やっぱり常識って投げ捨てるものだよね。
遅くなって申し訳ありません。
~エリルside~
最近は冒険者稼業も上手く行き、パーティーのランクも上がり、メンバーもほとんどがAランクの最高クラスのチームとなった。目標は世界最強のギルドチームを作って政治にも口出し出来るほどの力を手に入れ新たな規律を創り、みんなの暮らしを楽にすることだ。それだってもうすぐで手が届く。と、息巻いて居たところで久しぶりに父から召喚状が届いた。家に帰ってくるのも久しぶりだ。父と話すのなんかもう何年ぶりだろう。凄く懐かしくなってきた。
まあ何時までも家の門の前でふらふらしていても不審者に間違われるかもしれない。さっさとなかに入ろう。
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久しぶりに見た父の顔はすっかり老け込み変わり果てていた。
「すまないな急に呼び出してしまって。」
「いかがなされたのですか?父上。顔色が優れない様ですが。」
「今日はお前にどうしても話さなければならない事がある。」
「私に?」
どうしたのだろう?仕事で上手くいかなくて借金してしまったとかだろうか。金なんか貸せるほど持ってないのに。
「この間…国境付近の村で新しいダンジョンが見つかったそうだ。」
「それは本当ですか!?」
それは凄い!!!!新たなダンジョンが見つかったとなれば早く制圧して安全な部分を解放。そして町、あるいは村起こしなどの新たな材料にしていくのだ。これによって村などは発展し生活はより豊かになっていく。ここ十数年新しいダンジョンは見つかっていない。つまりかなりの数の冒険者が集まるだろうと見て間違いないだろう。もしかして今日父上が呼んでくれたのはその制圧のため部隊にでも入れて貰えるからだろうか?期待して声を出した。
「もしかして……制圧部隊に入れていただけるのでしょうか?」
「本当は……本当は断りたかった。しかし仕方がなかった。相手は上位貴族だった。すまない……私が不甲斐ないばかりに…。」
「何を謝ることがあるのですか。制圧部隊に入れていただけるなど最高の栄誉ではありませぬか。」
「違うのだ…今回の命令はそんな物では無い…そんな生易しい物では無いのだ。」
「では、なんだというのですか?まさか一人で龍を討伐してくるような物でも無いでしょう。」
「似たような物だ……いいか、よく聞きなさい。下された命令は………たった三人でそのダンジョンを制圧してこい、というものだ。」
「なっ…!」
無茶すぎる。一日で城を建てろと言っているような物だ。人数とか時間だとかではなく根本的な所で無理なレベルの問題だ。自殺白と言っている様な物である。
「最近頭角を見せ始め数々の盗賊の組織を壊滅させたお前が邪魔になったらしいな。真正面から死ねと言ってきやがったよ。」
「そんな…………」
「すまない……行ってくれないか。何としてでも生き残るしか道は無い。」
「……………わかりました。必ず、必ず帰ってきてそのバカ貴族の鼻を明かしてやりましょう!!」
「ああ……そうだな。
最後に。メンバーは自分で選んで良いそうだ。選りすぐりを用意すると良い。」
「…………………………有難う御座います。父上。それでは、言って参ります。」
「頑張ってくれ。バーナレンダ家の名に懸けて生き残ってくれ。」
「はい!!!!」
こうして私は二人の仲間を連れて旅立っていった。
仲間の一人は最古参のメンバーのナターシャ・サンティス。私と同様に珍しい女性冒険者だ。しかし実力は私に迫る勢いで仲間にも優しい。貴族の娘でもないのに頭もよく、料理もできる。正に理想の女性である。
もう一人はこの間入ってきたばかりの新人、カマセ・ゲスヤーロ。パーティーの中でもかなり若く、実力もある。しかしそのせいか、少し、いやかなり自惚れが強い。だから今回のこのダンジョン制圧では彼の性格を治す為に少し厳しく当たろうと思う。世の中には出来ない事も有るのだと知って貰いたい。
道中特に問題もなく、順調にダンジョンにたどり着いた。見つかったばかりのダンジョンなので何階層まであるかすらわからない。空洞音で凄く深い事だけは分かる。明らかに三十階層以上はあるだろう。 これは気を引き締めて行かなければ。
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現在は九階層までたどり着いたが少し厳しくしただけなのにかなり機嫌が悪くなっている。どうやら性格は悪化の一途をたどりそうだ。今も怒りのままに魔物を切り伏せている。しかしさっきから危ない場面が何回か続いている。その度注意しているが
