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追跡者

右良し!左よし!


「・・・ふぅ」


―――パキ―――


「!!」


俺は公園の草むらにダイブした。


「何をしておるんだ?」


褥が聞いてきた。


「わかってるだろ!」


「まあな。それにしても惨めだな」


「黙れ!俺にあんな奴の対処はできねぇ!」


「だが、対処せんと・・・」


「わかってるよ!」


「・・・何を対処するんですか?」


「キャッーッムグ!?」


女性のような悲鳴を上げた俺の口は塞がれた。


「お静かに伴崎様」


塞いだ犯人は人差し指を口元に当て静かにとポーズをとっていた。


「・・・エリスさん?」


「はい。エリスです」


無表情で淡々と話すその姿を見て俺は落ち着いた。


「よ・・・よかったぁ~。でも、何でエリスさんがここにいるの?」


「お嬢様に頼まれまして」


「麗香に?何て頼まれたんですか?」


「最近伴崎様の様子がおかしいから調べてじん・・・コホン。助けてほしいと」


「今尋問って言いそうになったよね!?」


「何のことでしょうか?」


「とぼけても無駄だから!目が泳いでるから!!」


「それよりも何があったんですか?」


グイグイと詰め寄って俺を逃がさないようにするエリスさん。


エリスさんからいい香りがするなぁ~。


「伴崎様・・・」


「あ、何かな?エリス・・・さん?」


首の頚動脈にナイフが突きつけられていた。


「これは何かの冗談かな・・・?」


「・・・もしや他の女性と逢引ですか?」


・・・俺の言葉聞こえてないなこれは。


「ち、違うんだ!これは逢引じゃないよ!!」


「では何ですか?」


「こ、これは・・・その・・・」


言いたくてもいえねぇー!!


「やはり逢引ですか・・・残念ですが・・・お別れです」


「・・・まぁ待てエリス」


傍観していた褥が口を開いた。


「余が説明してやろう」


「・・・・・・」


エリスさんはナイフを胸元に閉まった。


「や、やめろ!褥」


「言わなくてはお前の命がないぞ?こやつは殺る気だったしな」


マジで?


「はい。お嬢様を不幸にする方はどんな方であろうと殺る覚悟です」


あ、本当だ。


目が本気マジだ。


「話すがいいな?」


「お願いします・・・」





事の始まりはすごい些細なことだった。


「確か移動教室?といのでその教室に向かっている際にそれは起きたな」


「何が起きたんですか?」


女子おなごとぶつかった」


「それで?」


「手を貸して起こした」


「ふむふむ」


「ちなみに今回の標的だ」


「なるほど。良くわかりました」


すごい簡単にまとめたな。


間違ってないからいいけど・・・。


「では、なぜ伴崎様は今このように隠れているのですか?」


「それはだな。・・・その標的から逃げているのだ」


「・・・なぜです?」


「たしか・・・スカートだったか?」


「違うそれじゃ俺が変態になるだろ。ストーカーだ」


「ストーカーですか」


俺は頷いた。


そう。


今回の標的はストーカー女を振らないといけないのだ。


さっき褥が言ったストーカー女との出会いを詳しく話そうか。






事の始まりは移動教室中。


「次は何の授業なんだ?」


俺の隣を浮遊しながら聞いてくる褥。


「次は化学の授業だよ」


「化学とは何だ?」


「そうだな・・・簡単に言うと実験をしてそのデータを記録していくみたいなものか?」


「よくわからんぞ」


「見てたらわかる」


「そう言うが余にはよくわからん」


「今日実験やるからそれ見ていろ」


「ほほう。実験というと解剖か?」


「ちがっ・・・っとごめんね。大丈夫だったかい?」


褥との話に集中しすぎてぶつかってしまうとは。


「立てるかい?」


相手が女性だったので手を差し伸べた。


その時一瞬だが周りの男達から視線を感じた気がした。


だけど女性には丁寧な対応をしないとな。


ちなみに男の場合はしない。


手が汚れるからな。


その女子は俺の手をとった。


さて、どんな子なのか・・・な・・・。


・・・・・・この女はまずい・・・。


その時になって男達の視線の意味に気がついた。


「あ、ありがとう」


女子の顔が徐々に俺のほうを向く。


やばい!今ならまだ間に合う!!手を離すんだ!!!


