1話
ここはどこだ?
「松丸殿!気が付かれましたか!誰か殿をお呼びしろ!」
誰だこの人間たちは?
変な感覚だ、なんだこれは人間の肉体?
ふっそういうことか!私は受肉したのだな。
この肉体の記憶が流れ込んでくる。
これは一度死んでおるな。まぁこの際どうでもいい。
どうやら私は松丸という名前らしな。そして武士と呼ばれる存在の子供らしいな。
複数の足音が聞こえるな。
「松丸!目が覚めたか!良かった良かった!猪に飛ばされた時は死んだかと思ったぞ!ほんとによかった」
まぁ本当に死んだけどな
この男は確か…
「従伯父上、ご心配を申し訳ございません」
「よいよい、お主は私の従甥であり、そして我が子同然だ。お主には生まれたばかりの我が息子を守ってもらわなければいけんからな、だから早く元気になるのだぞ」
「はい、従伯父上」
とりあえず体を動かしてみるか。この体、骨が何本か折れているな、急いで再生するか。受肉など、幾年ぶりだ。
体があると、やはり面白いな。
とりあえず立ってみるか。
「松丸!いきなり立って大丈夫なのか?!」
「はい、従伯父上。平気にございます」
「ハッハッ!流石我が従甥だ!なら今日はゆっくりと休み、明日から稽古をまた行うぞ」
「承知しました、従伯父上」
まぁしょうがない、寝るか。
―――――――――
「それでは稽古を始めるぞ!」
「はい、従伯父上」
槍か、久々に持つな
まずは従伯父に突いてみる、
「おっ松丸、どうしたいつもより突きがぬるいぞ」
なら、素早い突きを当てにいく
「いいではないか!一突き目は、儂を油断させるつもりでぬるくやったのか、見事!」
別にそういう訳ではないのだが…
「だが、戦場では一撃一撃が、大切である。だから一撃目から本気で行くのだぞ、良いな」
「はい伯父上」
「よし、松丸!ほれ、どんどん打ってこい!」
体の慣らしを含めて、どんどん打たせてもらうか
まずは叩きつける
流石に受け止められてしまったか
「松丸!よい叩きだ!病み上がりとは思えん!それどころか前よりも力が強くなっておる!」
「私はもっと強くなりたいのです、まだまだこれからです従伯父上」
「松丸よく言った。それではどんどん行くぞ!」
その後も何十回も打ち合いをしたが、一撃も与えられんとは…
体にまだ馴染んでいないとはいえ、この男はかなり強いやはり人間の世は面白い
「松丸、今日はこれまで。だが病み上がりでこれだけの力、本当に松丸か?確かに以前のお主も欠して弱いわけではなかった。しかし猪に飛ばされ、目が覚めてからのお主は口調や言葉遣いは同じだが、雰囲気が違う正直何かに憑かれたかもと思った」
もう気づかれたか…
「だが、それはそれは構わん!松丸が今ここにいるそれで良い!」
こいつ、頭が良いのか悪いのかわからん




