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「……」
「……あ、一番星」
彼女の声に顔を上げると、ひかえめに輝きを放つ一番星が。
(どういうこと…?)
気を抜けば頬が緩んでしまいそうだ。彼女の言っていることが本当なら、彼女は、私のことを――。
「はっ、花ちゃん!」
「!?…んんっ、な、何…?」
「ここ…上ってさ、星…見ない?」
「星…?」
街に一つだけある展望台を指し、星を見よう、と。私は頷きつつも、頭の中ではこの喜びと期待と不安がないまぜになった気持ちに片をつけたい、と思っていた。
(決めた。もう我慢しない。)
やっと、切なすぎる片想いに決着がつけられる。
「綺麗…!」
日も沈み、夜空では星たちが競い合うように輝いていた。
「真奈美、ごめん。ひどいこと言って」
心のモヤモヤが洗い流され、私は自分でも驚くほど素直に謝ることができた。
「ううん、いいの。…その、私のことずっと見ててくれたんだって思うと、怒られてるのに嬉しくなっちゃった」
えへへ、と頬を掻きながら笑う彼女に、さっき見上げた星の輝きが被って見えて、思わず目を逸らした。
「…そか、」
(今……!)
「ね、花ちゃん」「真奈美」
「「あ…」」
「花ちゃんからいいよ」「真奈美からどうぞ」
「ううん、いいよ」「私あとからでいいから」
「いやいや、いいって」「いやいや」
「…あははっ、何してんだろ」「……ふふ」
「じゃあさ、せーので言おう?」
「…せーので?」
「うん」
「わかった」
ただひたすらに、自分に正直に。心なしか潤んでいる彼女の瞳に見つめられて、嘘を吐ける訳がない。
(ダメだ、絶対泣く)
女の子のことが好きになった。
最初は戸惑い、自分は普通じゃない、と落ち込んだ。
でも次の日、楽しそうに笑う彼女を見れば、そんな気持ちも。
全部、幸せ色に変わっていったんだ。
「「…せーのっ」」
終