俺は手を離してその場を離脱しようとした・・・が。


―――ガシ!―――


「!!?(馬鹿な)」


俺の手をガッチリと握って離してくれない。


これが女子の力か!


「あら・・・伴崎君だったの?」


「(終わった)」


「あ、ああ、桜井さくらいさんだったの」


その女子の名前は桜井菖蒲さくらいあやめ俺と同じ同学年だがクラスは別だ。


「中々綺麗な子だな」


褥はその子の全体を眺めてそういった。


「・・・最悪だ・・・」


いつかは来ると思っていたが・・・。


「怪我はないね。じゃあ俺はこれで!!」


回れ右をして逃げようとしたが


―――ガッ!―――


肩を掴まれた。


めちゃくちゃ痛いんだけど!


「何かな桜井さん?」


「菖蒲でいいよ。伴崎君」


「じゃ、じゃあ菖蒲さん。何かな?俺移動教室がだから早く行かないといけないんだけど」


「私、前々から伴崎君の事気になってたんだ。これも何かの縁だと思うから仲良くしましょ♪」


「・・・・・・」


「どうしたの?」


「い、いや。何でもないよ!そうだね仲良くしようね」


「ありがとう。それじゃあね」


菖蒲は自分の教室に戻っていった。


「最悪だ・・・終わった。俺の人生・・・」


頭の中で鐘の音が鳴るのが聞こえる。


「一体どうしたのだ?」


そうか褥は知らないもんなあいつの事。


俺は奴の事を教えてやった。


「あいつは桜井菖蒲って奴で、同学年では上位に入るくらい美人だが中身が最悪だ。え?どんなに最悪かって?あいつは自分が狙った男を付回すストーカー女なんだよ。美女に追われるのはいい事だと?

何言ってるんだ。あいつのストーカーと執着心はやばい。今までどれだけの男が奴の犠牲になった事か・・・。狙った男を確実に落としにいくのは当たり前だが、その後もひどい。狙われた男たちは最初は嬉しそうにして、自分なら大丈夫だと安易場考えで付き合うが。その気持ちが徐々に恐怖に変わりあいつから逃げるようになる。でも、逃げられないんだよ。あいつが飽きるまでずっとずっと追い掛け回されるんだ・・・。玩具のように。それで男子達からついたあだ名が[追跡者]だ」


「なるほどな」


「わかってくれたか」


「うむ。・・・だがな亮治」


「どうした?」


「今回の標的だ」


「・・・え?」


「「・・・・・・・・・・・・」」


―――キーンコーンカーンコーン―――


授業は遅刻しました。





「伴崎く~ん♪」


昼休み。


俺のクラスに菖蒲が来た。


「おい今度はあいつが標的になったぞ・・・」


「・・・憎たらしい奴だったが、いい奴だったよ・・・」


「・・・南無三」


「(こいつら人ごとだと思いやがって!!)」


クラスの男子達は哀れみの視線+喜びを向けていた。


そんなに嬉しいのかあいつらは!


クラスの仲間を庇う気持ちはないのか。


「お前は庇うのか?」


「いや、全然まったく」


「・・・お前も同類だ・・・」


何を言ってるんだ褥は?


俺が他の奴らと同類だと?


失礼な奴だな。


女性には優しいぞ。


「ならさっさと目的を果たせ」


あれは女性じゃないです。


「どうしたの?元気ないなぁ~」


気がついたら目の前にいる。


「ご飯一緒に食べようよ」


俺の手を掴み引っ張ろうとする。


「待ちなさい」


「麗香・・・」


「亮治は私のものよ」


「伴崎君。彼女いたの?」


「・・・いや今はいない」


「ならあなたに関係ないわね。どいてちょうだい♪」


「嫌よ」


「「・・・・・・」」


・・・龍と虎が睨み合ってる。


すげー怖いんですけど。


「この光景は・・・」


「どうした褥?」


「あのゲームのシーンと同じだな」


「・・・お前は気楽でいいよな・・・」


菖蒲と麗香が睨み合っている中、そんな事を考えている褥を羨ましいと感じた。


「・・・まあいいわ。伴崎君またね♪」


「ハハハ・・・またね・・・」


しばらく睨み合っていた二人だが、先に菖蒲が折れてその場を引いてくれた。


・・・本当に引いてくれたのか?


