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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第8章 共闘イベントに備えよう

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第218話 未成体での共生進化


<『ソヨカゼ草原』から『始まりの荒野・灰の群集エリア4』に移動しました>


「『シーウォータークリエイト』『海水の操作』!」

「アルさん、ありがとね!」

「助かるよ」

「アル、サンキュー!」

「これくらいどうって事ねぇよ」


 ヨッシさんとハーレさんの共生進化の為に場所を移して、土ガメのいる場所へとやってきた。乾燥対策で俺、ヨッシさん、ハーレさんはアルの作った海水の中に移動。近くに土ガメはいるけど、ここにいるメンバーは全員が土ガメ討伐済みになっているので、戦う事は出来ないけどね。


「それじゃ行ってきます!」

「共生進化してくるよ」


 そして2人は共生進化の為に一度ログアウトしていった。2人とも特性の種を手に入れられるだけのポイントはあるはずだし、共生適応はしてくるだろうね。


「よし、ちょっと待ち時間もあるしヨッシさんの共生進化の姿の予想ってのはどうだ?」

「アル、それいいな!」

「私もちょっと気になるし、乗ろうかな」


 ハチとウニの共生進化の姿は確かに気になるところである。あ、着いてきてた人達は流石にこの話題は内輪過ぎるから遠慮してるみたいだね。まぁヨッシさんの両方のキャラを知ってないと無理だもんな。

 向こうは向こうで何か盛り上がってるみたいだし、そんなに気にしなくても良さそうだ。ここは俺とアルとサヤで予想していこうじゃないか。


「何か賭けるか?」

「あー、賭けるものがなくね?」

「確かにそれもそうかな……」

「同じPT内で回復アイテムを賭けても仕方ないか……」


 一緒に戦うんだから、回復アイテムを賭けてもね……? 賭けの価値がありそうなのは進化の輝石とかだけど、あれはプレイヤー間のやり取り不可だしな。賭けるものが無ければ成立しないか。まぁ無理に賭けをする必要も無いしね。


「なら普通に予想だけでいこう。俺はハチが背中にウニを背負うで!」

「ほう、ケイはそう来たか。俺はそもそも共生進化は無理と予想しておこうか!」

「共生進化って大型動物以外は大丈夫って話じゃなかったかな?」

「あ!? そういやそうだっけ!? 今の予想なし!」

「アル、自信満々に行った予想を取り消すのか?」

「ぐっ、俺の落ち度だ! 取り消しは無し!」

「アル、意地にならなくてもいいんだよ?」

「ケイにからかわれるよりはマシだ」

「おうおう、アル。自分のミスなのに俺のせいにするってのはどうなんだ?」


 まぁとりあえず今日の実況の件はここで反撃をしておこう。一応許可したとはいえ、唐突に実況が始まってアルがそれに乗ったのは間違いないしな。


「あー悪かったよ! で、サヤの予想は?」

「うーん、そうだね。今のヨッシって氷属性だし、氷で固められてハチから吊り下げられているって感じでどうかな?」

「え、ありなの? そういう共生進化?」

「……属性については考えてなかったな」


 そうか、属性を利用するというパターンも考えられるのか。そうなると、もしかしたら針同士を氷で引っ付けて、棘付き鈍器を搭載したハチという可能性も出てくるのか? ……なんか重そうだけど。


「みんな、ただいまー!」

「戻ったよ」

「おー、おかえ……り?」

「これはある意味、サヤの予想が近いか?」

「あはは、ちょっと冗談のつもりだったんだけどな」

「ん? なんの話?」

「いや、ヨッシさんの共生進化の予想してたんだよ」

「あ、なるほどね。それでサヤの予想が近かったんだ」


 そう、ヨッシさんの共生進化の姿はウニをぶら下げたハチであった。俺がサヤの予想を聞いてから予想した棘付き鈍器搭載のハチの姿が一番近いだろう。ハチのサイズが30センチくらいあって、ウニが10センチくらいと若干バランスは良くなっているけども。

 そして2人とも乾燥は大丈夫な様子である。ハチとリスはそれほど乾燥には弱くなかったらしい。


「っていうか、ヨッシさんのハチはかなり大きくなってない?」

「あ、それね? あまりにもバランスが悪かったから、ハチで大型化を使用中だよ」

「あ、大型化か。え、あれって条件は?」

「ん? 全身を伸ばしまくった状態で5分待機だって。紅焔さんから聞いたんだ」

「やっぱりポイント取得以外の手段もあったんかい!」


 しかも大体予想してた条件が正解の上に、紅焔さんが情報源か。……まぁ待ってる間に10分くらいは経ってて、思った以上に時間がかかるとは思ったけどまさか大型化の取得をしてたとはね。


