第37話 罰
「なんじ、アルメール・スタインは我が国の法の禁忌を使用し、主人との契約反故したことにより、無期拘束とする!!」
スタインは、顔の目の前でクロスする銀色の長い槍をぼんやりと見つめながら、槍の奥先に見える玉座にいる王を見つめる。
(自分の息子を処罰する気分てのは、どうなんだろうなー…)
玉座に座り表情1つ変えずに冷静な顔でこちらを見る男は、楽器の国の王であり、そして自分の父親でもある。
(息子が拘束され手錠をつけ跪いているってのに、動揺どころか憐れみすら抱かれてないって感じだな)
俺は、ははっと小さく笑う。
父親と俺は、可も不可もない関係で互いに干渉をしない生活だったため、父親とは感情を交わすことも、読み取ることも難しい。
「以上!本日の裁判を終了とし、解散とする!!」
スタインは看守に引っ張られるようにして、楽器の国での自室へと連れ戻されると、背中を思い切り押されて部屋の中央で転倒する。
そして、その後、大きな音をたてて鍵をかけられた。
「……はあ…」
スタインはゴロンと寝転ぶと、部屋中に浮かぶシャボン玉を見つめる。
中にはピアノを弾いている人が、多くうつっていた。
スタインは手錠をつけたまま、幾つかのシャボン玉をそっと手のひらに乗せる。
「……もう、ここに彼女がうつることはなくても…それでも、俺はやったことを後悔しない」
スタインは手のひらのシャボン玉を、そっと上に持ち上げると、シャボン玉はゆっくりと上に上っていき、いつものように、ふよふよと宙を舞い出した。