「亮治。大丈夫?」


菖蒲の姿が消えたのを確認し、麗香が心配して声をかけてくれた。


「ありがとう麗香。助かったよ」


「そう。よかったわ。・・・それにしてもさっきの何なの?いくら寛大な私でもああいうのは許せないわ」


「その事なんだが麗香。・・・非常に言いにくいんだが」


俺は麗香に今回の事を話した。


「・・・嘘・・・」


「本当なんだよ」


信じられないといった感じの表情で俺を見つめるが、俺は嘘をついていない。


「どうするの?」


「もちろん振る」


「でも出来るの?」


「出来ないと死ぬから頑張るしかない」


「頑張れよ」


「・・・チクショー・・・」


「じゃあ私は関わらないようにするから・・・頑張りなさい」


「悪いな」


そこからが地獄日々の幕開けだった。





「亮治~♪」


朝の登校中に菖蒲と遭遇する。


いつの間にか苗字で呼ばれ、呼び捨てにされている。


「やあ、おはよう菖蒲さん」


だがこれくらいじゃあ俺は怯まない。


「一緒に登校しよ」


「いいよ」


―――ギュッ―――


こ、これは!!


俺の腕は菖蒲のに抱かれていた。


なるほどな。


こうやって数々の男を陥落させてきたのか。


―――ムニュ―――


「!!?」


何やら柔らかい感触が腕から伝わってきた。


「(こ、この感触は、まさか!!)」


腕のほうを見た。


菖蒲の胸が俺の腕に当たっていた。


「あ。気がついた~」


狙い済ましたかのような笑顔を向ける。


この行動はわかっていたが、効果抜群だな・・・。


「私・・・結構大きいでしょ♪」


さらに追い討ちの耳元で囁く攻撃。


俺の理性がプロボクサーに殴られ砕け散った。


「正気に戻らんか」


ゴン


「っは!!」


今何が起きた。


何をしようとした?


「どうしたの?」


上目遣いで除くのは止めてくれ。


「・・・何でもないよ。行こうか」


「うん♪」


俺と菖蒲は仲良く?登校をした。


まあ、ここまでは普通の感じだと思うだろ?


問題はここからなんだ。


ここから追跡者の本領発揮なんだ。





下校時間。


俺は部活を終え由紀ちゃんと一緒に帰る約束をしていた。


「では、先輩帰りましょうか!」


「そうだね。あ、そうだ。帰りにクレープ屋によって一緒に食べようか」


「あ、いいですね!」


「最近由紀ちゃんも絵が上達してきたからそのご褒美に奢るよ」


「やったぁー!」


二人で盛り上がりながら正門を出ようとした時


「亮治く~ん♪」


菖蒲がやって来た。


「どうしたの?菖蒲さん」


「どうしたのってひどいなぁ~。一緒に帰る約束忘れたの?」


「・・・え?」


そんな約束をした覚えはない。


「先輩約束してたんですか?」


「い、いや。約束した覚えないんだけど・・・」


「ひどい・・・朝、約束したよね?亮治君もわかったって言ってくれたじゃない・・・」


おいおい何を言ってるんだこいつは。


「嘘だったの・・・?」


菖蒲の目から涙が出て泣き出した。


「あの・・・先輩。私の事は又今度でいいですから、一緒に帰ってくれていいですよ」


由紀ちゃんまで遠慮してそんなことを言い始めてしまった。


というか、こんな状況で由紀ちゃんと帰ったら俺の評判もガタ落ちになるし、今の標的は菖蒲だ。


「・・・ごめんね由紀ちゃん。この埋め合わせはきっとするから」


俺は由紀ちゃんに謝って菖蒲と帰ることにした。


その頃には菖蒲は泣き止んでいた。


こいつは本当に泣いていたのか?