「ヨッシの共生進化もびっくりだけど、私も見てよー!?」

「あ、ハーレさんすまん。色々とヨッシさんが衝撃的だったもんでな」

「分かるけど! それは私も思ったけども!」

「ハーレは、クラゲが帽子みたいになってるのかな?」

「そうだよー! 試してみないと分かんないけど、触手を伸ばせばパラシュートにもなるかも!」


 なるほど、通常時はリスの頭にクラゲ帽子を被っておいて、いざという時はパラシュート型にして落下してもいいし、逆に気球みたいに風の操作や風魔法を活用して飛んでもいい訳か。結構便利そうな進化になったね。


<群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集:『始まりの海原・灰の群集エリア5』》がクリアされました>

<『始まりの海原・灰の群集エリア5:群集拠点種・ヨシミ』が未成体に進化しました>

<『始まりの海原・灰の群集エリア5:群集拠点種・ヨシミ』にて進化の軌跡の上位変換が可能になりました>

<群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集》のクリア率:2/5>



 お、海エリアの方もクリアになったのか。さてと灰の群集は段々と終盤が見えてきているけど、正解ルートが判明していない赤の群集はどうなっているのやら。

 青の群集は海エリアにコケもいたし、意外と正解ルートに気付いているのかもしれないね。少なくともこっちの草原エリアとの競争クエストでの仕切り直しを森林の競争クエストでやろうって言うんだから、その間の移動は確立されているのは間違いないだろう。えーと、青の群集から見たら青の森林深部と荒野エリアになるのか?


「もうすぐ終盤だねー!」

「競争クエストも灰の群集では後2ヶ所だしな」


 もうすぐ競争クエストは全部終了のはず。そろそろ9時だし、今頃、青の群集との仕切り直しの競争クエストが開始だろう。折角だし、焼いた肉や魚でも持ってベスタの戦闘の中継でも見に行ってこようかな?


「森林エリアに行くぞー!」

「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」


 そして何故か草原の方で騒いでいた人達が、続々と荒野エリアの方へやってきて雄叫びを上げている。……え、何? ちょっと見ない間に何があった!?


「え、何事!?」

「みんな、どうしたのかな?」

「お、進化は終わったのか。ケイさん達、情報共有板とか群集内交流板は見たか?」

「見てないけど何かあったのー!?」

「どれ、情報共有板と群集内交流板だな。……なるほど、そういう事か。粋な事を提案してくるじゃねぇか、青の群集!」


 アルがそれをどちらも確認をして、何やら納得しているようである。青の群集の名前が出てくるという事は競争クエスト関係か……? 俺はほぼ見ることないから忘れがちだけど、そういや群集内交流板もあったな。あそこは基本的にPT募集とかがメインだからあんまり見る機会ってないんだよな。


「アル、どういう事かな?」

「いやなに、青の群集も俺らの灰の群集も残り最後の1ヶ所になったから総力戦でもやらないかって提案があったそうだ」

「え、それマジか!? 場所は……あ、森林エリアか!?」

「おー!? それは盛り上がりそうだね!」

「面白そうかな!」

「へー、青の群集の人も面白い事を提案してくるね」


 さっきの荒野の人達が森林エリアに行くぞって雄叫びを上げてたのはそういう事か。残り1ヶ所という事は荒野の競争クエストはもう終わったって事なんだろうな。勝敗はどうなったんだろ? 


「ちなみに、ここの競争クエストは灰の群集の勝ちだとよ。青の群集も他のエリアが終わったけど、赤の群集相手は全然楽しくなかったってのもあるらしいぜ」

「……なるほど、シンさんの言う通りだな。荒野の競争クエストの人も赤の群集との勝負は『手柄の取り合いで見苦しくて楽しくなかった』って書いてるな。そのくせ増援が来る訳でもなくて、負けたら責任のなすりつけ合いか」

「わー!? 赤の群集に対する批判で群集外交流板が荒れてるね!?」

「うわ、マジじゃねぇか。『内輪揉めでよそ見しながらとかふざけてんのか』とか『良い勝負して倒した赤の群集の対戦相手の事を、後からやってきた他の赤の群集の奴がボロクソ言ってて不愉快だった』とか色々書いてある。これ、青の群集の人も批判側に回ってるな」

「うっわー、赤の群集ってそんな事になってんのか……。こりゃ早めに手を打たないとマズいか?」


 群集外交流板って今そんな風になってるのか。思った以上に赤の群集の状態は酷そうだな……。こりゃ明日と言わず、サヤから水月さん経由でも情報を流してもらったほうが良いか? 俺も水月さんとはフレンド登録してるけど、サヤの方が仲がいいしやりやすいだろう。

