り、この逃げ方では追撃は難しそうだ。いや、瘴気で防御する隙を与えなければもしくは……?

 とにかく、これまでのボスの再出現の転移は支配していた瘴気強化種の方の力であったようである。うーん、こっちは地道に削っていくしかないね。うーん、そこそこの経験値にはなったけどもLv上がるには至らずか。共闘イベントは進化ポイントは多くても、経験値はいまいちだね。


「……これ、私が引きつける必要性ありました?」

「途中からは無かったね」

「……ですよね。ボスに何もさせてませんでしたし」

「でも初めは重要だったよー! おかげで隙だらけだったしね!」

「状態異常もそれなりに効いてたしね」

「何はともあれ、ひとまずお疲れ様ー!」

「「「「「おつかれー!」」」」」


 まぁウサギの完全討伐に引き続き、1回目のカタツムリの撃退は完了した。……流石に結構な連戦になったから少し疲れたね。時間は普段ならもう終わりにしてる時間にはなってるし、明日からもまだまだあるんだ。

 夜更かししても良いとか思っていたけども、明日に備えて今日は切り上げても良いかもしれない。


「……共闘戦略板でもあった話ではありますが、この段階であれば共闘でなくても行けそうですがどうします?」

「あー、確かにそんな感じだったよな」

「おそらく明日には雑魚の始末は全て終わるでしょうし、灰の群集は分散していて若干遅れ気味のようですし……」

「……そんな事になってんのか!?」

「あれ、アルマースさんが要約しなかったのですか?」

「あー、それは士気に関わるから省いといたぜ。ま、今なら言っても問題ないだろ」

「再出現の間隔も分からないし、一旦戻ってみる?」

「俺はレナさんに賛成だな。必要があればまた来たら良いだろ」

「お、ダイクも良い事言うね!」

「うっせぇ、ほっとけ!」


 まぁそれもありと言えば、ありだね。全体で全てを倒すのが条件なら他の群集の場所に分散し過ぎているのも良くないか。……流石にそろそろ落ち着いてきたと思うし、明日からは自分のとこのボス討伐に専念するのも良いかもね。


「それでは、今日の共闘はここまでで宜しいですか?」

「問題なしさー!」

「問題はないけど、継続してやりたいって人は受け入れてくれよ?」

「えぇ、それはもちろんです」

「あー、それと他の群集でないと対処が難しい行動パターンが出てくれば報告くれ」

「えぇ、そうさせてもらいますよ。こちらも、様子を見ながら灰の群集のエリアの方に行かせて貰いますね」

「おう、その時はよろしく!」


 という事で、とりあえず今日の青の群集での共闘はここまでで終わり! 一旦灰の群集に戻ってから夜更かししてでも他のボスに挑むか、今日は切り上げて明日に朝から頑張るかを決めていこう。

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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