「うるせぇ黙ってろ!!!!!」
の一点張りだ。おかげでカマセが逃した残りのモンスターがこちらに来る回数も増えている。疲労しているわけでは無いだろう。速さは衰えていないから。
もうそろそろカマセがさばいている数と我々が相手している数が同じになってきた。そろそろダメか。カマセに退くように指示しようとした瞬間彼がゴブリンの死体に足を取られ致命的な隙ができた。ゴブリンの剣がカマセに向かう。咄嗟に助けようとするが距離が足りない。もう間に合わないと思った。
ガリッズブッ
と。なにかに刃が刺さる音が聞こえた。
目の前の状況が理解できない。理解したくもない。目の前で。カマセに刺さる筈だった刃が。ナターシャの脇腹を突き抜けている。間に合わないと思ったがナターシャは彼が躓いた時にもう走り出していたようだ。どさり、と。ナターシャが倒れる。 ナターシャを刺したゴブリンを瞬殺し、周りにいたモンスター達を全滅させ、ナターシャを近くの部屋に運びこむ。くそっ思ったよりも時間がかかってしまった。幸いモンスターもいないし 罠も無い部屋のようだ。運が良い。
「ナターシャ!!ナターシャ!!起きろ!!」
しかし返事が無い。どうやら血が出すぎて既に危険な状態のようだ。
「糞………!!何でこんな事に。」
「おい。そいつもう助からねえんだろ?置いていこうぜ。大丈夫。そいつが居なくても俺のほうが強いぜ?」
「………!!なんだその言い方は!!!!それが命の恩人に対する態度か!!大体貴様のせいじゃないか!!だから油断するなと言ったのだ!!!!」
「ああ!?何だと!!!そいつが居なくてもなぁ、俺一人でも何とかなってたよ!!」
「ふざけるな!!!!!!貴様一人でどうにかなってただと!!!!!ならかったから彼女が死にそうなんじゃないか!!!このままじゃ彼女は後数分で死ぬぞ!!!!責任取れるのか!?」
その時。
ギイイッ
と、音がして扉がゆっくりと開いた。
「しまった!まだいたのか!?」
この階は制圧したと思っていた。まだいたとすれば囲まれやすい部屋に入ったのは不味い。と、そう思ったのだが。
「薬……と宝石箱??」
そう。床になにかが入った瓶と小さな、とてもきれいな宝石箱が置いてあったのだ。訳が分からない。 急いで通路に出て左右を確認する。しかし人の影など見つからない。それでは一体誰がここにこんなものを置いていったのだろうかと思って薬の方にアナライズを掛ける。物の名前と品質が分かる優れものの魔法だ。消費MPも少なく誰でも使える簡単魔法である。
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《名称》悪魔のエリクシル
《説明》
その昔悪魔が命と引き換えに人間に渡したと言われる伝説のエリクシル。HP、MP、共に全快し限界値も上がり、状態異常まで治す。
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「なっ…!」
「んだよ、効果が糞だったか?どんな糞でも良いよ。さっさと使って諦めろよ。もう助からないの。」
「そうじゃない。見ろ!!神は我々を見はなさななかったぞ!!」
「ちっ。うるせぇなぁ。なんだよ。……!これは…!何故こんなものが………!」
「しかしこれでナターシャは助かるぞ!!早く飲ましてやらなければ!」
「こんな良いものを…そんなことに…?………かせっ!!」
バシッとナターシャに飲ませようとしていた私の手からエリクシルを奪い。
飲んだ。
「え………?」
「ははっ。こりゃあ良い。力が、限界が上がったのが分かるぞ。これで俺は最強だ!!!!!!強くなった!!」
「き……さま、貴様なんて、事、をもう、もう薬は無いんだぞ!!ナターシャは助からないんだぞ!!」
「ナターシャ?知らないなぁ。誰だい?それは。」
「貴様ぁ!!…………!!っ!そっそうだ。宝石箱。宝石箱の方に何が入っていないだろうか。」
最後の希望を懸けて宝石箱の方を振り向く。
宝石箱から二本の触手が出てもう一つ同じ薬を持っていた。
空気が凍りつく。
何故だか知らないがモンスターなのに目があった気がした。
一応ギルドはランク制で、
個人は
C-、C+、B-、B+、A-、A+、S、2S、3S、4S、5S
の十一ランク制。
チームは
C、B、A、S、2S、3S、4S、5S
の八ランク制です。




