Mission7-3
「こ……ここまでとは……無念……」
バタッと、精鋭部隊はその場に寝てしまっている。
天野翔琉博士が作ってくれたスナイパーライフル。
これが、恐ろしいまでの威力だった。
いや、威力というより性能かな。
この魔法で作られてライフル。
弾丸が光だから、物質を透過して放つことができるんだ。
基本的に、光ってのは物質を透過できる性質を持っている。
まあ、鏡とかみたいに反射物に対しては跳ね返ったりするけど。
問題は部隊の配置だった。
だけどそれは、最初の銃弾の方向とかで、ある程度計算していたから、直ぐに分かった。
だから、俺はひとまず撃ってみたんだよ。
そしたら、面白いくらい当たる当たる……。
翔琉博士、本当に敵に回したら恐ろしいんだろうな。
「あと、60秒……急がなきゃ」
俺は再び走り出す。
あの通路の角を曲がれば、すぐだ。
「はぁ……はぁ……」
走る。走る。走る……。
「よし、到着したぞ‼」
俺は急いで転送装置を起動させる。
なんとか、間に合いそうだ。
地球にさえ行ければ、とりあえずいいから……どこでもいい。
翔琉博士の居るルルイエに直接転送するとかそんな見す見す博士の居るところを教えるような真似はしないように。
えっと……。
ザクッ。
「ん?うわぁ!!」
操作パネルのすぐ脇のモニターに、唐突に刺さっている日本刀。
そして、その延長上の後ろには、白百合が立っていた。
「ジェット、見つけた……」
「し、白百合……」
ゆらり、ゆらり……と、白百合は俺の方へと近づいてくる。
そして、すっとドスを取り出して、俺の方へと向ける。
「ルート隊長から、あんたを殺すように言われてるんだけど……」
「ま、まて白百合……」
そのままグサリ……と刺してくるのかと思ったら、ドスをその場に彼女は落とした。
「なーんてね」
「え?」
「私もあんたについてく」
「はぁ??」
命令を何よりも尊重し、例え任務の障害になるものは子供でさえも容赦しないあの白百合からは考えられない発言だった。
「ルート隊長から、あんたを殺すように依頼されてしまったけど……正直言って、私は全て知っていた。ルートたちが進めていた計画、あんたが天野翔琉博士のクローンだってことも……何もかも全てね」
「そうなんだ……」
「だからまあ、正直……ルートの発言に最早……。私は、私が納得できる正義以外は信用しないの。だから、私は私のしたいことをやる。あんたの脱走を手助けして、私も組織を抜ける……ほら、忘れ物」
そう言って彼女は、俺の武器が全部集約させてある腕輪をくれた。
これで、いつでも自分の愛用の銃や兵器を操れる。
「さて、ジェット……んじゃあ、行きましょうか」
「行き先は、どこにする?」
「あんたとなら、どこでもいいわよ」
「お、おうそうか……じゃあ、日本へ行く」
「日本……私たちが本来育つ場所だった国……」
「じゃあ、行くぞ‼」
転送装置を起動させ、俺たちは日本へと向かうのだった。
何故日本にしたのか。
ルルイエに向かうためには、空より海を行く方がいい。
日本には俺が隠している海洋兵器を眠らせてあるからな。
戦艦【大和(改)】。
陸海空両用に設計した、母艦である。
これさえあれば、ルルイエには辿り着けるだろう。




