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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【シールド・オール・アーマー】

そう言われて【Water lily】の町に戻ってオシャレなカフェに入った。


「で…茨の滝試練で何があったんだ。」


「……ウォールが…あ…僕の武器のAIが……僕の変わりに針を…無数の針の雨を受けてくれて…凄く苦しそうで…ちょっとトラウマに…。」


「……オマケにソルの名前も聞いちまって…そりゃ心は穏やかじゃねぇだろうなぁ。」

テーブルにケーキとココアみたいなのがでてきて飲んでみるとココアだった。


「りき。そのウォールが今後傷つかないためにはどうすればいいんだ?」


「武器には7つさらに武器か防具を装備させる事ができるんですけど…そうか…ウォールに盾…いや鎧?」


「盾か鎧を装備させときゃ大丈夫なんだな?」


「はい…他にもAIがいて…武器の中に7人住んでるんで…2人はもう武器を持ってるんですが…。」


「じゃあ次の方針は決まりだな。5つ武器か防具を揃えてやることだ。今は悩まずこれを先にやってこうや。」


シュガーさんにそう言われて…霧が晴れた気がした。前に進まないと何も解決しない…答えも見つからない。

やれる事…やってかないと…。


「はい。ありがとうございます。方針が決まって…少しスッキリしました。」


「盾か鎧って言ってたな。まずは先にそれをやんねーとな。金はどれくらいある?」


スマホ画面を開いて所持金を見ると…「えっと…10万!?…いったいどこで…」色々考えて全く所持金見てなかった…。


「はっははは。最上級クエストを短期間で3回もクリアしたんだろ?それにバトルもそこそこ…そりゃそんくらい貯まってるだろ。」


「驚きました…。こんな大金見た事なくて…。」


「とりあえずその10万でオーダーメイドの鎧でも作ってもらうか。で、しばらく千翠の班と行動だな。あいつなら絶対にりきを悪いようにはしねぇからな。」


「みなさん、千翠さんへの信頼凄い熱いですね。」


「そうだろうな。あいつのおかげで色々良い方向に向いてる。うちが平和を保ってられんのも千翠のおかげだ。…でもその千翠を籠絡したルナが一番の勝者だがな。」


「籠絡って…。」


「この話もヴァルプルギスの戦場前に教えてやるよ。今は余計な事考えず装備集めしようぜ。…心当たりが一人いる。」


「オーダーメイドで作ってくれる人ですか?」


「あぁ…だが…大手ギルド【ドルガバ】の奴だからなぁ。…売ってくれるかどうかがなぁ。」


シュガーさんがゲートを開いてくれてそこに入ると…【La Coree du Nord】という名前の大きな国についた。


門も凄く分厚くて…金ピカだ…。


ていうか家とかも金ピカだ…なんてゴージャスな国なんだ…。


門の前には門番がいて…スマホで個人情報を1人1人見て通してるようだった。


僕らも情報を見られてから通されて…シュガーさんについて中を歩く。


どこを見ても金ピカだし…眩しいし…大きなカジノまである…それにセレブな恰好をした人もたくさんいるし…。

あと…気づいたのはドルガバのギルド員はみんな…服装のどこかに金色の何かが入ってるという事。


「あの…服装ってドレスみたいなのも防具なんですか?」


「ん?あー…防具スキル上げてる奴に頼めば、防具の見た目 変えれるぜ。俺は筋力あげてっから、このムキムキさをアピールするためにヘソだし半そでピチピチTシャツの見た目にしてるからなぁ。ほんとはだっせぇ鎧なんだ。」


「えっと…武器を作る事もできるんですよね?クエスト武器とガチャ武器と…作った武器ってどういう違いがあるんですか?」


「あー…そうだなぁ…。クエスト武器は扱いが難しいが最高火力がでる。火力ってのはあたえるダメージって意味だからな。ガチャはまぁ、扱い易いし火力も最高。んで……作った武器、製作武器は…素材がいる。素材はガチャからでたりクエストからでる…自由創作…は…最高火力はでるんだろうが…これを上げてる奴が少なすぎてな…未知数って感じだな。」


