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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【スキル振り】

「また…初心者に嫌がらせしたいのかって感じの町ができたね。」


ギルドの大広間で安心して床に座り込んだ。


「びっくりしました…。確かに…初心者だったら…僕みたいに騒いで終わってたかもしれませんね…。」


「死にはしないし安心しなよ。ルナに報告しないといけないから今日はここまでかな。」


「あ、色々とありがとうございました。」


「僕も色々楽しかったよ。」と言って大広間を出て行った。


……本当に死ぬほど熱かった。町の作り直しする時は立ち入り禁止とかにしてくれればいいのに…。


「あれ?りきさんじゃないですか。」


シンさんと入れかわりで大広間にシンカさんが入ってきた。


「こ…こんにちは。」


「BP稼ぎに初心者狩りしてたんじゃなかったんですか?」とシンカさんは此方に歩いてきて座って僕と同じ目線になった。


「言い方が…えっと…江戸の次の町が丁度バトル王が倒されたばかりみたいで…急にマグマランドって名前の町にかわって…地面がめちゃくちゃ熱くなって…逃げ帰ってきたところです。」


「ふーん。じゃあシンはルナにそれの報告に消えたってとこですかね。」


「は…はい。」…鋭いな…シンカさん。


「あ、空腹バフついてるじゃないですか。何か食べます?」


「え…あぁ…そう…ですね。」


「じゃあちょっと椅子に座って待っててください。用意するんで。」


そう言われて椅子に座っていると…シンカさんはスマホをポチポチしていて…目の前に突然色んな種類のパンやジャムが並んだ。


「どうぞ。」


「ありがとうございます…いただきます。」

バターロールパンを手に取ってジャムをつけて食べた。なんだこれ…めちゃくちゃ美味しい!冷めてるけど…


「インベントリにいれると冷めるんですよねぇ。そこが難点です。」


「シンカさんは料理が好きなんですか?」


「いえ、実験です。」


「え?」


「ルナには最高のものを口にしてほしくて、その為の実験で食べさせてます。料理が好きっていうよりルナが好きなだけです。」


……ルナさんのAI恐いなぁ…でも本当にこのパン美味しい…。


しばらくパンを堪能していると大広間に花魁風着物姿のルナさんが入ってきて咽た。


「大丈夫。あれはー…にー湯kenさんのAI愛媛です。」とシンカさんが耳打ちしてくれた。


「えぇ!?またAI!?ルナさん…どれだけ愛されてるんですか…。にー湯kenさんって誰ですか…。」


「愛媛、何か用ですか?」


「ううん。ken…ログインしなくて…暇だったの…。」と…とてもおどおどとしている感じで声は少女のように可愛らしい。


「にー湯kenさん、現実世界では漁業をしてるらしくて…なかなかログインしてこない人なんですよね。職業は確かー…アタッカー?」


「kenの武器は大きな手裏剣とか…かな。」と恥ずかしそうに愛媛さんが言った。


「あの…この世界って特に職業とか決められてないと思うんですけど…やっぱもってる武器で職業をなのってる感じなんですか?」

僕が質問すると…二人とも「え?」という顔になって実際に「え?」と言われてしまった。


「え?…僕またおかしな事言いました?」


「はい。それはもう。その様子じゃ…スキル一覧とか全く見てないんだろうなと。いい機会ですし色々教えましょうか?」


「はい…お願いします。」


「ぶふっ(笑)…人間じゃなくてAIに教わるのってなかなかシュールな絵ですね。」


「シンカ君、意地悪言わないの!」


「はいはい。愛媛もう少し離れてください。自分はシンよりも制限が厳しいんで。」


「あ…ごめんなさい。」


……ルナさん…シンカさんにはどんな設定してるんだろ…?


