第289話 ボスについての情報交換
さて灰の群集の危機回避能力も分かった事だし、本命の情報収集と行こうか。今はまだ回復中だし、青の群集の人達が頑張ってくれているからね。有益な情報が何かあればいいけど……というかボスの戦闘中だろうし、どれだけ人がいるかな?
●クビナガ : 青の群集ボスが1体倒されたがどこだ? 今のところ、草原と荒野で1体ずつだよな?
ケイ : お、丁度いいタイミング? 青の群集、森林深部のとこのボスは1段階目を倒したぞ。
ベスタ : なんだ、ついさっきのはケイのとこか。これで青の群集は3体目だな。
○ガスト : 灰の群集がまだ2体で遅めなのが意外だな?
ベスタ : 俺らの方は自由行動だからな。あちこち個別に好きなとこに散ってて自分らのエリアの方のメンバーが少なめなんだよ。
●ジェイ : なるほど、あちこちに結構な人数が来ているようでしたがそういう事情ですか。
○ルアー : こっちとしては助かるが、それでいいのか?
ベスタ : 別に早さを競ってる訳でもないから、問題ねぇよ。
あ、俺らみたいに遠征している方が多いんだ。……これは様子を見て灰の群集のボスにも行かないといけないかな。まぁとりあえずその判断の為にも情報収集だ。次のボスの特徴が知りたいし、それ次第で行動が変わってくる。
ケイ : 次の段階のボス情報は何かある?
○ルアー : その辺は今情報を集めだしたとこだな。ぼちぼち情報が出てきてるぞ。
ハーレ : おー!? それでどんな感じー!?
●クビナガ : とりあえず1つ。拘束魔法を使って瘴気強化種を直接吸わせなければHPの回復が遅くなる。
それはさっき青の群集の人達が試したやつか。まぁこの辺は考える事は同じだね。さてとそういう事なら俺もさっき判明したばっかの情報の提供といこうかな。タイミング的に確認がまだの可能性もあるからね。
ケイ : ほうほう。それじゃさっきの青の群集の半覚醒の討伐数をクリアした後だと、他の瘴気強化種に半覚醒が倒されるって情報は?
●クビナガ : それは初情報だな。へぇ、そうなってるのか。
○ガスト : ほー、そうなってんだ。
●マムシ : お、ホントだな。草原でも今確認できた。
ベスタ : こっちも確認した。半覚醒を優先した方が効率が上がりそうだな。
レナ : 確かにそだね。
●ジェイ : ですがフレンドリーファイアの可能性も上がりますので要注意ですね。
●マムシ : いっそ、2段階目のボスと半覚醒が終われば一旦共闘を打ち切った方が効率良いんじゃねぇか?
ベスタ : ボスの状況次第だが、その可能性はあり得るな。
ケイ : あ、そうか。そういう手もあるんだな。
半覚醒でダメージが通らないからこそ共闘しているのであって、その制限を突発したなら無理に共闘に拘る必要もないのか。そこまで行くのに十分共闘はしているし、その手段もありと言えばありだね。
まぁベスタの言う通りボスの行動次第でもあるから決めつけるのは早計か。
「ハーレ、ちょいちょい」
「ん? レナさん、何ー!?」
「ちょっと耳貸して」
「内緒話?」
何やらレナさんが何かを企んでいるようである。……PT会話で聴こえそうなもんだけど、地味に聞き取れないな。聞こえにくくするような設定とか何かあったっけ? ……知らないだけで地味にありそうな気もする。
何をする気か分からないけど、今は情報収集に専念しておこう。……さっきはどうも落ち着きなかったし、地味にレナさんってこういう情報収集には向いてないのかな? ……こんな風な文字ベースでのやり取りより、直接会って話しての情報収集の方が得意そうな気はするね。
紅焔 : おーい、2段階目のボスも2割削ると逃げていくぞ!
ケイ : お、マジで?
○ガスト : よく2割削ったな? 回復速度を落とせるとはいえ、回復早いだろ?
紅焔 : 近くにみず……あー、これ赤の群集に言っても良いやつ?
ケイ : ちょっと前に俺が情報を上げたあれ?
紅焔 : そう、それ!
●ジェイ : 多分あれでしょうね……。いえ、あっちでしょうか?
