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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【Shiftの遊び】

翌朝…揺すぶられて目を覚ました…目をこすって起き上がってみると…シンさんがいた。


「起きた?鍵かけないと危ないって。」


いい匂いがした…多分朝食を運んできてくれたみたいで…机をみると湯気のたった何かが置かれていた。


「すみません…色々考えてたら…。」時間を確認すると5時の5分前だった。


「シンカの薬膳料理。精神汚染系のダンジョンいくなら食べたほうがいいよ。」


「ありがとうございます。」起き上がって装備を付け替えてからテーブルについた。

シンさんは向かいの椅子に座った。

薬膳料理って…ちょっと渋い味とかするのかなとか思ってたけど意外と美味しい…さすがシンカさんの料理だ。魔力向上…精神ダメージ軽減…という文字が一瞬出て消えた。


「……妙なんだよね。」


「はい?」


「タクミさんに仕事なんて回るはずなかったのに…何故か仕事が回ってた。僕に管理漏れがあるなんてありえない。AIだよ?僕。」


「…そうなんですか?…じゃあ…いったい何の仕事が回ってたんでしょう?」


「調べてみたんだけどさ、確かに僕がやるべき仕事がタクミさんに回ってたんだ。それも凄い量。僕壊れちゃったのかな。」


「え…。良いんじゃないですか?人間らしくて…。」


「そのせいで酷い事されかけてるってのに…呑気だね。」


「…いつかは…多分やる事なんだと思うんで…僕なら多分大丈夫です。」


「なかには…あれがトラウマでログインしない人とか…前線から離脱した人とかもいるし…」


シンさん…ほんとに良い人だなぁ…。


「多分大丈夫です。ガウルさんもついてきてくれるそうですし…きっと大丈夫です。」


朝食を終えて部屋を出て大広間までいくと…ガウルさんと…銀髪で後ろ髪だけ長い…背の高い体格の良い人が立っていた。


「きたか。」


「よぉ!俺はガウルの兄ソウジュンだ!よろしくな!」とバシっと肩を持たれた。


「はじめまして、りきです。よろしくお願いします。」


「これから遠征隊って言ってPTをさらにPTで組むようなシステムを使って大勢でダンジョンに挑むんだ。だから先に俺らとPTを組んでおこう。」


〔パーティーに招待されています。許可 拒否〕画面がきて許可を押してパーティーを組んだ。


「おやおや?まぁルナ様から直々にガウル君とソウジュン君を連れていくように指示されてしまったんで連れていきますけども?パーティーまで先に組まれておられるようですねぇ。」

背後から声がした…これはShiftさんの声だ。

今日のShiftさんはカッターシャツに黒いズボン…シンさんやシンカさん達が装備してる防具と一緒?その上には白衣を着ていた。


「同じ班なんだ。何が悪い。」とガウルさんがボソっといった。


「いいえ?別に?俺の班はクリア回数1回の超難易度クエストなものでねぇ。さて…。」


大広間に続々とゲートが開いてぞろぞろとShiftさんの班がそろって綺麗に整列していく。


「さぁ、いこう!茨の滝試練へ。」Shiftさんが大きなゲートを開いてくれて、ぞろぞろとみんながそこに入っていった。


みんなの顔が…戦後かのような顔をしていて生唾を飲んだ。


「俺らもいくぞ。」とガウルさんが進みだして、それについて行った。


ゲートの先は大きな大きな…まるで大広間のようなホールで…壁や床は全てコンクリートだった。

いつのまにか遠征隊に入ってるようで、ホログラム画面が現れて全員の名前と装備している武器のマークがずらっと並んでいた。


「いいか?りき。画面の自分の名前のところをタップして職業マークをつけろ。回復はハートマークだ。魔法アタッカーは杖。物理アタッカーは剣マーク。タンクは盾。」ガウルさんが丁寧に説明してくれた。


