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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第73話 盗賊の結末

 そろそろ、盗賊が動きだす時間だ。

 なんと、クラフティは大臣から呼び出しを受けて王都に来ている。

 分身ナンバー3がその一部始終を目撃している。

 クラフティは大臣から叱責を受けた。


 ヒュドラの件が不味かったらしい。

 色々な所を敵に回したからな。


「くそっ、何で俺が怒られないといけない。つまらん」


 クラフティは帰り道、表通りで石を蹴飛ばした。

 その石が目つきの悪い100人はいる男達の集団のひとりに当たった。


「おい」

「何だ文句あるのか。真勇者に逆らうのか」

「真勇者が何だって? 偽物か芸人だろう」

「言ったな。お前らは盗賊だ。成敗してやる」

「何で分かった」

「やはりな」


 やはりなって、こいつ冒険者だったとしても盗賊として片付けるつもりだっただろう。


「賞金ゲット。火炎竜巻(ファイヤートルネード)


 スロベニーが街中なのに魔法をぶっ放した。

 せめて水魔法にしろよ。

 それぐらいの配慮が出来ないのか。


 クラフティの手助けをするのは業腹だが、街のひとに被害がでると困る。

 被害が出ると俺の気分が良くない。


 盗賊の手にある魔力結晶の剣が一斉に消えた。

 これぐらい手助けすればクラフティで勝てるよね。


「くそっ、剣が消えた」

「魔道具で攻撃しろ」

「魔道具も駄目だ。2回目で壊れた」


 街の人は付近から逃げている。

 逃げ遅れた人はいないみたいだ。


 戦いを見物する。

 なんとクラフティは徐々に押され始めた。

 おいおい、数に差があるって言っても、勇者を名乗るならこれぐらい容易いだろう。


 武器を持っている奴がたった20人だぞ。


「ちっ、ヒュドラの古傷が痛む。覚えていろよ。撤退だ」


 カルエルが煙玉で煙幕を張った。

 そして3人は逃げ出した。

 ちっ、つまらん。


 (デス)起動。

 盗賊は全員死んだ。


 俺はファントムを呼んだ。

 ファントムが来る間に、見物人が盗賊の死骸を遠巻きにする。



「ごめんなすって」


 見物人がいるなかファントム登場。

 盗賊の死骸と装備を収納し始めた。


 そして、ファントムが消える。


「名誉勇者万歳」

「ファントム万歳」


 喝采の声が街にこだました。

 しばらく経った宿の分身ナンバー3。


「くそっ、ファントムの奴。美味しい所を持って行きやがって」

「私の懸賞金」

「抗議しましょう」


「どこへだ? ファントムの住んでいる所を知っている奴はいるか?」

「あんなやつ知らないわ」

「ええと、ギルド?」


「ギルドは不味い。大臣に冒険者ギルドと揉めるなと釘を刺された。くそっ、今頃奴はあざ笑っているのだろうな」


 うん、笑っているワイズベルの企みを、まさかクラフティが潰すとはね。

 プリンクもただ同然の魔力結晶の剣を買ってたし。


 魔力結晶の価値はもちろんあるよ。

 でも魔力結晶の価値に気づかなければただの石みたいな物だ。


 分身ナンバー1でワイズベルの様子を見る。

 ワイズベルはイライラして貧乏ゆすりしていた。

 貧乏ゆすりは幸運が逃げて行くよ。


「遅い」

「大変です。盗賊と、真勇者が接敵。戦闘になりました。真勇者は撃退したのですがファントムが現れて」

「全部言わなくても分かる。失敗したんだな。結局、金を使っただけか。金はまた集めれば良いが、盗賊の生き残りがいたりすると厄介だな」

「盗賊はファントムが皆殺しだそうです」


「くそっ、結局はファントムの手の内か。奴は裏の住人だったと聞く。独自の情報網を持っているのだろうな」

「間違いなく」


「裏の住人を使う手は駄目だ。ファントムの上はいけない。ここは別の手を考えるべきだな」


 分身ナンバー2の映像を見ると、プリンクは食っちゃ寝してた。

 プリンクの店の扉が激しく叩かれた。


「気持ちよく寝てたのに。誰だ」

「守備兵だ。お前が売った武器が盗賊に使われた」

「ええと、この武器なら守備兵に納入したはず。書類はこれだ」


 武器を見せられたプリンクがとぼける。

 しらを切るつもりだな。


「守備兵の中に盗賊の協力者がいたとはな。捜査協力を感謝する」

「はいはい。眠いんだよ。ふぁー」


 守備兵の膿が少し出されたようだ。

 プリンクが寝ているので、暇な俺は散歩に出て、街中であの闇商人を見つけた。


 排出(ドレイン)、起動。

 闇商人の股間に染みが出来て、闇商人は崩れ落ちた。


 闇商人は天国を味わっているようだ。


「ファントム」

「この臭いのを運べってことですかい」

「引きずって行けばいいから」

「へいへい」


 闇商人は捕まった。

 だが、夜。


「あの闇商人、牢屋で毒を飲んで死にましたぜ」


 ファントムの耳は早いな。

 どこで聞いてきたのやら。

 たぶん守備兵のたむろしている酒場かな。


「口封じだな」

「へい。裏の社会ではよくあることでさぁ」


 ワイズベルも運が良い。

 ひょっとしてワイズベルがやったのか。

 それなら、奴の認識を改めないといけない。

 でも分身ナンバー1の映像と音声はそんな気配はなかった。


 闇は深いってことなんだろうな。

 ワイズベルも用心深くなったことは確かだ。

 手紙を書く時に覆いかぶさって書いて覗き込まれないようにしている。

 だから、俺も手紙の類はノーチェックだ。

 そういえば盛んに書いていたな。

 どこへ出したのやら。


 分身の数を増やすべきか。

 数を増やせば、手紙も追跡できる。


 だが、映像と音声をチェックするのは3つが限界なんだよな。

 飛ばすだけなら、分身を操るのはできるのだけど。


 映像と音声をチェックする人を雇うべきか。

 信用の置けるひとでないと任せられない。


 どうしたら良いかな。


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