○ルアー : 無茶やってそうだな、おい。
●ジェイ : 全くですね。予想外の事ばかりで、何度驚けば終わるのやら……。
○ガスト : 青の群集でもそうなのか……。
というか赤の群集の人が少ないね。うーん、まだ余裕がそれほどないのかな。青の群集含めてクビナガさん以外は面識ありというのも凄いけど。
紅焔さんの言おうとしているのは近くにみず……という事は多分湖があって、水流の操作でみんなを流してチャージ系の応用スキルの連続攻撃の事だろうな。ふむ、あれなら2割くらいはすぐ削り切れるのか。そして2割で逃亡になるんだな。今回のボスは逃亡が多いね。
ベスタ : 盛大に脱線してどうする……。ケイが青の群集で使ったなら赤の群集に教えても別に問題ないだろう。
ケイ : まぁ赤の群集にまた行く事になったら使うしね。あれの方が絶対効率いいし。
ダイク : だったら、再現実験も出来たあっちも上げといたら?
ケイ : そうだな、そうするか。
●ジェイ : あぁ、あれですね。
○ルアー : あれとかあっちとか、複数のヤバイ情報があるみたいで怖いんだが……。
○ガスト : ……奇遇だな。俺もだ。
ケイ : ん? それなら情報無しでも良い?
怖いとか言うなら別に教えなくても問題ないんだけど。水流で流す方は自前で何とかなるし、他の群集との昇華魔法だって青の群集と情報共有出来ているなら赤の群集に教えなくても支障はないしね。
○ルアー : ……すまん、教えてもらえると助かる。
○ガスト : そうだな。今のは俺らが悪かった。
ケイ : 冗談だって。まずはーー
冗談はこのくらいにしておいて、他の群集との昇華魔法の発動と水流の操作の攻撃運用方法を教えていく。まぁ今回は特に競争要素もないし、ちゃんと倒してもらう必要もあるからね。
「ハーレ? 後でケイさんに怒られるよ?」
「私もやめた方が良いと思うかな?」
「大丈夫、大丈夫! これは後々の時間短縮さ!」
「なのさー!」
「……レナさんの悪ノリが出てんじゃねぇか」
流石に赤の群集に魔力値増加Ⅲまで教える必要はない。あれは灰の群集のみという事で。……っていうか、レナさんはハーレさんを巻き込んで何をやる気?
○ガスト : なるほど、昇華魔法に水流の操作か。ルアー、いけるか?
○ルアー : おそらくな。これは後で試すしかないか。
●ジェイ : 反応を見た感じでは、昇華には赤の群集も辿り着いているのですね。
○ガスト : 赤の群集もって事は青の群集もか。まぁまだ多いとは言えねぇが、それは他の群集も同じだろ。……流石に使い込みが前提な以上、昇華はそこまで極端な差は出ねぇとこだよな?
●マムシ : さぁ、どうだろな? 何でもかんでも教えられるって訳じゃねぇぜ?
●ジェイ : マムシ、今回は私達も教わっている側のようなものです。……迂闊な発言は自分に返ってきますよ?
●マムシ : おっと、そういやそうだった。
ふむふむ、赤の群集も青の群集もお互いに探り合いをするのはもう恒例行事みたいなもんか。他の群集の情報って今まであんまり入ってこなかったから気になるよね。
さて、今のガストさんとルアーの会話だと試すのが昇華魔法なのか、水流の操作なのかが判別が出来ないね。ガストさんが風の昇華を持ってるのは知ってるけど、もしかするとルアーが水の昇華持ちの可能性も出てきたか。……うん、ルアーは水の昇華を持っててもおかしくはない。
紅焔 : とりあえずこれで前提情報は良いか?
ベスタ : 話の途中だったな。使ったのは水流の操作で合ってるか?
紅焔 : おう、そっちで合ってるぜ。湖の位置から少し離れてたから誘導する必要はあったがな。その辺も含めての情報だ。
ケイ : え、誘導出来るのか?
紅焔 : おう、出来たぜ。瘴気を使って魔法みたいに攻撃してくるじゃん?
ケイ : あーそういやそうだった。
●ジェイ : 確かに魔法みたいではありましたね。昨日の時も今日のボスも共にです。
○ガスト : こっちもそんな感じだな。あれって魔法なのか?
ここに顔を出す前に瘴気の塊を撃ち出すのを見てきたし、ウサギの終盤でのあの広範囲攻撃は昇華魔法っぽい感じがした。そして昨日の夜に断念したという海のボスも同じ攻撃だったようである。記載漏れとか、情報不足だからあえて伏せてた感じかな?
紅焔 : おう、魔法攻撃みたいだぞ。たまたま魔法吸収持ちのバラの人がいたから吸収してみたら、吸収出来て思いっきり狙われるようになったんだよ。その状態なら回復速度も落ちるから、そこでなら削りきれるんだよ。
●ジェイ : 魔法吸収で吸収できるという事は魔法で確定ですね。他の者に吸収されるのは許さないとかそういう感じでしょうか?