ホログラム画面の自分の名前のところをタップしてハートマークを選んだ。


それから全員がマークをつけ終えるとすぐにクエスト開始と説明画面がでてきた。


「りきさん!ウォールを!!」とエイボンが焦ったような声で叫んできたのでウォールをだした。


「ウォール、りきさんにリンクしておいてください。」とエイボンが指示するとウォールが僕にピッタリかさなって…まるでウォールを着てるかのような感じになった。


クエスト開始と同時にどこからか無数の針の雨がふり…全員がハリネズミのようになった。


「りき!ヒールを!」とガウルさんが叫んだ。


ヒール?回りをみるとみんなが苦しそうに膝をついていて…ウォールも苦痛の叫びをあげていた。


「りきさん!早く!!!スゥを!!」とエイボンにも叫ばれて急いでスゥをだした。


ウォールが僕の変わりに針を受けたんだ…僕は無傷…なのか?スゥとウォールの魔力消費が早い!!集中して魔力を注がないと…。


「実に心地良い痛みだねぇ。実に良い。」Shiftさんだけは顔を歪めず…むしろ微笑して全体を眺めていた。


ソウジュンさんが針の痛みに顔を歪めながらもホールの中心に沸いたBOSSの攻撃を受けては防ぐ。

ガウルさんも痛みに顔を歪めながらBOSSに攻撃をしかけていた。


「毎度毎度…っ!!嫌なクエストだなっ!」


「くっ…まぁ、そう言うな弟よ。可愛い新入りの為じゃねーか!」


Shift班もよろよろと立ち上がりなんとか攻撃をしかけていく。


「ウォール!僕のせいで…ごめんっ!!」僕は苦しむウォールを見てられなかった。


「ぐっ…この程度…あの時の痛みに比べれば…それより…エイボン…ハァハァ…りきに…導きを。」とウォールが苦しそうな声で言った。


「りきさん…目を閉じて…目を閉じると魔力バーだけ見えるはずです…回りは一切気にせず…集中してください。」

でも…こんな状況で目を閉じるなんて…


「りきさん!スゥを…信じてください。」とスゥがニコっと笑った。


「そうだ…私を信じろ!」とウォールにも言われた…。


そこで…目を閉じて集中する事にした。


「りきさんハル以外を出してください。全然BOSSを削れてないみたいなのでここで削ってしまって僕たちの力を証明しましょう。」


・・・・わかった…みんな…力を…貸してくれ!!


「フゥ!全員を風で浮かせて!りきさんも!」とエイボンの指示で僕の体がふわっと浮くが…6人分の魔力を注ぐのは凄い集中力がいった…


目を瞑った世界は魔力バーとタクトのみが見える…。

タクトから青鈍い光の線が見える…それは魔力を注ぐ線。

6人の位置もバラバラで…まるで…自分だけ別のゲームをしているかのようだ。


「ぐあ!!」とガウルさんの声が聞こえて同時にウォールも苦痛の叫びをあげた…いったい何が起こってるんだろう…全くわからない…


今はただ僕が集中しなければウォールの犠牲も無駄になるし…みんなの信頼を裏切る事になる…


「なっ…そんな馬鹿な…俺の班!!!何をやっている!!」とShiftさんの怒鳴り声が聞こえた。


「最上級レベルをクリアしてるのは副官とShiftさんだけ…じゃないですか!!こんな痛みに耐え…きゃああ!!」と誰かの声が聞こえた。


「…すまん…りき…もう動けない。」とガウルさんの声も聞こえる。


「大丈夫です…りきさん。僕らを信じてください。」とエイボンに言われて…集中を続けた。


「なっ!!!………馬鹿な…。」とShiftさんの声が聞こえて…


「もう大丈夫だ。りき。」とウォールの声までも聞こえて…そこではじめて目を開く。


全ては終わっていた…目の前のホログラム画面にクエストクリアと報酬画面がでていた。

さすが最上級クエスト…一回で7800enも…ラストキル報酬に 鋼鉄茨(こうてつし)(むち) が入っていた。レア武器…なのかな?レア武器は名前の色が赤色で…。

星5レアは赤文字 星5は金文字 星4レアは銀文字 星4はオレンジ文字 星3レアは緑文字 星3は青文字 星2からはレアがない。ちなみに星2はピンク色 星1は白色だ。