「少ないんですか?…多そうなのに…。」


「良い武器や防具がほいほいできればいいが、ガチャやクエスト武器が分かりやすくて優秀だからな。見た目も良いしな。」


「なるほど…。」


「ついたぜ。ここだ。」と言われた店も金ピカで防具屋とかかれていた。


中に入ると…目の下に大きなクマのある…銀髪長髪のエルフタイプの男性が「いらっしゃい」と言いながら出てきてきた。


「ん…ミルフィオレか。帰ってくれ。お前らの勢力に力貸すと色々面倒なんですよ。」


「やっぱりかぁ。」


甘い香りがする…まるで花びらの………あ…


なぜか…その時…自然と…GMの贈り物を思い出して…花びらを取り出してそれを見せた。


「……それ…は…………お待ち…しておりました。名前は何て言いますか?」


「りき…です。」


「俺はドルガバ所属専用防具職人ジャンです。で…春風のタクトですか?それは。」


「はい…。」


「誰の装備を?」


何も言ってないのに誰の装備をと聞かれて…小人達の事を知ってると確信した。


「ウォール…です。今日茨の滝試練最上級へ行って…ウォールが全身針刺されにあって…それで…。」


「あこの試練か。この先の事も考えると全身甲冑型を1つの装備にまとめる必要があるな。わかりました。」


「え…おい。待てよ。なんでそんなあっさり。」とシュガーさんが戸惑う。


「何も知らずに俺のとこへ連れてきたのか?…まぁオーダーメイドとなると俺しかいないか。これですよ。」

ジャンさんが指を指した先には一枚の写真があった。

その写真は現実世界の写真のようで…双子の女の子と若い男性が一人うつっていた。


「……そうか。じゃあ…色々頼むわ。」


「まかせろ。俺は上限値を超えている。…まぁ千翠のように上限値の上限値を達成したわけじゃないがな。」


「お願いします…えっとお金はどれくらいかかりますか?」


「金…か。5万は欲しいがー…持ってますか?」


「あ、はい。いいんですか?難しそうなのに・・・。」


「ああ。いいですよ。まぁゲームですからね…俺くらいになれば…。」しかし、ジャンさんは死んだ魚のような目をしていた。


「え…。だ、だいじょうぶ…ですよね?」


「大丈夫だとは思うが…試した事がなくてね。全身防具を1つに束ねるなんて…神の御業ですよ。」


「自分で言うか?それ。」とシュガーさんはジト目でジャンさんを見つめていた。


「あー…まぁそういう事ですよ。完成までそこのソファに座って待っててください。」と言ってジャンさんは装備作成にとりかかりはじめた。


スマホでシュガーさんにしか聞こえない声に設定して「ジャンさんって…ところどころ敬語がまじってて…面白い喋り方ですよね。」と言ってみた。


シュガーさんもスマホで声を切り替えてから「あいつは敬語が全然ダメで練習してアレになったんだ。」と説明してくれた。


ジャンさんはまず兜を作って鎧を作って腕を作って腰を作って足を作って…それから最後に盾を作った。

その作る作業自体は鉄の金槌を何かの素材に叩きつけるだけの動作で…それらを虹色の槌で叩いていくと…虹色に光って一点に集まって…見事な全身鎧が完成した。

空色かのように何かのインゴットでできた全身鎧 腕には盾っぽいものがついていた。両腕をくっつけると一つの盾になりそうだ。


「あ…ほんとにできた。できましたよ。」


今…ほんとにできたって…。


「ありがとうございます!!こんな素敵な鎧…。」


「じゃあ5万。」


スマホで5万引き出しを選択すると手元に5万en入った袋がでてきて、それをジャンさんに渡すとジャンさんが鎧をくれた。


「…大丈夫だと思うが…鍵を忘れるなよ。」


「…鍵?」


「あっ!!!!おめぇまさか!!装備に鍵をつける設定してねぇのか!?」シュガーさんがとても驚いたような顔をしていた。


「はぁ…(深いため息)良くそれでここまでこられたな…。」とジャンさんも飽きれていた。


「設定ひらけ!それの詳細設定だ!次はキャラクター設定で装備したアイテムをロックにチェックを入れろ!」とシュガーさんは僕に指をさして説明する。


言われた通りの設定を済ませて「できました。」というとシュガーさんがやけに脱力していた。


「いいか。ロックしてねぇと…寝てる間に色んなもんとられちまったりするんだ。復帰組はこういう初心者への説明が全くないから辛いよなぁ。初心者の方が博識まであるぜ。」


