第四十五話 身の危険を感じました
素早く衣服を脱ぎ浴場に向かう。
異性が居なければ恥ずかしくはないのだが、鼻息を荒くするサクラには身震いしてしまう。
わたしは、マリとリアの体を洗い。
マリとリアがカミアの体を洗い。
カミアがサクラの体を洗う。
体を洗ってもらったサクラがわたしの体を洗いにくる。
わたしの腕に鳥肌が立つ。なぜなら、サクラは頬を紅く染め、鼻息は一層激しくなっているからだ。
サクラはボディソープを手で泡立ててから、素手でマッサージでもしているような手つきでサキの体の隅々まで洗っていく。
疲労した筋肉を揉み解されてくると、気持ち良くなってきて自然と目を閉じる。
「ヒャウ」
行き成り、胸を揉むように洗うから変な声が出てしまった。
「サ…サクラ!?」
「動かれたら洗えませんのっ」
サクラは動じない。むしろ、早く続きをさせろと言わんばかりに手をわきわきとさせている。
「前は自分で洗います!それと、サクラ手つきが嫌らしいです!!」
「バストアップするようにマッサージが必要ですわっ」
「不要です!」
わたしが手で胸を隠してぷいっと、顔そらすとサクラは追及せずにわたしの頭を洗いだす。その後は、変なこともされずに体を洗い終えたわたしは泡を流してから湯船に浸かる。そして、サクラは広い浴槽にも関わらず隣にいる。
「ねえねえ。サクラお姉さんも魔法を使えるの?」
マリが、サクラに魔法が使えるのかと質問する。
「魔法は一通り使えますのっ」
確かに、レベル99でカンストしているサクラはわたし同様に魔法を使える。そして、職人魔法は裁縫、錬金術、調理が使えるし、わたしにも使えない精霊魔法を扱える。
「やっぱ。サクラお姉さんも魔法を使えるんだー」
「この街には生活魔法のスクロールも売ってないんだよ」
サクラの返答にマリは納得して、リアは、生活魔法も使えないと愚痴るが。
「生活魔法のスクロールならあたしが作製できますのっ」
「「「えっ!?」」」
スクロールを作れると聞いてマリ、リアと一緒になって、わたしも驚く。
「なんでご主人様も驚かれるですのっ?」
「だって、生活魔法のスクロールを作製できるなんて知らなかったのだもん」
サクラはわたしに溜息を吐きつつも説明してくれた。
「魔道具を作製するように、魔石と融合させた紙へ魔法付与するだけですのっ」
つまりは、『ヒート』、『ドライ』などを効果を思い描きながら魔法付与するだけで、生活魔法のスクロールを作製できるらしい。
「それだと、職人魔法のスクロールも作製できる?」
「免許皆伝のご主人様なら、概念を理解されているから作製できますのっ」
ゲームでは生活魔法は店から買うものであり、職人魔法はそれぞれのギルドで貰うのだと思い込んでいたから、作製できるとは知らなかった。
でもまぁ、国通しで小競り合いをしているこの大陸で売る気はないけどね。
「「サキお姉さん、サクラお姉さん、わたしたちに生活魔法のスクロールを下さい!!」」
マリとリアはそう言って、勢いよく頭を下げたもんだから盛大に湯に当たる。
わたしとサクラは、その様子を見て思わず笑ってしまう。
「ううー。笑うなんてひどいよ」「わたしたちは必死になのにー」
「わかりましたのっ。覚えたい生活魔法を言うのっ」
「サクラ。生活魔法が普及していないから、日常生活で役立つのを教えてあげて」
わたしが、指摘すればサクラはハッとする。
「それだと、教える前に勉強も必要ですのっ」
確かに、『ヒート』や『クール』などの生活魔法は温度を理解しなければ正しくは使えないのだ。
「勉強って貴族様がする物でしょ?」
「わたしたちは貴族じゃないよ?」
「ご主人様、この国はどうなっているのっ」
「この国はどうやら色々と技術文明が低いのよ」
この国の、食文化は低ければ、魔法技術も低い。その理由はわたしも分からないし、説明を求められても困る。
チャポン
音をした方を見れば、カミアがのぼせてしまっていた。
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