表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

☆ 4時間目・社会

 4時間目の社会の授業の担当は、我らが2年1組学級担任・高山昴先生だ。授業の最初の10分間、高山先生は飼育委員の再選出に時間を割いてくれた。「大津が動物アレルギーのため飼育委員を務められなくなった」と、彩が先生に伝えたことを受けてのことだった。おそらく先ほど飼育小屋の鍵を返しに職員室に入った時にでも彩が伝えたのだろう。


 高山先生はその10分間の進行を学級委員の2人に仕切らせた。しかし実際にその仕事を務めあげたのは彩で、男子の方の学級委員である三田隆義は板書係に徹していた。こう書くと私が彼のことをバカにしているように聞こえてしまうかもしれないが、それはとんでもない誤解である。みんなの注目を浴びる教壇に上がる勇気がある彼は私の何倍も偉い。それにこの件に関しては変に相方が出しゃばるよりも、彩ひとりに進行を任せた方がよりスムーズに事が進むだろう。彼が板書係を務めているのは、実は理にかなってた行いと言えるのかも知れない。


 かくして飼育委員を巡る緊急会議は大きな問題もなく進み、最終的に大津と上原がそれぞれの受け持つ委員を交代するかたちで一件落着と相成った。


 ただ、上原はかねてより飼育委員になることを望んでいたはずだが、彩から「大津と委員会を交換してくれないか」と持ち掛けられてもあまりいい顔をしなかったのを覚えている。しかし他に自分の所属する委員会と交代してもいいと積極的に立候補してくるクラスメイトもいなかったので、最終的に上原が引き受けることとなったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