「じゃあまず、スマホをご覧ください。画面中央には装備マーク…その上のマークがスキル覧で…押してみてください。」


言われた通りに操作すると目の前にホログラム画面が出てきて色んな文字がずらーっと並んでいて眉をひそめる。


「まぁ…そうなりますよね。ほら、ポイントが画面右上に表示されてるじゃないですか。このポイントを好きなスキルにふっていくんですよ。」


画面右上にはこれまでのクエスト達成やバトルでの経験値で得たであろうポイントがたまっていた…。


「108…か。そこそこありますね。辞める前にデイリークエストとかマメにやってたんですね。」


「あ。はい。コツコツとやってました。」


シンカさんはホログラム画面をまじまじと覗く。


「うーん。槍スキルがちょっと上がってますね。これ初期化しちゃいましょう。」


「あ・・・はい。」

槍スキルゲージの隣の初期化ボタンをおしてみると158ポイントに戻った。


「気分で初期化して振り直し可能なんで、間違えても大丈夫ですよ。」


「あ…思い出しました。昔はこんなに種類なかった気がしますね。」


「色々増えましたし…りきさんが辞めてから恐らく4回は大型アップデートが来てますからね。」


「そうですよね…僕も復帰する前に色々下調べはしてみたんですけど…頭が追い付きませんでした。」


「ルナに期待されてるんですから。全部頭に叩き込んでくださいね。」


ぜ…全部って…しかも真顔で…


「頑張ります…えっと、タクトのスキル振った方がいいですよね。」


タクトスキルにポイントを振ろうとするとエイボンが「まってください!!」と声をかけてきた。


ピタッと指を止めた。


「りきさん?」とシンカさんが僕の顔を伺った。


「あ・・・武器が待てって話かけてきました。」


「名前と分類はタクトですが、そのスキルに振ってしまうとタクト自体の攻撃力が上がるだけです!一番左端にあるAI調教スキルに振ってください。」

エイボンに言われてAI調教スキルのボタンを押す。


「は?…AIも持ってないのにAI調教スキル?…その武器に騙されてません?」とシンカさんが眉をひそめる。


「えっと…なんて説明したらいいのやら…春風のタクトには7体のAIがいて…そのAIが戦ってくれるんです。」


「げ。自分の賢者の書並みに面倒な武器ですね。」とシンカさんがパっと分厚い本をとりだしてみせた。


「賢者の書?…武器ですか?」


「はい。じーさんAIや、ばーさんAIが7体ほどいて力を使う用途によって威力が変わる面倒な魔法タイプの武器です。」


「じゃあシンカさんもAI調教に振ってるんですか?」


「いえいえ、賢者の書はAI調教に関係しないんで…魔法に振ってますよ。まぁ、いっぱいポイントあるんで違うのにも振ってますけど。」


「とりあえず…武器の指示通りに一度ふってみます。」

エイボンの指示に従ってAI調教スキルに100ポイント振ってMAXになった。


「残りはえーっと…魔力にでもふっておきましょう。」とエイボンが言った。


言われた通り魔力に振ってからAI調教スキルの説明を読んでみると〔半径200m以内の自分のAIは攻撃力・防御力・魔法攻撃力・魔法防御力アップ〕だった。


200mって結構広いな…でもこれで僕の200m以内にいればみんな強くなる…のかな。ちなみに魔力は魔力の追加増加だった。


「変な振り方ですね。こんな人ほっとんどいませんよ。まぁ、今度初心者村にある公式のショップでスキル拡張券を買って、100以上振れるようにしましょう。じゃあ次はアビリティですね。1バトルにつき100ポイントもらえるんで結構ふれるんじゃないですか?」


アビリティボタンが画面の左端にあってそれを押してみるとホログラム画面が切り替わり色んなスキルが表示された。

【農業・家畜・薬剤調合・料理・宝石加工・採掘・釣り・裁縫・窃盗・地獄耳・移動速度・肉体・美容・音楽・占い・踊り・氷・火・人魚…ect】


真面目に眺めると本当に目がくらむ量だ…なんでもある…右上にポイントが表示されていて500ポイントたまっているようだった。


「あの…この人魚に振るとどうなるんですか?」


「足が魚みたいになりますよ。ポイントさえ稼げばほっとんど振れるんでこれはまぁそんなに心配はいりませんよ。料理したかったら料理にふればいいですし。」


「えっと…シンカさんは何に振ってるんですか?」


「料理と地獄耳と踊りと裁縫と薬剤調合と…えーっと…妖精?」


「…凄い振ってますね…踊りって…使うんですか?」


「武器によっては神楽や舞いを必要とするんで踊りをとっておかないと武器を装備できないんです。あぁ…レア武器は装備する前に[必須:踊り]とか表示されますよ。」


「ルナ姫様は氷と料理と妖精でしたっけ?」と愛媛さんが少し離れたところから言った…なんか可哀想…。


「ルナはほとんど振ってますからね…もっとありますよ。」とシンカさんが言う。


「妖精って振るとどうなるんですか?シンカさんもルナさんも振ってるんですよね?」


「空とまではいきませんが…空中をこんなふうに飛べます。」と実際に浮いてみせてくれた。


「便利…ですね。あ…武器にちょっと聞いてみます。」


タクトを握りしめてエイボンを実体化させてた。


「だいぶこの武器のコツ。掴めてるみたいですね、りきさんはフウの力で浮遊する事が可能ですから妖精に振らなくても大丈夫ですよ。よりこの世界を楽しむ為に振りましょう。」


