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「お嬢様、もう時期屋敷に到着します」
「着かない努力をしてください、あ、ほらそこのぬかるみいい感じですよ、ああ、なんでスルーするの?到着を遅らすのもまた一流のプロです!」なんて無慈悲な御者なの!!
「お嬢様・・・そんな無茶苦茶なことを・・」
マーヤぁ、だって・・だって着いたら私の大失態が両親に知られてしまう!!なんか最後らへんは和やかな感じで終わったけど、第二王子殿下の前で爆睡(&爆食い)かまして、あろうことか寝起きの般若顔かましたんだよ?マーヤだってお母様達にこんなこと伝えたくないでしょ⁈家に帰りたくないよー
「あ、ほら屋敷が見えてきました」
なんて無慈悲な御者なの!!!!
・・この扉の先には・・一体どんな顔して家族が待っているのだろうか
王宮のぉ至高の菓子に満ち満ちてぇ睡魔に負けし我が心
・・・あゝ現実逃避したくて短歌詠んでた
ガチャン!
「ティーーナちゃん!!」勢いよく扉を開けたのは
「お、お母様⁈一体どうしたんですか?」まさかもう私の失態が?
「王宮から手紙が届いたのよ、みんなで開けましょ〜」
もしかしてクレームがもう?はやっ早すぎない⁈
「あら、どうしたのティーナちゃん?お顔が真っ青じゃない何かあったの?」
「何か酷いことでも言われたのかい?ティーナ」
いつも温和で優しいお父様、ごめんなさい、どちらかといえば逆です。
「騒がしいけど一体何があったんだい?」お兄様まで!
こんな時に家族全員揃ってるなんてぇえ
「皆様、私から順を追って説明いたします」マーヤぁあ、本当に全部説明するの?
言い訳の呪文浮かばぬ眼前に響くは親の涙か怒号か
ーーーー
マーヤは話し始めた、ただ、マーヤはお菓子を爆食いしたことに関しては第二王子殿下にバレてないため黙ってくれた、ありがとう。
マーヤの説明中、お父様は額に手を当ててあぁ眩暈がと言いながら椅子に倒れ込んだ。お兄様はバリバリ胃薬を噛み砕き始めた。一番感情豊かで一番取り乱すと思っていたお母様は・・・・怖い、逆に一番冷静で、薄っすら笑顔のようなものを貼り付けたままなのが、怖い。
「つまり、この手紙は──」お兄様が話し始める。そうなんです。私、断罪されるかもしれないです。
パシン。
お母様の扇子を閉じる音で一同一斉にお母様の方を振り返る、ひいいい
「それは、手紙を読んでわかることよ」
「「「はい」」」お父様、お兄様、私の声が重なった。
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招待状
クリスティーナ・ミュースラット殿
来たる王宮離宮においてささやかながら茶会を催す。
貴殿の来訪を心待ちにしている。
返書は─────、
日時は──────、
リヒト・フォン・ギョクコウ
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え?普通にお茶会の招待?何回見直しても私の失態に関しては何も書かれていない、セーーフ!
「うふふふふふ、あはははは、ふふっ」
⁈お母様?どうしたのですか⁈
お母様はひとしきり笑うと静かに口を開いた。
「まさか、こう来るとは思わなかったわ。」
お母様は扇子を口元に添えたまま、静かに立ち上がった。
「ティーナちゃんは、この書状の意味を理解しているのかしら。」
「普通にお茶会の招待……では?」
恐る恐る答えると、お母様はため息をついた。
「だから、ティーナちゃんはまだまだなのよ。」
「えぇ……。」
「これは『茶会』ではなく、『第二王子殿下自ら』が、『公爵令嬢クリスティーナ・ミュースラットを名指しで招待した』という事実が重要なの。」
「確かに……通常であれば王宮の茶会には招待客の一覧が添えられるものだ。」お父様がゆっくりと姿勢を正した。
「ですが、この書状には招待客はティーナ一人しか記されていません。」お兄様も書状を見つめながら頷く。
「そのとおり。」
お母様は静かに書状を机へ置いた。
「しかも、差出人は第二王子殿下ご本人。」
部屋に沈黙が落ちる。
「つまり──。」
ごくり。
「これは殿下が、ティーナちゃんと二人きりで茶を飲みたいと望まれたいうことよ。」
「…………え、え?…………えぇぇぇっ!?」
私の声だけが屋敷中に響き渡った。
「そんなわけありません! きっと他にも招待客が───」
「いないわ。」
即答だった。
「招待客が複数であれば、その旨が記される。何も書かれていないということは、殿下がお会いになりたいのは、クリスティーナ、あなた一人。しかも、お茶会の直後、すぐに!送られたということは第二王子殿下があなたを相当気に入ったということよぉ」
頭が真っ白になる。
いやいやいや。
待って。
流石にそれは拡大解釈すぎない?お母様、ちょっと様子がおかしいわ。
「ティーナちゃん」
「は、はいっ!」
お母様が優雅に微笑む。
「今から王宮作法を、一から叩き込むわ。」
「……一から?」
「ええ、一から、あ、それと今回の失敗も活かして、マナー講師をクレア先生の他に追加して2人に増やそうかしらぁ?」
その笑顔は、とても美しかった。もう誰にもこの暴走は止められない。
私は悟る。
断罪は免れた。しかし、それ以上に過酷な未来が待っているとは───




