あとがき
最後まで『放課後ブレーメン』を読んでいただき、ありがとうございました。
この物語は、
「居場所を失った人たちが、音楽を通してもう一度つながっていく」
そんな想いから生まれた物語です。
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最初は誰もいなかった吹奏楽部。
音楽準備室に一人でいた神谷奏。
クラリネットと出会い、自分の居場所を見つけた水野美琴。
怪我によって夢を失いかけた白石玲央。
父親への複雑な想いを抱えながら、仲間のためにトランペットを吹いた黒川透。
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四人が集まったことで、
ただの部活動だった場所は、
少しずつ「帰る場所」へ変わっていきました。
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そして、彼らを支えたのは、
最初から完璧な才能ではありません。
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失敗。
不安。
過去への後悔。
自分には無理だと思う瞬間。
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誰もが一度は抱える迷いを持ちながら、
それでも一歩踏み出したからこそ、
彼らの音は人の心に届いたのだと思います。
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『ブレーメンの音楽隊』という童話では、
年老いた動物たちが、それぞれの事情で居場所を失いながらも、
仲間と出会い、新しい道を歩き始めます。
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『放課後ブレーメン』もまた、
過去や挫折を抱えた少年少女たちが、
音楽という共通の言葉でつながっていく物語です。
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透のトランペット。
玲央のチューバ。
美琴のクラリネット。
奏のピアノ。
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一つひとつの音は違います。
でも、違うからこそ重なった時に一つの音楽になる。
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それは、人も同じなのかもしれません。
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得意なことも。
苦手なことも。
抱えている過去も。
全員違う。
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だからこそ、
誰かと出会った時、自分一人では出せなかった音を奏でることができる。
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この物語を通して、
読んでくださった方が少しでも、
「自分にも居場所があるかもしれない」
「もう一度挑戦してみよう」
そう思っていただけたなら幸いです。
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放課後の音楽準備室から始まった小さな音は、
これからもきっと鳴り続けます。
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いつかまた、
彼らが新しい舞台へ向かう日が来るかもしれません。
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その時はまた、
彼らの奏でる音に耳を傾けていただければと思います。
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最後まで、
『放課後ブレーメン』に付き合ってくださり、
本当にありがとうございました。
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――放課後に響く音は、誰かの明日を変える。