「う…たしかに…初心者だったら初心者支援の特典とか色々ありますもんね…僕ほんとにルナさんに拾われてなかったらどうなってたやら…。」


「そんな事より、早速装備してみてください。」


「あ…はい。」


タクトを握りしめてウォールを出して…そのあとスマホでウォールに新しくできた鎧【シールド・オール・アーマー】を装備させた。


ウォールにはぴったりで…嬉しそうに着心地を試していた。


「そこにいるのか?」とジャンさんに問われて「はい。」と答えた。


「俺の声は届くか?」


「聞こえるぞ。」とウォールがジャンさんの正面にたって話す。


「聞こえるそうです。」


「覚えてるか?防具作成スキルしか上げてないって説明したのに…無理矢理武器スキルが必要な盾を作らされて…君に盾を作ったんだ。あの盾はもろかっただろ?」

ジャンさんは見えないはずのウォールに微笑みかける…その微笑みはどこか寂しそうな感じもした。


ウォールの両目からポロポロと涙がこぼれていた。


「あ…。」…泣いてますなんて言えない…。


「ウォール、君のせいで主人を守れなかったんじゃない…俺のせいだ。でも…今度は…絶対に壊れない自信がある。修理が必要なら遠慮なく言ってくれ。」


多分…ソルさんの話…なのかな。…ログインしなかった原因は多分…バトルで負けた…とかかな。


「ありがとう……絶対に守り抜いてみせる。」とウォールが返事してそれをジャンさんに伝えるとジャンさんはニコリと笑った。


ジャンさんのお店を出るとすっかり夜になっていて…


「やべぇ!7時55分!!晩餐だ!」と言ってシュガーさんがゲートを開いて僕もそれに入った。


シュガーさんと一緒にルナ班のテーブルについた。


「ずいぶんギリギリだなぁ!めずらしいなぁ!」とソウジュンさんがシュガーさんに声をかけた。


「ちょっとジャンのとこへな。…ってガウルはどうした?」


「あいつ茨の滝でヘバッてログアウトだ。数年返ってこねぇよ。」


「トイレ行っただけで1年たつ時あるからなぁ。どうなってんだろうなぁ…俺らの頭は。」


「24時間ログインしてると…気が遠くなるような年数が過ぎて…現実に戻った時じーさんにでもなった気分だよなぁ!」


「そうだ。りき。土日の晩餐はやべぇぞ。人数が多すぎてお広間に人が入らねーんだ。あと朝から昼にかけて幹部も変わる。」


「え…これもしかして…仕事の終わりとか学校終わりの人だけなんですか?」


「こんだけが約3000人なわけないだろ?半分くらいだ。日曜日は別の場所で晩餐があるから気を付けろよ?」


「あ…はい。別の場所ってどこですか?」


「あー…王宮の広間って場所だ。ここの2倍は広いぜ。」


晩餐が進む中…千翠さんが席を立ちあがった。


「コホンッ 千翠班、ダリア班、あとりき。引き続き黄金が眠る洞窟最上級だ。集合は午前7時ここ大広間以上。」


千翠さんが座ると次にShiftさんが立ち上がった。


「俺の班、俺はしばらくダンジョンに籠る。長期帰ってこない場合も考えられるんでよろしく。変わりはスノーポークに頼んである。」

というとShift班のみんなはほっとしたような顔をしていた。


「ペナルティって結構長いですよね?…160時間。」


「ん?あぁ。それは一般の奴な。資格持ち、国家資格持ちは、その資格を使う仕事を選択できてよぉ…例えば医者は34時間ですむし…160時間ってのは最低ペナルティだ。」


「……現実世界の勉強もがんばれって事ですね。」


「あぁ。学生だったのか。がんばれがんばれ!」


次にジョンナムさんが立ち上がって「俺の班は…個人個人順番に練習を見る。連絡が入った者からギルド闘技場へくるように。」と言ってすぐに座った。


「千翠班ってどうしていつもダリア班と一緒なんですか?」


「あぁ。千翠とダリアは一番仲が良くってなぁ。お互いがお互いをしっかり信頼してる。ダリアが異形の町から動けなくなってる間は受け持つそうだぞ。」


「へぇ…って…僕また見知らぬ人のとこへ突っ込まれるんですね…。」


「はっはっは!りきは寂しがりだなぁ!寂しいなら早くAIゲットしろぉ!」とソウジュンさんに言われた。


あと…4回勝てば…AIをもらえる…。もう少し…。