 赤の群集の増援が来ないのはいがみ合ってるのが原因か、それとも経路確立がまだ微妙なのか、どっちなのかが問題だな。


「サヤ、水月さんに連絡取れるか?」

「え? うん、ログインしてるみたいだから大丈夫だと思うよ」

「常闇の洞窟の踏破状況を聞いてみてくれ。必要なら情報提供するって事を含めてな」

「え、それって良いのかな?」

「一応、情報共有板で許可は取ってる。……赤の群集の状況次第だけどな」


 これで踏破は進んで初期エリア間の転移が可能になっているのに、ただ単にいがみ合ってるってだけで増援も無しなら手も施しようがないからな。……情報の秘匿が原因で停滞しているのが原因で増援がないのであれば、正解ルート情報を公開した相手には強気には出れないだろう。

 そこら辺は情報源が灰の群集の俺らである事を伏せて、ルアーとか水月さん辺りで上手くやってもらうしかないけど。


「……そういう事なら、俺もフラムに連絡してみるか」

「あ、そういやアルもあいつとフレンド登録してたっけ」

「……逆に聞くけど、なんでケイが自分で連絡しないんだ?」

「え、だってフラムとはフレンド登録してないしな。一応リアル側なら連絡先知ってるけど」

「ケイ、それならリアルの方で連絡してこい!」

「……分かったよ。連絡するから、用意しとけとだけ伝えといてくれ」


 まぁゲーム内でフラムの近くに誰がいるかも分からない状態で伝える情報でもないか。正直面倒くさいし、共闘イベントさえ待ってなければ放置しておきたいくらいだけど……。放置してても多分いったんの強制情報開示がありそうだけど、そうなると負けて我儘を言ってる連中を抑え込めないしな……。


「あー、ケイさん達は何か企んでる?」

「ある意味そうなるか。赤の群集の状態次第だけど、盛大に恩を売ってくる」

「……つくづく灰の群集で良かったって思うぜ」

「そういえばここの人達は競争クエストはパスって人だったんじゃないのかな?」

「あ、それか? 本気で対人戦はパスって奴はバーベキューの続きやってるぜ。負けてもいいからお祭り騒ぎしたいって奴らは行くけどな。俺も含めて、今の赤の群集とはやりたくないってのも多かったからな」

「あ、なるほどね。そっか、折角やるからには楽しい方がいいもんね」


 シンさんも今の赤の群集には良い印象はなしか。どうやらこういう士気の面でも赤の群集の状況は悪影響が出てるらしい。……青の群集はBANクジラでの悪影響の経験から、そこら辺の雰囲気を吹き飛ばす為に提案してきたとか……? 青の群集の内情は知らないけど、無いとは言えない可能性だね。


「それじゃ俺らは先に行ってるぜ!」

「後で追いかける! あ、シンさん、青の群集の総力戦って開始時間とか決まってる?」

「それなら10時から互いに揃ったメンバーで開始だとさ。もうクエスト自体のクリア条件は群集支援種を誘導するだけらしい」

「へー! ホントに総力戦をやりたいだけの提案なんだね!?」

「みたいかな? うん、少し楽しみだね」

「未成体での共生進化も出来たし大暴れしようか」

「うん! ヨッシ、そうしよう!」


 そうか、そういえばハーレさんとヨッシさんは未成体での参戦になるんだよな。うーん、俺はロブスターをLv20まで上げきれなかったのが残念だけど、次にこの総力戦が実現するかも怪しいからな。参加しないという選択肢はない。1番の問題はアルのクジラの移動方法か。


「アル、どうするよ?」

「……いっその事、森を焼き払って平地にしてケイの水流に乗って大暴れするか!」

「お、その手があるか!」

「……流石に冗談だぞ? まぁ戦闘時には控えたいが、小型化って手段もあるからな」

「冗談かよ。そっか、そういや小型化もあったな」


 それほど極端に小さくはならないけども、それでも少しはマシになる筈。それに総力戦ならば人も多いし、移動に制限あっても何かしらの手段もあるだろう。あ、巨大な水の塊を平べったく作って、その上でアルに空中浮遊で浮いてもらって運べば良いのか? よし、小型化と合わせればなんとかいけるかもしれない。


「よし、アルの運搬手段は思いついた。それじゃ一旦ログアウトして話しつけてくる」

「お、マジか。なら、ケイが戻り次第、俺らも参戦しに行くぞ!」

「「「おー!」」」


 さてと、厄介な赤の群集の状況を確認して可能ならば手を打ってから青の群集との総力戦へと行こうじゃないか。どうにもならない状況だったなら、赤の群集との共闘は諦めて青の群集との共闘を念入りに考えよう。

 青の群集はBANクジラこそ大問題だったけど、それを乗り越えた今は強力なライバルになってそうだしね。


 という事でフラムこと慎也にリアルで連絡を取るために一旦ログアウト!


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自力での電子書籍版もありますので、よろしければこちらもどうぞ。
大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
ケイ以外の視点での外伝も収録!

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これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
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― 新着の感想 ―
[一言] 赤は協調性にかけるのが多く言ってたのか、お山の大将になりたかったのか…………困ったもんだね~
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