紅焔 : 多分そんなとこじゃねぇかな。ちなみにこれは要注意な点があるぞ。瘴気の魔法を吸収すると『瘴気汚染』って状態異常になってしばらく行動値と魔力値の回復が遅くなるんだと。しかも継続ダメージ付き。
ベスタ : 有害なものを取り込むのにはリスクを伴う訳か。
紅焔 : そういう事。アイテムでの回復量も減るらしいからそっちも注意な!
○ルアー : これは貴重な情報だな。
●ジェイ : えぇ、そうですね。攻撃パターンはいかがですか? 昨夜の海の時は瘴気の塊をぶつけてくるだけでしたが。
紅焔 : とりあえず序盤はその攻撃と、纏わりついてくる攻撃くらいだな。どっちも多分魔法。あとは種族固有の物理攻撃っぽいな。あ、どの攻撃も低確率だけど『瘴気汚染』の状態異常になる可能性があるから要注意。
ケイ : 了解っと。
ベスタ : 紅焔、報告は助かった。
紅焔 : 良いってことさ。再出現に関してはまだ未確認だから、確認したら追加報告を上げるからな。
●クビナガ : 2割削ったら逃げるのは追撃は可能そうか?
紅焔 : それはやってみないと分からんけど、ちょっと厳しそう。どこにどう逃げてんのかわからんけど、瘴気が膨れ上がったかと思ったら次の一瞬でいなくなってたし。
○ルアー : なるほど、今度は簡単には追わせてくれないんだな。
ふむ、ウサギが再出現した時は転移して来たような感じだったし、そんな風に逃げているのかもしれない。そうなると流石に追撃は厳しいね。
まぁ思った以上に色々と情報は得られたし、赤の群集への情報伝達も出来た。……さっきからレナさんとハーレさんがやらかしてくれている事も気になり続けているのでそろそろ切り上げようか。
ケイ : それじゃそろそろ切り上げてボス戦に戻るわ。……さっきから気になるし。
●ジェイ : そうですね。……意図は分かりますが、気になって仕方ないですし。
ダイク : ……やっぱそうだよな。
ベスタ : ……何の話だ?
ケイ : こっち側の周囲の話。まぁみんなは気にしなくて問題ないよ。
まぁ事態が起きているのは……いや起こしているのはハーレさんとレナさんだしね。主犯は耳打ちをしていたからレナさん、共犯はハーレさんだな。……さて、どうしたものか。
「……なぁレナさん?」
「ん? 何さ、ダイク?」
「チャットの全文朗読はどうかと思うぜ?」
「え、アルさんに状況整理して指示出して貰ってただけだよ?」
「……大声で朗読してねぇから地味にたちが悪いよな……」
誰にでも聞こえるようにしてたのなら流石に怒るけども、アルに伝えて要約して全体への情報伝達をしてたから怒るに怒りにくいんだよな……。実際、既に判明した情報の伝達がスムーズに終わってるみたいだしね。
「レナさん、ハーレさん、せめて要約してから伝えてくれない?」
「……そうですね。打ち込んだ文字をすぐ近くで朗読されるというのは落ち着かないにも程があります」
「あはは、わたし要約って苦手でさー!」
「ハーレさんはそうでもないよな!?」
「あれ? そなの?」
「それなりには出来るつもりです!」
ほう、ここで自信満々で答えるか。……レナさんが苦手というのはどの程度のものかわからないけども、ハーレさんは出来るのにやらなかったという事が確定。となれば、怒ってもいいよね?
「……よし、後でハーレさんは覚悟しとけ」
「あぅ!? ケイさんが怒った!?」
「……だから言ったのに」
「ハーレの自業自得かな」
「……ここで揉めてちゃ要約して時間を節約した意味なくね?」
「アルマースさん、そのツッコミはなしでお願いします」
「俺もジェイさんに同意」
「……まぁ気持ちは分かる」
アルのツッコミも分かるには分かるんだけど、レナさんとハーレさんは悪ノリし過ぎである。……まぁ戦闘の様子を見る限りでは、木の人に吸収されていく瘴気の魔法や、それを追いかけるカタツムリ、そしてそれを妨害する他の人達という光景が繰り広げられているので効果はあったんだろうけどさ。有効な手段だったとはいえ、書き込みをすぐ近くで朗読される身にもなって欲しいね!
HP回復速度が少し落ちているからダメージ量が上回っているみたいだけど、それでも1割も削れてないか。まぁ現状でも削れる手段は分かった。行動値も魔力値も全快してるから、カタツムリに八つ当たりしてやろうっと。




