Mission7-4
かつて、世界を震撼させたレポートが見つかった土地にして天野翔琉博士が育った国、日本。
今やここは、かつて自然豊かでありながらも文明の発展した都市あったとは言えないほどに荒廃していた。
まるで、巨大な規模で隕石でも落ちたのか……というほどに、地形は変形している。
昔、長野県という場所があった場所には、巨大なクレーターが出来ており、日本のほぼ中心には巨大な穴が開いている状態だった。
これは、衛星兵器の使用後の跡地に見られる様子。
日本は、どこかの国と戦い、戦闘には勝利したものの、多大な犠牲と土地を失った。
ここは、そんな忘れてはいけない戦闘の跡地。
元長野県……今は、湖となっており名は存在しない。
便宜上、俺はこの湖を長野湖と言うことにしよう。
そして、長野湖には俺の所有する戦艦「大和(改)」が密かに隠されている。
「しっかし、あんたって本当に色んな兵器を隠し持ってるよね」
白百合は感心している……というより、呆れた感じで言っている。
彼女も、おびただしいほどの刃物コレクションを持っているから、そんな事を俺に言えるはずではないだけどな。
「まあ、備えあればなんとやら……こんな不足の事態を考えて色々と用意しておいて良かったよ」
「うん。それもそうか……ところでジェット。これって、本当に起動するの?」
湖底に沈められている戦艦を見て、白百合は思わずこんなことを口にしている。
やれやれだぜ。
「ちゃんと動くよ。白百合が持ってきてくれたこの腕輪と、俺の声でな」
「ふーん……」
「起動プログラム、始動」
そう俺が腕輪に声をかけると、湖の湖底は地鳴りを起こし始める。
そして、凄まじい音と共に、湖の水が浮上し始める。
その水の中から現れた鉄の塊。
これこそ、戦艦「大和(改)」だ。
『マスター。お久しぶりです』
「うわぁ、喋った‼」
白百合は驚いていた。
俺は知っていたから、驚かなかったけど……この戦艦は俺が設計した人工知能を搭載してある。
名前は【サンシャイン】。
この国の国旗にちなんだ名前だ。
「サンシャイン、久しぶりだな」
『マスター、私を起動させたということは、とうとう人類を殲滅する日がやって来たのですね』
「そんな事企んだ覚えねぇよ!!」
『人工知能的ジョークです』
「ジョークで、殲滅されてたまるか!!」
年々進化して言ってるんだよな、この人工知能。
可愛いげがあるよな。
『それで、マスター。本日はどちらへおでかけへ?』
「ルルイエ……太平洋上の遺跡だ」
『ルルイエ。クトゥルフ神話における、旧支配者が封じられたとされる場所ですね?』
「そうだ……って、知ってるのか?」
『ググれカス……おっと失敬。ネット検索をかけて、そこから……』
「この人工知能、面白いわねジェット」
「うるせぇー」
まさか、自分が作った人工知能にカスって言われる日が来るとは。
『マスター。ルルイエまでの航路計算が終了しました』
戦艦「大和(改)」の操縦室にて、俺は自動操縦モードに設定を変えていた。
この戦艦は、宇宙空間にさえも容易に行けるほどの推進力を保有している兵器である。
故に、転送機能も備えているが、ここでルルイエまで転送してしまうと、火星本部がその転送した際の信号を察知してしまう可能性もある。
地球の回りを飛んでいる衛星……こちらを排除しておいた方が得策かもしれない。
だが、各衛星には対衛星破壊兵器の防御システムが張り巡らされている。
一機の衛星を破壊しても、その破壊された衛星が最後に残した映像より、攻撃者を探知……そして、太陽熱を極限までに高めたビームを地上に放ち、土地ごと殲滅出来るほどの力を持っているのだ。
故に、俺は衛星を破壊しない。
だが、妨害電波はさせて貰うけどね。
『マスター。戦艦発艦可能です』
「よし。サンシャイン、発艦せよ」
『了解しました。これより!戦艦「大和(改)」発艦します。進路よし。ヨーソロー』
ゴゴゴゴっと、音をたて戦艦「大和(改)」は湖の水面より浮かび上がり、浮上する。
そして、戦艦後方部のブーストによって、進み始めるのだった。




