狡猾なヘルパーR(29)
私はヘルパーの達人と友人に、夫は契約書を熟読すると同時に、紹介所と知人にヘルパーの帰国費用負担についてそれぞれ聞いてみた。
結論、今回は出す必要なし。
皆さんの話は、前夜、夫が取引先に聞いた話とほぼ同じ見解であった。契約書を熟読すると、1年に1回の里帰り費用の負担については書いてあるものの、『1年働いた後に』と言うような具体的なことは書いてはおらず、そこは雇い主とヘルパーとの信頼関係などで、自由に設定してもいいような感じではあった。とはいえ、雇い始めた初年度などは、まだ信頼関係も構築されたとは言えないので、雇う方もヘルパー側も、常識的にも暗黙の了解で、1年真面目に働いた後ね!というのが一般的らしい。なんなら、それは有給も同じで、1年以上働いた後に1年に7日間の権利発生、と言う認識でいいらしい。もちろん、雇い主の配慮で、この人なら真面目だし2年と言わずずっと働いてもらうかもしれないから、1年経ってなくても出してあげようと判断したら、出すのは全く問題ないわけで、出す時期というのは明確な決まりはない。暗黙の了解的にそうなっているだけで、契約書に『1年働いた後に』というはっきりと明記してない曖昧でグレーゾーンをヘルパーRは利用した。私たち夫婦はヘルパー初心者だから、上手くいけば飛行機代も有給も出すかも知れない…と、私たちに負担させる魂胆だったらしい。
私が飛行機代を出す反応だったので、ヘルパーRは早速夫に言ってきたそう。
「Sir, 私の娘が、今日飛行機を予約しまーす(ニコニコ)」
それに対して、夫の返事は
「あ、そう。僕たちには関係ないから(キッパリ)」
私はその場にいなかったのでどんな状況か分からなかったけど、夫が言うには、そのように返事をした後「Ahh...」としょんぼりした風に言って自室に戻ったそう。
この反応を見ると、やはり、あわよくば出してもらおう!と思っていただけだ。私が1度出すようなことを言ったので「これは出してもらう権利があります!」なんて主張することもできたかもしれない。でも、働いた月日を鑑みると、今回は出さなくてもいいことを私たち夫婦が把握したのだなと、夫の一言を聞いて悟り、引き下がるしかなかったのだろうな。
とりあえず、出さなくてもいい飛行機代を出させられるのを阻止できたのは良かった。私は、同じ理由で、今回の帰国を有給にする必要はない!と夫に主張した。この夫婦はなんも知らんから、要求したらあっさり出すかもしれない、チョロいチョロい!と思わざるを得ない行為。私は許せない。だが、夫は違った。
「もういいんじゃない?」
どうせ、辞めさせるのは決まってるんだし、これ以上はいいんじゃないか、ということらしい。7日間有給をあげたとて、日割り計算で7日間で28000円弱。そのくらい退職金代わりにあげるつもりでいいんじゃない?というのだ。金額の問題じゃないんだよなーと思う。ここら辺が男の脳と女の脳の違いだろうか。私は、こんな風に私たち夫婦を舐めたようなことをしでかしてくれるヘルパーに同情の余地などない!と思っているのだが、面倒くさいことになったら嫌だから穏便に…と思う夫。それもわからないでもないのだが、私はこのことで、本帰国ギリギリまで働こうと思っていたのに辞めないといけなくもなったし、引越しだって私1人で準備しなくてはならなくなった。この数ヶ月やっていなかった掃除や洗濯などの家事ももちろん食事も、犬の散歩も全部私に一気に戻ってくることになり、体力的にもハードになることは間違いない。まぁ、帰国して1人暮らしになったら黙っててもそうなるのでこれは時期がちょっとズレただけとも言えるが。。。