そういうとエイボンは一瞬ニコリと微笑んで消えてしまった。


「決まら無さそうですね。これは初期化にお金かかりますけど、とりあえず料理と釣りでもとっとけば遠くにいってご飯が尽きても生き延びれますよ。」


「そうですね…そうしときます。」言われた通り釣りと料理にポイントを振ってみると…


「あれ?…100がMAXポイントじゃないんですか?」


「はい。100が一応そつなくなんでもこなせる数値ってだけで…自分ですと料理が上限値に達してるんで薬剤調合との連携効果で体力向上とか魔力増幅が含まれる料理に変化させる事ができます。」


「え…上限値って…いくつなんですか?」


「一応1000ですけど…この後が問題なんです…条件地に達した後実際に料理していくと…黄色文字で追加ポイントが加算されていきます。その上限は不明です。」


「…恐ろしいですね。いったい何が…シンカさんは上限値に達してたり?」


「さすがにまだ。ただ一人…千翠さんだけは…その加算上限値を知ってるそうです…この世界で…いえ、億を超える参加者のいるこの世界でほんの一握りのうちの一人。」


「前から思ってたんですけど…千翠さんって何者ですか?」


「数々の精神汚染系の高難易度ダンジョンをクリアする精神力を評価されて雑誌にのったりしてましたよね!千翠様!」と愛媛さんがまた遠くから言っていた。


「精神汚染系ダンジョン?」


「嫌な音が常に響いてたり、空腹バフMAX溜まった状態でのボス戦闘だったり、真っ暗に無音状態の空間に何時間いられるかとか…?」とシンカさんが自分の頬に人差し指をあてながら説明してくれた。


「とりあえず残りはやりたいものが見つかったら振ってみます。」


「そうですね。あ…ゲートに振っといてくださいね。それで行った事のある場所へは自由にゲートを出せるようになるんで。」


「あ…これもアビリティだったんですね。ていうか…最重要アビリティですよね?」


「はい。初心すぎてすっかり忘れてました。それで町の門前に移動できます。ギルドハウス内はこの大広間と各部屋前に…って…時間やばっ…。」


大広間の大きな古そうな時計を見ると午後6時を指していた。


「愛媛!あとは晩餐の説明を!自分は急いで用意するんで!」とシンカさんは駆け足で大広間にある大扉ではなく普通の扉の方へ入っていった。


「えっと…うちのギルドは午後8時なったら晩餐って言ってギルド員が集まって夕食をとるの。これは任意だから出席してもしなくてもいいんだけど…シンカ君の料理は基礎能力値を上げる効果とかあるからなるべくみんな集まって食べてるよ?」


「そうだったんですね。…シンカさんが全部作るんですか?」


「うん!今から続々と集まってくるからテーブル拭いておかないと!」愛媛さんは布巾をどこからかとりだして長い長いテーブルを拭き始めた。


「大変ですね…。」


「えっとりきさんは新人さんだから、あっちのテーブルですよ!新人さんばっかりのテーブルです!」ニコニコと笑顔でテーブルへ案内してくれた。


座っていると…たくさんのAI達…(ルナさんに似てるAIが多い気がする。)が料理を運んではテーブルをセッティングしていた。


丁度中央の一番奥の席は横向きにテーブルが並べられていて、恐らくルナさんと幹部的な何かの席なのかなと推測した。


…7時をすぎると続々と色んな人がゲートで出てきた。


全員…同じギルド員なんだ…日本人も外国人もいて…凄い…こんなに人がいるなんて…


1人…幹部席に座った…スマホを開いて個人情報を開いてみた…【名前:ジョンナム」 バトル勝利回数2012 所持AI3】間違えない絶対に幹部だ!!