「亮治の家ってここから近いの?」


世間話でもしながら帰っていると不意に菖蒲が聞いてきた。


「そうだね。もうすぐ着くよ」


その問いに何の不振もなく応えた。


「へぇ~見てみたいなぁ~♪」


「いいよ」


見せるくらい何の問題もないからな。


俺は安易な考えで菖蒲を家まで案内した。


「ここが亮治の家なんだね~」


「普通の一軒家だけどね」


「ご両親はいるの?」


「いや、いないよ。海外出張で両方ともいないんだ」


「ふぅ~ん・・・」


「どうしたの?」


「ううん。何でもないよ♪」


「?」


この時俺は追跡者あやめが何を考えてるかわからなかった。


だけど、それは朝になってわかった。


「・・・朝・・・か」


俺はベッドから起き上がり服を着替えて一階に降り朝食を作りに入った。


「・・・・・・・・・」


「あ、おはよ~♪」


キッチンに菖蒲がいた。


これは夢か?


軽く自分の頬を抓る。


痛い。


夢じゃないな・・・。


「もうすぐ朝食出来るから待っててね」


「・・・・・・・・・」


「どうしたの?突っ立って?」


「何でいるの・・・?」


「ああ、朝一緒に登校しようと思って家に来たら、玄関のドア開いてたから入っちゃった」


「あ、ああそうなんだ」


俺昨日鍵掛け忘れたのかな?


「もしかして迷惑だったかな?」


「そんなことないよ」


「よかった♪」


てっきり不法侵入かと感じたが、そこまでしないだろうと思ったので気にしないようにした。


今日からはきっちりと鍵を掛けよう。


そう決意をして朝食を頂き登校した。


飯は結構うまかった。


ちなみに、学校でも相変わらずで菖蒲は時間があると常に俺の傍にいた。


嫌ではないが、気味が悪い。


家に帰ると俺は玄関の鍵を閉めさらに確認もした。


ついでに出入りできる所すべてもした。


これで大丈夫だなって安心し、眠りについた。





次の日の朝。


「・・・なんでいるの?」


目が覚めると菖蒲がいた。


「え?鍵開けて入ったけど?」


「何で持ってるの?」


「作ったの♪」


「・・・・・・・・・」


作った?何を?


俺の頭はパニックになっていた。


「大胆な行動にでたな。今時の女子は大胆だな」


そして褥は平然と佇んで何感心してるんですか?


鍵を作っただと・・・。


不法侵入だろ・・・。


でもそれを平然と言いのけるこの追跡者は・・・。


恐ろしい・・・。


寒気がする。


だけど、ここは平常を装って乗り切るしかない。


「そっか。でも勝手に人の家の鍵を作ったらダメだよ」


「どうして?」


「どうしてって・・・」


「だって亮治は私のものでしょ?」


「・・・・・・」


「あなたの物は私の物。私の物は私の物・・・よ」


「・・・・・・中々斬新な応え方だね・・・」


「ありがと♪」


・・・今日家に帰ったら鍵穴変えよう。


こいつはヤバイ・・・。


俺は菖蒲を攻略するよりも自分の命を守ることに専念した。





そして今に至る。


エリスさんの反応を伺う。


「・・・・・・」


何か反応があるかと思ったが、相変わらず無表情だった。


「・・・エリスさん感想お願いします」


あまりにも長い沈黙だったので声をかけた。


「・・・・・・」


反応がない。


「エリス・・・さん?」


「・・・・・ん」


「え?」


「許せません」


エリスさんの目つきが変わった。


これって怒ってるのか?


「エリスさん。怒ってる?」


「怒ってます」


あ、なんか受け答えが可愛いな。


「私が抹殺してあげます」


そう言って立ち上がった。


「ちょ!待ってエリスさん!!」


俺は急いで止めた。


「離してください。殺しにいけません」


「ダメだって!ここは日本だ。そんな事したら麗香が悲しむだろ!!」


「・・・・・・」


どうにか留まってくれた。


「俺なら大丈夫だから」


「ですが・・・」


「俺を信用できない?」


「・・・い、いえ。そのようなことは・・・」


顔を赤らめて伏せてしまった。


「でも、ありがとう」


「・・・・・・?」


お礼の言葉にエリスさんは顔を上げ、不思議そうな顔した。


「なぜお礼を?」


「ん?俺の事を思って行動したことでしょ?」


「はい」


「それが嬉しかったからだよ」


笑顔を向けた。


「@;¥*+<?_}{」


日本語ではない何かをエリスさんが喋った。


聞かなかったことにしとこう。


「エリスさんからも元気もらったことだし、俺もやる気が出たよ!」


「しかし、私は何もお手伝いが出来ていません」


「してくれたよ。俺に元気をくれたからね」


「・・・・・・・・・」


「じゃあ俺行くわ」


草むらからでて俺は戦場に向かった。


「・・・お気をつけて」





「どうやって攻略するんだ?」


「ああ・・・そうだな。・・・ちょっと男の恐ろしさを味わってもらうだけだよ」


不敵な笑みで笑う俺。


「・・・おもしろそうだな」


それを興味深そうにしている褥。


「さんざんやられたんだ。今度はこっちからお返ししてやるよ!」


待っていろ追跡者め!!


