第13話 角兎
名称:角兎
説明:平原に穴をほって住んでいる角の生えた兎。
臆病であり攻撃せずに逃げることが多い。
ただし、目が赤くなって凶暴化する場合がある。
目の前で光の粒子となって消えていった魔物の鑑定結果である。アンメモでは『鑑定』スキルのようなものはなく、情報を知りたい魔物やアイテムを注視するとステータスウィンドウがポップアップしてその詳細を知ることができる。
「なんか、ボク、角兎に目の敵にされてる?」
村が出来て周囲の魔物が弱くなったのは良いが、なぜか、襲ってこないはずの角兎がボクを見ると率先して襲ってくるのだ。サクラッキー狩りで鍛えたレベルやステータスからすると負けることはないので良いカモではあるが納得がいかない。
◯[同じモフモフとしての対抗心w]
❤〚うさちゃんもかわいいよね〛
◆[何か種族特性的な隠しパラメーターがあったりするのかね]
「称号がついてはいるけど、つく前から襲ってきてたし」
『兎の天敵』という称号は村の周りで角兎を乱獲している際についた。おそらく、1000匹程狩ったのがトリガーになっているんだと思う。兎系の魔物に対する攻撃力アップとヘイトアップの効果があるみたいだ。
∈[称号! 詳しく教えるのにゃ]
◆[天敵系の称号か?]
「正解! 『兎の天敵』だわん」
◯[こっちには角兎がいなくて、スライムだけだから多分初称号だね]
▽[一応、他の魔物を見かけたって話もアップデート後から聞いてはいるけど……鼠とか鹿だったか?]
村から一時間程歩いてきて、そろそろ山の入口近くになってきた。足元の草も次第に長くなってきたため、鎌で払いながら進む必要が出てきた。
「あ、薬草みっけ!」
名称:ヨモギっぽい薬草
説明:HPが10回復する薬草。
そのまま食べると苦い。
ヨモギ餅にするとおいしいわん。
村の周りにも時々生えている薬草である。
◎[ヨモギっぽいw]
▽[名付けわん太かよw]
∈[ちょっ、何名前つけてたのにゃ、もしかして、『XXXっぽい』とかついてるの全部わん太かにゃ?]
「あれ? なんでボクが名前つけたって分かったの?」
村の周りとこの山の麓には未鑑定の色々な草や木が結構な数あったので割りとたくさん名付けをおこなった気がする。
◎[最後に『わん』ってついてるからバレバレ]
∈[情報クラン連合でもう少し統一感のある名前に書き換えるべきか議論していたにゃ……]
そう言われても未鑑定の場合、とりあえずは名前を付ける必要がある。ローグ的な要素として、アンメモのアイテムは初期状態では全て未鑑定なのだ。また、鑑定済みでも誰かが登録した情報が表示され、公式の名称は存在していないと言われている。なお、情報を書き換えたり、1つのアイテムに複数情報を持たせることも可能だったりする。プレイヤー共通のWiki情報が参照できるような感じだ。
「山の入口というか、この川沿いに探索をしていくわん。ここから先は本当に未探索の領域だから気をつけていくよー!」
◯[おー!]
❤〚ふぁいとー!〛
◆[待ってました! いざ未開拓ゾーン]
まだ見ぬ住人を探して山登り開始である――