「ふふふ♪りき君ね?」と後ろから声をかけられてふり向くと…ピンク色の髪にツインテール…ピンク色のセーラー服に顔には大きな星のペイント…それからランドセル…なかなか個性的な見た目な人がいた。


「あ…はい。りき…です。よろしくお願いします。」


「俺は変態紳士!よろしくね♪」と変態紳士さんが自己紹介してくれて…本当に頭に変態紳士と表示されて唖然とする。


「あー…そいつね。35歳のおじさんだから好きになっちゃだめだよ?本名はランドン、だいたいの人にランって呼ばれてるわ。」といつの間にか正面の席にクマっぽい着ぐるみを来た女性声の人が座っていた。


「やーん♪そんな事言ったらもう回復してあげないんだからねサマンサ♪」と言って僕の隣に座ってきた。


「あっち座りなよ!…サマンサは私の本名ね、ゲーム内では森のくまだから。」とさりげなく自己紹介してくれて名前が表示されるようになった。


僕…大丈夫かな…ちゃんとやっていけるかな…不安だ。


森のくまさんと変態紳士さんの言い合いがはじまった・・・そんな中チラっと幹部席を見ると…千翠さんが席についていてその右隣は空席でさらに右となりには天使のパジャマを装備した金髪ロングの綺麗な男の人が座っていて…

さらにその隣には茶髪のさわやかそうな…どっかの王子様みたいな恰好をした人が座っていて…さらにその隣には大きなリボンを頭につけていてルナさんに負けないくらいのディープピンク色をしたヒラヒラドレスを纏っていた。


そしてテーブルにはシンカさんの料理が並ぶ…。


ルナさんがシンさんにエスコートされながら大広間に入ってきて千翠さんの左隣に座った。


その後でルナさんの左隣にはシンさんとシンカさんが座った。


「皆さんお疲れ様です。晩餐をどうぞ。」とルナさんが言うと宴会のような賑やかな空間になってみんながご飯を食べ始めた。


シンカさんの隣の席2席も空いてるけど…まだ幹部全員はそろってない感じなのかな…千翠さんの右隣りも誰が座る予定だったんだろ?


「ん?あの空いてる席が気になるのかにゃ?♪」と突然変態紳士さんに話しかけられた。


「あ…はい。」


「シンカの隣はスノーポークよ♪で…その隣がー♪」と変態紳士さんは席をたって…一番端の幹部席に座った。


(幹部だったんですか!?)


「で。私があいつの副官というか部下。幹部それぞれには絶対副官がいるのよ。」と森のくまさんが頬杖をついて自己紹介してくれた。


「…って…ここ新規加入者ばっかりの席じゃなかったんですか!?」


「は?アンタみたいな特待生新規と一緒に座らせるわけないじゃない。ここは特別に用意された席よ。隣とかは欠席だけど。まぁ、アンタはここの班じゃないけどね。」


愛媛さん…可愛い顔してさらっと…嘘を…。


9時になると…ほとんどの人は食べ終わっていて…


茶髪のさわやかそうな幹部はShiftさん…天使のパジャマを着た金髪長髪幹部はラートさん…大きなリボンをつけてた人はユナさん…名前だけわかった…。

千翠さんの右隣の席にはダリアさんが座る予定らしい…でも…ダリアさん長い事異形の町から帰ってないらしい・・・。


幹部席のShiftさんが立ち上がった。「あー…俺の班。明日早朝より茨の滝試練レベル最上級に挑戦しまーす!」とShiftさんの声が響いて…大広間がシーンとなった。


その後すぐに「うあああああああ!!」とか「いやああああ!!」とか真ん中付近右よりのテーブルの人たちが頭を抱えだした。


「え…そんなに過酷な試練なんですか?」


「あぁ、何も知らないんだっけ。茨の滝試練ってのはダンジョンの名前で針が馬鹿みたいに体ささって…痛いのなんのって…それに耐えながらBOSSに攻撃しないといけなくて…あれは拷問よ。」


「今回は特別ゲストに新入りのりき君を加えての挑戦になります!」とShiftさんに言われて…驚いて席を立って…だんだん顔の血の気が引いていくのを感じた。


「は?そんなの許すわけないでしょ?何考えてるのタクミ。」とルナさんが立ち上がって反論する。


Shiftさん本名タクミさんなんだ…。


「コホンッ…いやー…それだけ良い装備してて?お忙しいルナ様とシン君と長時間お喋りして?俺にアホほど仕事回しといて?行かないわけないよね?りき君。」


「なっ!?言い方が卑怯よ!?」


「あの…僕行きます…。」…ていうか行くしかないし…Shiftさんの班のみんなこっち睨んでるし…ていうか班って何だろう…僕は力なく椅子に座った。



「あちゃー…シフさんに目つけられちゃって…。ていうか珍しいわね。シンもシンカさんも手を回しておかなかったんだ。」


「どういう…?」


「あぁ、シフさんを刺激しないようにいつも色々策を練って行動してたはずなのに今回は抜けがあったていうか…。」


「そうなんですか。…あと班って何ですか?」


「班は大広間…入り口から見て一番左のテーブル…つまりここは変態紳士班、次がスノーポーク班、次がAIのテーブル…で次がルナ班だけど、ルナ班はだいたいシンが管理してるわ。次が千翠班次がダリア班っとまぁ…だいたいわかるでしょ?」