「お前も辞めずに続けてりゃあ、AI1個くらいはゲットできただろうなぁ。実装直後は下級クエストでもBPが手に入ったんだ。」


「あ…そうですね……実装されたのはつい最近でもこの世界では…数年たってるんですよね…。」


「あー…確かに。AIは調整が難しいらしくてよぉ…すぐにクエストでのBP取得は最上級のみにされたんだよなぁ…そのあとさらにBP1ポイントとかになってよぉ…。」


「あ…ほんとに63ポイントになってる…気づかなかった。」


「明日の黄金が眠る洞窟最上級クエだけは開催期間に何週 (まわ)したかによってもらえる報酬が変わる。開催期間終了の翌日にプレゼントでBPとか入ってくるはずだぜ。まぁ、入ってくるBPは少ねーけどな。」


「難しいクエスト…なんですよね?」


「ん?あー…黄金も精神汚染系だ。」


「え……。」

僕は持っていたスプーンを落とした。


「大丈夫だって!茨の滝よりマシだからよ!佐藤はビビらせすぎだろ!」とソウジュンさんが明るく言う。


「ほんっと精神汚染系だけは無理なんだよ…。」とシュガーさんはげんなりする。


「よぉ!シュガー!相変わらず精神汚染系嫌いなのか?」

背後から聞いた事もない声が聞こえて振り返ると…やっぱり見た事ない人がいた。


「…ROKON、今仕事終わったのか?」とシュガーさん。

「ROKON!!俺ら1時間前からやってるから結構な日数たっててよぉ!」とソウジュンさん。


ROKONさんの見た目は青い髪のウルフカット…青い瞳…白い肌…それから黒いマントをつけていて…服装は白いカッターシャツに黒いズボン…あれ…この服装…。


「いや、仕事終わって帰って飯食って風呂入って今だぜ。」


「寝る準備満タンでログインしてきたわけか!」とソウジュンさんは笑う。


「そういう事だ。ん?見ない顔だな。」


「あ。はじめまして!りきです。よろしくお願いします。」


「ルナ班に新人!?…まじかっ!!」


「まじだぜ。あと、特待生だからな。晩餐終わったらメール見とけよ。」


「あぁ。俺はROKONだ。基本タンク職、よろしくな。で?新人君の職は?」とROKONさんが僕の隣に座った。


「えー…っと…僕って何の職ですか?」


「は?」


「ぶわっはっはっはっ!!」ソウジュンさんは腹を抱えて笑う。


「はっはっはっ!!はーー…復帰者なもんでよぉ。初心者より何も知らねーんだよ。オマケに近接魔法回復いけるしなぁ。」


「は!?なんだそれ!ガチャで超レアでも当てたのか?」


「春風のタクトを使いこなす期待の新人なんだぜ。」


「…え…あれをか?」


「すげーだろ!」


「凄いの入ったな…。」


「りき、職はとりあえず回復にしとけ。ルナ班は回復職あんまいねーんだわ。まぁ。AIがほとんど回復職だけどな。」とシュガーさんが教えてくれた。


晩餐が終わって部屋に戻った。


いい加減…このほこりっぽい部屋どうにかしたいな…。


シャワーを浴びてパジャマに着替えて…武器を直そうとした時…ウォールがでてきた。


「ん?どうした?」


「りき、ありがとう。…ほんとうにありがとう…。」


「…僕は何も…何もしてないんだ。多分、ウォールの本当のご主人様がレールを引いてくれてたんだよ。」


「そんな事はない。りきの行動の1つ1つが導いてくれたのだと私は思う。だから、ありがとう。」


「ありがとう。そう言ってもらえるとちょっと自信つくよ。」


ウォールは微笑んで姿を消していった。


ウォール…ほんとに嬉しそうで…防具作ってもらえてよかったな…ジャンさんと…それから僕に加護をくれてるソルさんに感謝しないと。


目覚ましをセットしてから薄汚れたボロボロのいつものベッドにもぐりこむ…。


……布団とか…高級ベッドとかにしたら…もしかしてフワフワのモフモフなのかな…?明日時間があったら買ってみようかな?




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[良い点] 良い点を探して3回くらい読み直しました。一つも見つかりませんでした。それくらい素晴らしい作品です。 [気になる点] ○○みたいな・・・で○○だった・・・。の謎の構文が多いです。○○みたいな…
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