「おわった……。」ウォールもスゥに治療を受けていて大丈夫なようで…ガウルさんとソウジュンさんは既に全回復していた。


僕の魔力が残り10で危険を感じた…ここに来る前に…魔力増加にスキルを振っておいてよかったと心底思った。


「俺の出番がない…だと。馬鹿な…そんな事。」と信じられないという顔をしてShiftさんは唖然としていた。


なんか…毎回…知らないうちに全て終わってて…これでいいのかな…なんて…でも…僕は何の力も持ってないから…今は力を借りるしかない。


Shiftさんが僕の胸倉をつかみ「何をした!?」と叫んできた。


「えっと…春風のタクトで…戦ってた…だけ…です。」


「回復も攻撃も…防御も…俺も春風のタクトを持ってる!!そんな効果一切でなかった!…いったい何をした!?」


「何って…武器と仲良く…。」


「武器と仲良くだ?…」


「う…リーダー…俺ら…もう…。」とShift班の人たちは今にも死にそうになっていて舌打ちをされて解放された。


「全回復!」Shiftさんのところから無数のトランプのようなものがとびだして、その瞬間に全員…僕も含めて体力も魔力も全回復した。


「タクミは全回復を13回使える…いつも茨の滝試練で全員死にかけたところに全回復をかけてまた死にかけにして…苦しむ顔を見て楽しんでるのさ。」とガウルさんが言った。


「あいつの悪いとこだよなぁ。ほんとは良い奴なんだぜ?研究熱心でさ。」とソウジュンさんが言った。


「はぁ…(ため息)恐れ入ったよ。ルナが…必要以上に構うから…ちょっと向きになってた。すまん。」とShiftさんに謝られた。


本当に…悪い人ではなさそうだ…。


「…これは俺からの詫びだ。」そう言ってまたクエスト開始を押された。


「ちょっ!?ちょっとまってくださいよ!!そんな!!!」


「安心して受けろ!俺のおごりクエストだ。」


クエストが開始されて…針が来る!!と思えばこなかった…Shiftさんのカードに守られていた。


無数に飛び散るカード…その中でShiftさんは鎌のような武器でBOSSを殴りつけて一人でBOSSを削った。


「…これが…あの人の凄いところなんです。私たち…心はたくさん傷つきます。でも…あの人は最後はお一人でクエストをクリアなさるんです。失敗するクエストへは班を同行させないんです。だから信じて…少しでも力になれるように力を出すんです。」

とShift班の女性プレイヤーに言われた。


………飴と鞭。


「あいつ…ここのクエストずっとソロで籠ってたもんなぁ。2回もペナルティ受けて…最上級安定してクリアできたから連れてきたのか。」とソウジュンさんが言った。


いつの間にかクエストが終わっていて報酬画面がまたきた。


「お疲れ、タクミ。うちのりきは最上級レア武器つけてんだからお前と一緒だって。」とソウジュンさんは魔力が回復するチョコをShiftさんに渡していた。


「…。ルナが…アイツが悪い!今月一回も俺のとこにこなかった。それが全部悪い!」とShiftさんは拗ねた子供のようになっていた。


「やっぱりそれが原因か。」いつの間にか背後にシンさんがいて「うわぁっ!?」と驚いた。


「仕事なんて微塵も回してないのに勝手に回ってたしおかしいと思って。ルナに報告しないと。」


「シン、お前いつからいたんだ。」とガウルさんが聞いた。


「クエスト中はここには入れないんで終わってからですよ。じゃ、僕は先に失礼します。広間にいけばシンカが料理だして待ってると思います。」とシンさんはさっさとゲートで帰ってしまった。