「なるほど…班まであるんですね…。どうやって決まるんですか?」


「ギルド加入前にテストがあるのよ、その心理テストみたいなのに答えて振り分けられるの。ちなみに個性重視とかの回答しちゃうとここになるわ…。」


「…僕まだテスト受けてないんですけど…。」


「あー…そうだよね。ルナっちが自分の班に引き取るっていってたから。今日はたまたまこっちに座ってもらってるけど次からはあっちなのかな?」


「次、よろしいですか?」と千翠さんが立ち上がり「千翠班及びダリア班は明日早朝より黄金が眠る洞窟最上級に籠る。金が欲しい奴はついてくるといい。参加は自由。以上だ。」

と言うと座った。


「あー…僕からも」とシンさんが立ち上がった。「ルナ班は新人のりきさんのバックアップをしてあげてほしい。もちろん、僕のだした課題もきっちりしておいてください。」

と言ってシンさんは座った。


「他に誰か言いたい事は?」とルナさんが頬杖をついて問う。


「なければこれで解散です。」とシンカさんが言った。


…明日早朝…針にさされる試練…それを思うとどんよりとしてしまう…みんなが食事を終えて広間から出始めていて…Shiftさんの班から凄い睨まれながら…僕も大広間を出た。


今日は早く部屋に戻ろう…そして寝よう。


「よぉ!りき!元気か?」とシュガーさんにバンっと背中を叩かれた。


「全然元気じゃないです…茨の滝試練ですよ?」


「精神汚染系ダンジョンの中でも結構酷いダンジョンだな。」とガウルさんがいつの間にか僕の隣を歩いていた。


「精神汚染…。」


「まぁ。同じ班同士仲良くしようや。」


「え…シュガーさんとガウルさんって同じ班なんですか?バトル数的に幹部系かと。」


「ルナ班は古参が多い。ルナの下でやってくって誓ったメンツでよぉ。幹部クラスだらけってとこだろうな。」


「テーブル的に千翠班の人多かったですよね。」


「あぁ、テストで金が大事と先まで色々読むことができるような回答するとあこにいくらしいぜ。」


「へぇ…奥が深いですね。」


「そんな事より…明日の試練…俺も参加する。」とガウルさんが言った。


「え!?いいんですか?」


「あー…俺は…精神汚染系苦手だからいけねーけど…頼んだわガウル。」


「言うと思った。だいたいタンク・ヒーラー・アタッカーで組んでいかないとクリアは難しい。だから今回タンクは兄貴にいかせる。」


「3人ずつ動くんですね。…てことは僕がヒーラーですか?」


「そのつもりだ。いけるか?」


「やってみます…。」


ガウルさんが一緒にきてくれるってだけで心が凄い落ち着いた…それに会った事はまだないけどお兄さんまで…。


「まぁ…なんとかなる。5時には起きて広間に集合だ。」とガウルさんなりに僕を励ましてくれようとしてるのがわかって胸が熱くなった。


「はい!がんばります!」


それから自室に戻って…アビリティスキルを眺める。


……ゲートって…最大値まで振ったらどうなるんだろう?試してる人とかって…いるのかな。


なんとなく…振り直しができるからって事もあるけど…ゲートのアビリティに余ってるポイント全て注いだ。



天使のパジャマに着替えて…と…武器をしまおうとした時…


「りきさーん♪シャワー浴びてみたらどうですぅ?」とスゥに話しかけられた。


「シャワー?あぁ…シャワーって浴びるとどうなるの?」


「汚れがおちますぅ♪りきさん、結構ドロやすすがついてますよ?あとちゃんと装備を全部外さないと状態異常水濡れになってしまいますぅ♪」


「えぇ!?そうなの?」

僕は急いで部屋についてるシャワー室に入った。


装備を全部外してシャワーを浴びて…って…なんだこれ…ほんとにシャワーを浴びてるみたいだ。


アイテムの布きれを取り出して水気をとって天使のパジャマを着る。


宿屋とかにあったシャワー室やお風呂は全部飾りだと思ってたけど…こんな効果が…


そして僕はベッドに潜るとすぐに眠りに落ちていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 誤字脱字が少なく読んでいて安心感があります。 [気になる点] 全体的に表現に具体性がなく、非常にフワフワしている。全てをガチガチに表現しなければならないとは思いませんがあまりにも漠然として…
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