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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【それぞれの怒り。】

ヒルコさんの最後の苦しそうな微笑み…心に深く…深く…刻まれたような気がした。


咲は泣き崩れていた。それを俺はそっと後ろから抱きしめた。

「私がっ…私っ…私のせいなのにっ…最後できなかったっ。ごめん、ごめん りき。」

咲の頭を撫でて「大丈夫。」と言った。


「コホンッ。お取込み中すみませんが。ソル様今後のご予定を伺ってもよろしいですか?」とユダさんが声をかけてきた。

咲は立ちあがろうとしていて抱きしめてたのをといて立つ補助をしてあげた。よろよろと立ち上がった咲はユダさんの方を向く。

「ヒルコが…戻るまでお願い。ヒルコが戻り次第…ヒルコへ。」

「かしこまりました。」とユダさんは全くの無表情で返事した。


色々聞きたい事があったけどれど、それをグッとこらえて「大丈夫?」とできるだけ優しく聞いてみた。

「大丈夫。私はヒルコを信じる。……それよりも一番警戒しないといけないのはミシェルなの。ユダは私たちの味方でミスティック連合に色々と悪さしてるのはヒルコの奥さんのミシェルなの。私の魅惑のせいで、心を歪ませてしまってるから…。」

「その通りです。反省してください。」とユダさんが言った。

「えっと…ユダさんは…。」

「あっ、失礼しました。初めまして。社長の…現実世界で、ヒルコ様の秘書その2のユダです。」

「そ、その2?」

「その1は現実世界でのみの仕事をなさっていますから。私は此方の世界の秘書です。」

「そうなんですね。」

「りき、色々聞かないのですか?」と護が聞いてきた。

護はにこやかな表情をしていたけど、何故か俺は怒りを感じた。静かに怒っているような…。

「うん、さっきも言っただろ?今は大丈夫だって。」


「う…んん。」と女性の声がした。

起き上がってよろよろとこっちに向かってきたのはソルと呼ばれたAIだった。

「貴女…何者なの?」と咲はソルに問う。

「私は…ただのAI。」

「そうです。現実世界のヒルコさんの声だけを聞いて育ったAIです。」

「どういう意味?」

「私が現実世界で撮った社長のお声を此方の世界にお届けして聞かせて育てました。」とユダさんがニコリと笑う。

「なるほど!」

「ヒルコは…ペナルティを望んでた。でも、どうしても普通にプレイできないようにしたアンタが憎かった!!!」と咲を睨むAIソル。

「そう…だよね。ごめん。前の私は何でもできたから傲慢だった。」

「ごめんで許されると思わないで!」

「うん、わかってる。」


「咲、色々話とかあるだろうから俺と護は先に帰っててもいいかな?」

「うん。ごめんね。」

「謝るの禁止。」と咲の頭をポンっと叩いてからゲートを開いた。

「ありがとう!りき!」と咲に言われてニコリと笑った。

「うん、行くよ。護。」

「・・・。」


護と俺は自室に戻った。

「護、ごめん。」

「何のことですか?」

「これからも色々歯痒い事とかあると思うけど今は見守っててほしいんだ。」

「……。」

「どうしてもやらなきゃいけない事があって、俺が色々知った状態じゃダメみたいなんだ。咲は見ての通り色々ボロが出やすいんだけど、今は見て見ぬふりをしたいっていうか。俺はやっぱり咲が好きだから…惚れた弱みってやつなんだけど。」

「はぁ…。(ため息)ちゃんと幸せになってくださいね。僕に自由をくれた恩人が幸せじゃないなんて…後味が悪すぎます。」

「うん。努力する。って…ついため口だけど…いいのかな?」

「主人はりきなんですから構いません。それにある程度の事はタマゴの時から色々と聞いてたんで。」

「えっ!?聞こえてたのか?」

「はい。ほとんど。」と何故か笑顔な護。

コンコンと自室をノックする音が聞こえて、ドアを開けるや否やシンが俺に抱き着いてきた。

「もうしばらく会えないかと思った・・・。」

「ただいま。シン。ちゃんと倒してきたから。」

「おかえり。……良かった。」


とりあえず部屋に通して椅子に座ってもらった。

「りき、この人は?」

「俺のAIだよ。やっとタマゴから帰ったんだ。」

「じゃあこれが…。」

「初めまして、護です。」

「なんか…笑顔といい、敬語といい…シンカに似てる気が…。」

「あぁ、僕の経験値集めの時いた人…ですかね?まぁ、初期設定は一緒でしょうからね。どこか似てても不思議ではないですよ。」

「ふーん。」

「あ、そうだ。アビリティポイントって勝手に振ってもいいですか?」

「ああ。うん。護のしたいようにしていいよ。」

「ありがとうございます。」

「で、ヒルコはどうなったの?」

「うーん、どこから話せばいいかわからないけど…。とりあえず、ヒルコさんは何かに操られてて…その何かっていうのはソルがまいた種だったんだけど…ヒルコさんをペナルティにすることでそれは解けるんだけど…。」

「ちょっと何言ってるかサッパリわからないや。」

「だよな…。俺もわからない。」

「つまり、咲さんが巻いた種の尻拭いをしに行ったんですよ。」

「うー…ん、まぁそんな感じなのかな。」


それから俺はシンにヒルコとの色々を全て話した。


バンッとシンがテーブルをグーで叩いた。

「りき、あんな女やめときなよ!」

あんな女って咲の事…だよな。

「ですよね。僕もそう言いたいですよ。」と護まで加勢してきた。

「惚れた弱みだって。シンだってわかるだろ?」

「うっ…それはそうだけど。」

「それに、咲がいなかったら俺はこのゲームをしてなかったし。」


自室にゲートが開いて、咲が帰ってきた。

「ただいま。」

シンと護が少し怒ったような目で咲を見る。

「えっ?なに…。」

「こら。護。シン。」

「どうしたの?」

「……なんでもいいけど、りきを泣かしたら僕本気で怒るから。」

「え?う、うん。」

シンは席を立って部屋を出て行った。


「ごめん、今まであった事シンに言ってたんだ。」

咲は困ったような笑顔で「そっか。仕方ないね。」と言った。


「えっと、あっちはどうなった?」

「色々良い方向に決まって、伯父様とルナにも知らせのメールを出したとこ。」

「そっか。」

「しばらくはバトルして護のスキルポイントとかアビリティポイントを貯めたほうがいいかも。」

「そっか。うん。わかった。」

「とりあえず、疲労も空腹もしてるから軽く何か食べてさっさと寝ちゃおう?」

「うん。」


色々気になる事がたくさんある。でも…今は耐えるしかない。未来の為に。

現実世界に戻った時、図書室とか昔の新聞だとか見たけど…確実に世界が歪んでいる気がした。

【リアル】内のお金が現実世界でも使えるようになって、世界の物価が統一されつつある気がする。

最近気になってるのは全国の70歳以上の人達が一斉に行方不明になった事件。

今もそれは増え続けている。この事件はテレビではニュースになっていなくて都市伝説のようなものになってるけど…実際意識して調べてみると老人ホーム入居者が激減してるみたいだし、近所でおじいちゃんが行方不明だと騒ぐ人もいた。

ニュースにならないし、掲示板はすぐに消されるしで情報が全く共有されない。

裏にはムーンバミューダ社が関係している事は間違えない。

だから…今は耐える。

世界がかかってるみたいだし…。

最初は本当に実感湧かなかったけど、色々調べていくうちに危機を感じはじめた。

解決しないと咲との未来も無くなるかもしれないし…

警察が落ちてるって事は父さんも…?

そういえば父さんと最後にあったのいつだっけ…。

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