プロローグ
人はいつか死ぬ。
だが、あまりに若く不幸にもなくなってしまった者を訳ありで困っている他の世界へ転生させる。
記憶や外見、性別は要相談だが、その転生者のことを考えて、言語は通じるようにするし、天下無双できるチートも与える。
それが“転生制度”。
それでもって、これが私......“神の仕事”だ。
つまり、亡くなった若者を転生させてる仕事をしている。
『神なのに仕事かよっ』と思わないで欲しい。人々から崇め奉られ何もしないで暮らしてゆけるのはごく一部神だけなのだ。
本当に羨ましい。私もそうなりたい。
神は暇というイメージが持たれがちだが、上位の神からのノルマがあったり、転生先の神のもとへ受け入れに関する営業に行ったり、“チートカード”と呼ばれるチートを与える道具の納入を催促したりとやること多いのだ。
「そろそろ、到着します」
隣にいる天使ちゃんが声を掛けてくれる。
相変わらずの抑揚のない声だがそれにも慣れた。ついこの間から私の補佐になってくれたのだが、本当によく働いてくれる。
この空間は私が座るイス以外には何もない。
つまり、天使ちゃんはずっと立ったままなのである。正しくは浮いたままなのだが、なんとなく申し訳ない。
「わかった。ありがとう。さて、転生者一号はどんな人かな」
天使ちゃんに礼を言い、渡してくれた転生者の情報に目を通す。
名前は伊藤 和。
年齢は(人間単位)十六歳。
性別は(人間単位)男性で出身は日本。
上からの転生先の希望は.......暗黒の世紀末『ディストピア』......見なかったことにしよう。
死因はトラックに引かれての出血死か......ああ、この子もトラックに引かれて亡くなっている。最近多いんだよな。
職業はニート。またニートか。この部屋に送る人間を選ぶのは別の部署だが、本当に役所仕事だよ。何人ニートを送ってくれば気が済むんだ。
まあ、こちらとしては転生の話をする前から全てわかってくれてるようだから楽といえばらくなんだが......たまにいる自分で考えたチートを持たせてくれというのは止めてくれ。それは私の管轄じゃないから。
そんなことを考えていると部屋の魔法陣が光だした。亡くなった人の魂が別部署から到着した合図だ。
神の威厳を示すため、イスに座り直し、転送されてきた人間が口を開くのを待つ。
「ここは、どこだ。あれっ、俺死んだんじゃ」
転送されてきたジャージ姿の男性が目を開け、狼狽えた。
人によって反応の程度は違うが、これもいつも通りのお約束。自分がどうしてここにいるのかわからない。そんな反応だった。
「さて、伊藤 和さん。非常に残念ながら、あなたは亡くなりました」
状況が飲み込めない彼にお決まりのセリフを言う。
これから私は彼に選択を迫る。
さて、今回はどんな感じのドラマになるのかな?
思いつきで始めてみました。
次回?に続きます。
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