今日の夜からお前は地獄を味あわせてやるからな!!





「さて、私の玩具は大人しく寝ているかしら♪」


家の前で一人の女が佇んでいる。


その女は家のドアに向かっていった。


「さて、この鍵で開けてっと・・・」


女はドアに鍵を挿そうとしたとき。


―――ガチャ―――


「!!」


女が開ける前に扉が開いた。


「遅かったね。菖蒲」


「・・・伴崎君・・・」


何で伴崎君が起きてるの?


「あれ?どうしたの?いつものように亮治って呼ばないの?」


「あ、ごめんね。ちょっと驚いちゃって」


私としたことが動揺してしまうなんて。


「俺に何か用なんだろ?入りなよ」


「え・・・あ、はい」


それにいつもの彼じゃない。


私は言われるままに中に入った。


「で、何のよう?」


家の中に入るなり、私は押し倒された。


「な、なんのつもりよ!?」


「俺が聞いてるんだ。応えろ」


何よこいつ。


急に言葉が変わって、おまけに態度までかわってから!


私を見くびってるわね。


「どきなさいよ」


「どかしてみろよ」


言ってくれるわね。


私をそこらの女子と思って力がないと思っているのね。


でも、残念ね私結構力あるんだから!


それじゃあ退いてもらいましょうか。


覆いかぶさっている亮治の腕を持ち引き離そうとした。


「・・・え?嘘・・・」


「どうしたどかさないのか?」


私の力が通じない!


最大限の力をこめているのに何で!?


「あんまり俺を舐めるなよ」


「どういう意味よ?」


「俺を他の男と一緒にするなって事だ。今までの奴はお前の玩具だっただろうが、俺は違うからな」


「なによ!生意気言うん――ング!」


口と腕を固められた!


振りほどけない!!


何なのよこの力は!


「誰が話していいといった?俺が許可してないのに話そうとするな」


「ん!んぐ!んん!!」


「黙れ!!」


「・・・・・・」


「よしいい子だ。いいか良く聞け。これからはお前は俺の物だ。お前の者は俺の物だ。俺に逆らうな。俺の事が好きなんだろ?俺の彼女になりたいんだろ?だったら言うことを聞け。言うことを聞いたらちゃんとご褒美を上げてやるよ。お前は中身は最悪だが、体は中々いいからな・・・」


怖い。


私・・・この男が怖い。


止めて、そんな目で私を見ないで・・・!!


「どうした?もう手は放してるんだ。何か話せよ・・・」


「・・・・・・・・・」


言葉が出てこない。


何で?何ででてこないの?


