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鈍感王子  作者: 蒼咲 秀
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最終話

いよいよ最終話です。

今までお付き合い下さりありがとうございます。


未熟者故に上手くまとまらなかったのですが、頑張って書いたつもりなので、最後まで読んで下さると嬉しい限りです。


翌朝。

あたしは真っ先に屋上に行った。

昨日メールで呼び出した相手は既にいた。


「待たせてごめんね、千夏ちゃん。」

千夏ちゃんは風に髪を靡かせながら、くるりと振り返る。


「大丈夫だよ。私も今来た所。」


謝らないで。

と千夏ちゃんはあたしに言う。


「…誠の事だよね。」

千夏ちゃんは静かに言う。

あたしは少し躊躇ったが、静かに首を縦に振る。


「千夏ちゃん、せーちゃんの事好きだったんだよね?」

「……。」


「…何で?



…あたしの為?」


「…それもある。でもそれだけじゃないよ。」


千夏ちゃんはそれから一言も喋らなかった。

その後チャイムが鳴ってしまい、あたし達は教室に戻る。




いつもと何の変わりもない。

みんなの挨拶が行き交う中、ぎこちないのはあたし達5人。


教室に入れば一番に彼を探す。

見つけた瞬間走り出したい気持ちになるけれど、そこは我慢。


「…おはよ。」

小さな声でいつも通りに挨拶が出来ない。

それでもあなたはいつもの通り、優しく

「おはよ。」

と言う。

昨日の事がまるで嘘のよう。

不安になったけど、せーちゃんと千夏ちゃんがぎこちなく挨拶するのをみて不安はかき消される。


胸がモヤモヤしている。

これで良いのかな。

こんなに休み時間になって欲しくない日は今までにないくらい、あたしは緊張していた。

休み時間になると、ゆっくり亜美がやって来た。


「屋上に行こっか。」

亜美の言葉に黙って頷く。




本日2度目の屋上。

風は収まっていた。

亜美には、せーちゃんの事も千夏ちゃんの事も言った。


もちろん基の事も。


「あたしね、基に告白する。」

「え!?」

亜美の言葉に驚いて、変な声が出た。

「ちょっと、変な声出さないでよ。今すぐじゃないよ。」

「…あっ、そうなんだ。」

「私、さーよから少し勇気もらった。だから頑張ろうって思えたの。これからは、あたしが頑張るから見てて。」


そう亜美は、あたしにしっかり約束をした。

亜美はもう一人でも平気なんだね。

あたし達だってずっと一緒にいられる訳じゃない。

あたしだって人の心配なんかしてる暇なんかないんだ。


「ねぇ、さーよ。」

「なぁに?」







「幸せになろうね。」


その時亜美が見せた顔は、

あたし一生忘れないよ。

あたし達は、随分遠回りした恋だったけど。


幸せになれるよね。









それから半年後の卒業式。

私達が今どうなったのかはまた別のお話。




あえて言うなら、千夏ちゃんはとびっきり素敵な彼氏が出来ました。










前書きにも書きましたが、本当に長い間お付き合いありがとうございます。

最後は納得いかない方も多いのではないでしょうか。

私自身もまだ終わった感じがしないくらいですし、何より誠と小夜子のその後を書き忘れました。

なので、続編を一つくらい作ろうかなと思うのですがこのまま余韻を残した方がいいのでしょうか。

是非皆様の感想お聞かせください。


今回は長い間お付き合い頂き本当にありがとうございました。

次回もまた皆様に会える事を祈って。






蒼咲 秀

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