家族。
間違い訂正と少し変更しました。
はい、皆様覚えてますか?莉紗です。
実は、莉紗だったころの記憶バッチリありました。ユーリアスとの会話もです。
あの後、目が覚めると知らない天井が見えました。もうこういった話では定番ですよね。わたしも前世ではこういった本を何回か読んだ記憶があります。まさか本当にあるということも、それが自分だということも想像もしませんでしたがね。
私は、ここリューカ国の王都でサフィールとして生まれたなんかすごい名前だなと思ったがあえてつっこまない。てか「あー」とか「うー」としかいえないのであきらめている。
私はどうやら本当に転生したらしい。まだ、自分の姿を見ていないので少し気になるがある程度大きくなるまであきらめる。ユーリアスが美人に設定とか言ってたが、私の家族は全員美形だったのであんまり気にしないことにした。たとえ少し整った顔でもこの中にいれば目立たないだろう。
問題が一つ減ったがサフィールとして生活していて問題が出てきた。
それは・・・・・
「フィー、お腹すいてない?お菓子があるよ?」
そう言って小さく砕いたクッキーを口元に運んでくる美青年。銀色の髪に蒼色の瞳。外国の方ですか?だが、英語じゃないんだよね。
始めて気がついたとき、何言ってるかわからなかった。けれど子供の脳ってすごいね!すぐわかるようになってきた。だが、知らなければよかったと後悔しても遅かった・・・・
みんなして(特に兄と父)私に「かわいい」だの「天使」だのささやいてて正直病気になりそうだ。
この家族はなぜか私を溺愛してる。自意識過剰だって?私もそう思いたいよ!だけどみんな私を甘やかしすぎだ!私だっていろんなことをしてみたいお年頃だ。
いくら中身が高校生だと言っても体は子供なんだから好奇心ありまくり。体をうごかしたくてうずうずしてる。
「フィー!動くと危ないよ!怪我しちゃうよ!ボクがだっこしてあげるよ。」
そう言って軽々と私を抱き上げるこの人は、私の兄の一人ラルムだ。一番下の兄です。
「ラルム、さっきから君ばかりフィーを独占しすぎなんじゃないか?」
そう言ってラル兄から私を取り上げるラル兄と一緒の色の色彩を持った二番目の兄。ヴァンだ。ラル兄のように銀髪で蒼色の瞳だが、全体的に色彩が薄く瞳は蒼色というよりも、少し濃い水色のような感じだ。肌も白く優しい色合いだが、この兄に逆らえるものはいないほど腹黒い。
髪はラル兄は少し短めで、ヴァン兄は肩より少し長く後ろで軽く縛っている。
あと一人兄はいるが、あまり家にいることがない。なんでも仕事が忙しいんだとか。
その分帰ってきたときの私へのかまいかたがハンパじゃない。
まぁ、普段かまってもらえない兄にかまってもらえるのは嬉しんだが。
あ、名前はフラムって言う一番上の兄。
私はヴァン兄に向って不満そうな視線を向けているラル兄を見ながらこれからのことを考える。
成人までは・・・いや、自立できまではココで過ごすと仮定してもそれからどうしようか。
まぁまぁ整った顔立ちなら玉の輿でも狙うか?・・・・・いや、自分の空間に赤の他人がいるのは耐えられない。まず、私が人を好きになることが考えにくい。たとえ世界が変わっても、色恋にまったくと言っていいほど興味がなかった私が一緒にいたいと考える人と出会えるのか・・・・・
じゃあ、一生独身で地味に過ごしていくか・・・・・うん!
これが一番しっくりくる。玉の輿もいいとは思うが人を好きになれないんじゃ話にならない。
あ、言っとくけど恋愛で好きになれいんだからね。人間としてだったら、家族は好きだよ?だって何だかんだ言っても血のつながった家族だし、色々お世話になってる。
それにいまさらだが、私はこの世界で生まれてすでに3年たっている。
たった3年と思うかもしれないが、私的に結構長かった・・・・。
しんみりと感傷に浸っていると、とうとう我慢できなくなったラル兄が声を張り上げた。
「もーいでしょ!フィー返してよ!」
美少年だが幼さが残るこの顔をみると癒される。
「返すとか返さないじゃない。フィーはものじゃないんだからな」
じゃあ、兄よ。私のことはおろして自由にしておくれ。
「フィーはボクの妹だもん!」
抗議をするのは良いが私をおろさせるほうがさきだ。挟まれる私の身にもなってみろ!
「私の妹でもある。」
それは当たり前だが、とりあえずおろしてください!私は冒険という名の家内探索に出たいのだ。
そろそろいらいらと好奇心を実行に移せない不満が幼い体では泣くという行動になる。
泣きだした私に二人が驚き焦り出す。これで二人は仲良くなるだろう。
この風景が、私の家族の日常風景だ。
名前はフランス語から・・・
サフィール=サファイヤ
ラルム=涙
ヴァン=風
フラム=炎