第31話 Unmemory Dungeon4
一瞬ふわりとした浮遊感があり、フロア全体が見通せる広い空間に居た。フロアマップを確認するも、この広い部屋のみのフロアのようだ。
「とっても、とぉーっても、嫌な予感がするわん」
とりあえず、一歩も動かずに周辺を見渡す。
∈[あちこちに黒い靄みたいなのが見えるのにゃ]
◎[魔物は見当たらないみたいだけど……あ、アイテム結構落ちてるみたい]
◆[これは……間違いなくアレだな]
「やっぱり、アレだよね。一歩でも動いたらか、時間経過か……」
◎[アレって?]
◇〚……モンスターハウス!〛
◆[……モンスターハウス!]
「……モンスターハウス!」
その叫びに呼応したのか、時間経過だったのかはわからないが、黒い靄から魔物達が現れ始めた。
◯[見たことのない魔物がいる]
◎[角生えてるけど、角兎ではなさそう?]
「角……もぐら?」
不確定名:光纏いし獣
説明:鑑定されていない獣型の魔物
ダンジョン内で一意な名称を設定することが出来ます。
▽[厨ニかよw]
❤〚光纏うともぐらさん辛そう〛
「これは、『角もぐら』で良いよね」
目が見えていないのかあらぬ方向へと移動するもぐらさんをサクッと撲殺する。
◎[めんぼーくん強い!]
▽[撲殺系わんこ]
◯[癒し系ゆるキャラ枠から外れたね]
「ちょっとリスナー! これでもボクはぬいぐるみ系VTuberとして癒し系のつもりだんですけど?!」
ボヨンと跳ねてきたポヨポヨを殴り飛ばし、反動でターンした勢いのまま角もぐらにめんぼーこんぼーくん1号を叩きつけた。
流れで、まだ魔物がポップしていない黒い靄を殴ると消えてしまった。ちょっともったいない。
▽[流れるように殲滅していて1ターンも無駄にしない動きw]
△〚割りと戦闘ガチ勢だから困る〛
◆[戦闘ガチ勢というよりは効率厨っぽい]
「あ、この黒い靄は攻撃すると消えるみたい。イナバくん、この黒いの残しといてー」
「きゅっきゅっー!」
アイテム回収や角もぐらを追いかけて倒すのに忙しそうなイナバくんに声をかける。
◎[残すんだ、あの靄]
◇〚倒せる魔物がポップする限りは残した方が効率が良い〛
◯[粗方片付いたっぽいね]
部屋一面にドロップアイテムが落ちているのをイナバくんと拾い集める。
「たいりょう、たいりょう、ってパネルはスタックなしなので入れすぎるとMPが足りなくなりそう」
しかも、同一種類でもスタックしないっぽい? せめてポーションとかは、ポーションx9とかでパネルに入って欲しかった。
◎[アンメモってインベントリでのスタックも謎]
∈[ドロップアイテムは割りとスタックするにゃ。ただし、傷とか微妙にあったら別物認識でスタックできなくなるのにゃ]
◆[リアル志向すぎる弊害みたいなものだな]
「あ、袋がドロップしてた」
ご都合主義的に袋が落ちてくれてたのはありがたいが、只の袋っぽい?
不確定名:重そうな袋
説明:鑑定されていない袋
ダンジョン内で一意な名称を設定することが出来ます。
◯[流石運営わかってる]
◎[これは鞄のドロップも期待]
◆[袋詰めしてからパネルに入れるのはお約束]
「……『中身の入ったアイテムはインベントリに収納できません』ってでたわん……」
イナバくんが不思議そうにポンポンしてくれる。
◯[流石運営わかってるw]
◆[バグりやすい仕様を潰しているのか、リアルだと言うべきか]
◇〚ローグ系としては難易度爆上がり〛
「しかも、入れたままの重さだし…… ここはマジックバッグとか、ゲーム的に重さなしとかあるんじゃないの?!」
このまま次の階にアイテムを持っていくのは難しそうだ。少なくとも複数あるアイテムはある程度鑑定する必要がある。
「ふぅ、気を取り直してダブったアイテムの鑑定たいかーい!」
◎[ぱふぱふー!]
◯[待ってました]
「とは言っても幸い種類はないのですぐです」
▽[wまあ、魔物2種類だけだしそんなに色々は落とさんだろ]
◆[スライムの落とした飲み物と何だ?]
「まずは結構な数のあった『黄色い飲み物』を飲みます」
◇〚透明だし、毒ではなさそう〛
◎[飲むのとっても勇気いりそう]
VRMMOというバーチャル世界だとなかなか飲むのを躊躇する。
「覚悟を決めて……ん?! おいしい!」
なぜかひんやりとしていて、すっきりとした飲みごたえ。
◆[体調の変化は?]
◯[美味しいんだ]
「体調も変わらない気がするわん。とりあえず、名前つけとく」
名称:ダンジョンのおいしい水
説明:特に効果のないおいしい水
(満腹度+5%)
◆[満腹度?]
「え、満腹度って何? ボクは書いてないけど?!」
薄く『満腹度+5%』の文字が足されていた。