「・・・おい。何か言えよ。黙ってるのが嫌いなんだよ俺は」


「・・・・・・・・・」


「何か言えっていったんだよ!!このあま!!!」


「ヒッ!」


「・・・おいおい。何泣いてるんだよ?誰がないていいって言った?」


「ご・・・ごめん・・な・さい」


「声が小さいんだよ!もっと大きく言え!!」


「ご、ごめんなさい!だから、もう許して!!」


「・・・何をだよ」


「も、もう、あなたには近づきません。鍵も返します。だから、これ以上私を・・・ヒッ!」


「・・・だったらさっさと帰れ。お前は用無しだ」





「・・・お見事だな」


菖蒲が家から出て行った後、俺はリビングのソファーで寛いでいた。


「疲れた・・・まじで疲れた」


「中々よかったぞ」


「嬉しくねぇ~褒め言葉ありがとよ」


使い慣れていない言葉と力を使ってへとへとだ。


「それにしてあいつめちゃくちゃ力強かったぞ。見てみろよこれ、あおじになってやがる・・・」


そう言いながら俺はそのあおじになった腕を褥に見せた。


「これはすごいな。くっきりと後が残っておるな」


「だろ。あ~あ俺の美しい腕に・・・」


「いいではないかそれくらい。寿命が延びたのだからな」


「まぁな」


「それにしてもよかったのか。あやつの記憶消さなくて?」


褥には菖蒲に俺の記憶を消さないように言っておいた。


「いいんだよ。これであいつも懲りただろ。男の恐ろしさを味わって」


「それはいいが、お前の標的が減るぞ?」


「俺の言うこととあいつの言うこと、女子はどっちを信じると思う?」


「・・・それもそうか」


「そういうことだ」





「亮治その腕どうしたの?」


俺とエリスさんと麗香で登校中、麗香が俺の腕の跡に気づいた。


「ああ、これちょっと昨日晩飯作ってる途中で火傷してな」


包帯を巻いている腕を見せ付け苦笑いした。


ばれたらややこしくなるからな。


「・・・・・・」


「それで今回は成功したのね」


「ああ、無事に終わったよ。おかげで疲れたぜ」


「お疲れ様。早く罪が無くなるといいわね」


「ほんとだよなぁ~」


いつになったら俺の前世の罪はなくなるのやら。


まぁ、そんなこと考えても仕方がないし今は精一杯生き延びるか。


「せんぱ~い」


後ろから聞き覚えのある声がした。


「お、由紀ちゃんおはよう」


部の後輩の由紀ちゃんが走ってきた。


「おはようございます!先輩」


「朝から元気だね」


「はい!それだけが取柄ですから」


元気一杯の笑顔を向けてくれた。


「そんなことないよ。由紀ちゃんにはたくさんいい所があるよ」


「そ、そうですかね・・・へへへ」


可愛いなぁ~。


お持ち帰りしたいくらいだぜ。


「・・・じゃあ亮治私たちは先に行ってるわ」


そう言うと麗香とエリスさんは先に向かっていった。


「一緒に登校しないのか?」


「たまには後輩と親睦を深めなさい。最近忙しかったでしょ?」


「・・・悪いな麗香」


「じゃあ教室でね」


麗香は少し早足でその場を去った。


まったく・・・気を使わせてしまったな。


「・・・伴崎様」


「おわ!」


麗香と一緒に行ったと思っていたエリスさんが俺の隣にいた。


気配まったく感じなかったぞ・・・。


「どうしたのエリスさん。麗香なら先に行ったよ」


「大丈夫です。すぐに追いつきます・・・これを」


そう言ってエリスさんは胸元から小さな箱を俺にくれた。


「何これ?」


「塗り薬です。そのあおじになった腕に塗って下さい。早く直ります」


見抜かれてたか・・・さすがエリスさんだ。


「ありがとう。使わせてもらうね」


「いえ、では私はこれで」


渡すものを渡し終えるとエリスさんは麗香の後を追った。


「先輩怪我したんですか?」


心配そうに由紀ちゃんが聞いてきた。


「ああ、ちょっと火傷をね。でもさっきエリスさんから塗り薬貰ったから大丈夫だよ」


「そうですか、よかったです!」


「そうだね。あ、そうだ、今日部活終わったらクレープ食べにいこうね。俺の奢りでね」


「ほんとですか!!楽しみです!」


由紀ちゃんと仲良く登校した。


少し遅めに歩きながら。





「それで渡せたの?」


「はい。お手数お掛けしました」


「いいのよ。・・・それにしてもエリス。もっと堂々と渡せないの?」


「・・・・・・申し訳ありません」


「フフ。照れちゃって可愛いわね」


「・・・お嬢様」


「ごめんなさい。あなたが可愛くてつい・・ね」


「・・・・・・」


「あ、ちょっとエリス。先に行かないでって、エリス聞いてるの」


「・・・知りません」

作者の春です。

いきなりですが、今回のお話はどうだったでしょうか?

簡単に書きますと、亮治がストーカーに付き纏われていましたが、それを追い返す話です。

考えの中ではエリスさんに協力をしてもらって撃退使用と考えていましたが、それでは亮治の男を見せられないなと思い変更して今のように書き直しました。

正直中々手が進まなくて苦労しましたし、これで本当にいいのかなって何度も見直しました。(誤字脱字は除いて)

後は、これを読んでくれました読者の皆様の判断に委ねます。

それではまた次のお話で

ではでは ノシ

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