「俺らも帰ろぜ!」とソウジュンさんがガウルさんと僕の肩に腕を乗せてきた。


「はい。僕がゲートだします。」と大広間へのゲートをだすと…ゲートが予想以上に巨大で驚いた。


「ん?お前まさかゲートにアビリティ振ってるのか?」とガウルさんが眉を顰めて聞いてきた。


「あ…はい。振り直しはできるそうなんで…いいかなって。」


「はっはははは!豪快だなぁ!ゲートに100以上振ってる奴なんていねぇよ!んじゃ帰るかぁ!!」


3人仲良くゲートに入ると後ろからぞろぞろとShift班も入ってきて…大広間についた。


「しっかし…りきのおかげで随分早く終わったなぁ!!まだ昼だぜ!偉いぞ~!新人!」

ソウジュンさんはクシャクシャと僕の頭を撫でた。


「りき、ルナ班の席はここだ。次からはここに座るといい。」とガウルさんが席を教えてくれた。


「ありがとうございます。昼ご飯もでるんですね。」


「昼は作りたてのご飯じゃねぇぞ。作り置きが出てくるだけだが、まぁタダ飯だからな。」


12時になると机の上にパンやおにぎりが並んだ。


「そういえば…りきは針受けてなかったよな。どうやったんだ?」


「あー…武器が守ってくれたんです…。」


「なんか誰も楽器奏でてねぇのにずっと指揮棒振ってたな。ほんとに音楽が聞こえてきそうだったぜ。」


「あはは…いつも気づいたら全部終わってて…情けないですけど…。」


「そんな事はないだろう。その武器を使いこなせる奴はお前とソルくらいだろうからな。」


「にーさん、ソルの話は禁句。ルナ地獄耳ついてんだから。」


「あー悪い。聞かなかった事にしてくれ。」


…………ソル。


聞かなかった事にって…もしかして小人達の名前をつけたのはソルって人なのかな。


昼食が終わって自室に戻った。


気に…なる…でも誰かに聞けるような話じゃないし…


コンコンと扉をノックする音が聞こえてドアをあけてみるとシュガーさんだった。


「よぉ!!クリアしたそうじゃねぇかぁ!!しかも最後は一人で削り切ったて聞いたぞぉぉ!!!」

僕の肩に腕を回して頭も乱暴に撫でられた。


「う…苦しい…。」


「おっと悪い悪い!」パっと離れてくれた。


「あ…あー!!そうだシュガーさん。散歩いきませんか?」


「は?…散歩?今からか?」


「マグマランドの次の町から行った事なくって…。」


「あぁ…最近できた町の次か。いいぜ。開いてやるよ。」とシュガーさんがゲートを開いてくれた。


そこに入ると…パステルカラーが美しい国についた。ピンクや黄色の小さな淡い光が地から空へと昇っていく…

家は豆腐建築だけど…色は淡いピンクや黄色…水色で…大きな池には見事な睡蓮がたくさん咲いていてとても絵になる不思議な国だ。

国の名前をみると【Water lily】と書かれていた。


「綺麗…ですね…。」


「散歩には丁度良いんじゃねぇか?安全地帯だしな。」


「あ…そうだ。シュガーさん…教えてほしい事があるんです。」


「なんだ?」


「ソルって人…ご存知ですか?」


「…………その名をどこで聞いた。」

シュガーさんの声のトーンが変わってビクッとなった。


「いや…風の噂で…僕のタクトを使いこなしてたって聞いて。」


「あぁ…そうか。いつかは耳に入るだろうとは思ってたが…早かったな。」


これやっぱり禁句…なのかな。


「はぁ…すまんな。これだけは言えねぇんだ。ヴァルプルギスの戦場前にりきと現実世界で会う事になるだろうからその時でもいいか?」


「…はい。すみません。」


「気にすんな。そりゃ気になるだろうからな。…あぁ、そうだ。知ってるか?このゲームを辞めるとここで使ってたキャラクターがどうなるか。」


「え?ただログアウト中になるだけじゃないんですか?」


「異形の町の隣に大きな墓の国がある。そこに名前が刻まれる。このゲームを辞める時は役所でいちいち申請しねぇといけねぇからな。」


「はじめて知りました。」


「んで辞めたユーザーのAIは契約が解かれて…異形の町へいく。墓が隣にあるのは異形の町から多くのAIが墓参りするせいだ。」


「へぇ…お墓のある国と異形の町って…バトル王が作った町ではないんですね?」


「バトル王が作った町ではあるが…AIがバトル王だからな。誰も勝てやしない。公式が作ってるのと変わらない国だ。」


「AIって…持ち主がログアウトしてる間とか、辞めた場合ってバトルはできるんですか?」


「…いや…非戦闘体になる。契約解除もな。……それからAIが持ってるスマホも少し損傷する。」


「損傷?」


「あぁ…異形の町へのMAPしか表示されなくなるらしい…が、千翠の野郎がそれの治し方っぽいのを知ってるらしい。まぁ噂だけどな。」


結局…ソルさんについては何もわからない…。

どうして隠されているんだろう…。


何もつかめず…【Water lily】を通過して次の町へ歩き出した時…バトル開始のカウントダウンが目の前に現れた。


「え?」


「目を付けられてたな。説明して歩いてるのを地獄耳で聞かれて初心者だと思った奴がいるみてぇだな。」


「地獄耳じゃなくてもあんな大きな声で説明してたら聞こえるだろ!!!」とバトルを申し込んできたであろう男性が目の前に現れた。


僕はタクトを握りしめた…朝…ウォールをあんな目にあわせたばっかりなのに…


「私ならもう大丈夫だ。気にするな。」とウォールが目の前に現れた。


なんでもいい…早く終わらせたい…そう思ってしまった。


すると…ハナビとハクがでてきて…カウントダウンが0になると同時にハクは斬りつけにいった。


ハナビも詠唱をはじめた。


「りき、集中しろ…我々はお前の意思に強く反映される…。」


目を閉じて…魔力を注ぐ…早く…早く終わってくれと…何故か思ってしまった。


「りき!もう終わりだ!オーバーキルだ!」とシュガーさんの声が聞こえて目をあけるとバトルに勝利していた。


「ひっ…ひぃっ!!」と男も逃げていってしまった。


「どうしたんだ。お前。」


「すみません…。」

あれだけ、シンさんには大丈夫って言ってたのに、僕はどうやら、あのクエストがトラウマに…?

それどころかタクトを使う事自体に少し恐怖する。

だめだ…考えるな…小人達に悟られる…。


「はぁ…町に戻るぞ。良いカフェがある。」

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちゃんとこれまでに立てた設定を活かしている。 [気になる点] 精神汚染から守る手段があるにも関わらず主人公以外誰一人としてその手段を使用していないのは不自然すぎる。まず、第一に対策するのは…
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