第一話 落ちこぼれ日本に転移する
「お前はもう、こちらの世界にいなくてよい」
「そうよ、あんたがいるとこっちまでダメになっちゃうわ!」
この国の王である俺の父がそう告げる。妹にまで馬鹿にされた俺はどうやらこの世界ではもう要らない存在らしい
「お前には異世界に消えてもらう!死なないだけありがたいと思うことだな」
そう告げると父の側近であり宮廷魔術師の男が俺に転移呪文をかける、次の瞬間、俺の目の前は真っ暗になった
「俺の運命もここまでか…」
―死なないだけありがたいか、いったいどんなところに転移するんだ俺は…
目を開けるとそこは、、、
「なんだ、ここは?」
王国の城よりも高い建物が見渡す限り広がっているこの世界は俺の常識を超えている
―意味がわからない、俺はこんな世界でどうやって生きていくんだ?
俺が頭を悩ませていると
「@@@@@$$$##@@$$@$#¥」
知らない男が声をかけてきた
―なんて言っているか分からないな、ダメ元だけどやってみるか…
『言語理解』
―俺が今使った魔法は本来、従魔や精霊とコミュニケーションをとるためのものだが、こちらのせかいでも使えるのだろうか…
「あのーどこか具合が悪いんですか?」
―よかったこっちでも使える、というか異世界の言葉も理解できちゃうんだなこの魔法
俺が新たな可能性に気づいた瞬間だった
「具合が悪いんですか?必要なら救急車呼びましょうか?」
「あ、あぁ大丈夫です。ご心配ありがとうございます」
「あっよかった通じてたんですね海外の方かと思ってたんですが日本語が分かるんですね」
「にほんご?すみませんここってどこなんですか?」
「やだなーあなたも観光でここにきたんでしょここは日本という国ですよ」
どうやら俺は日本という国に転移したらしい
「あのすみませんが私はこれから仕事がありますので失礼します良い旅を」
「あ、ありがとうございました」
「では、失礼します」
男はそういうと忙しそうにその場を去っていった
―そういえば名前聞くの忘れてたな
俺は転移先で初めてあった人の名前を聞き忘れるというなんとも間抜けなことをした
―まぁ生きてさえいればいつかまた会えるだろう、さて、これからどうやって生きていくか見たところ俺のいた世界よりも発展していることは確かだな
そんなふうに思うと俺はもう一度辺りを見回した
―やっぱり、どうやって生きていくかが見当もつかないなとりあえず向こうの世界では必要とされていなかったわけだしこっち世界でも…必要にされなさそうだなこれは…
俺が肩を落としているとまた声をかけられた
「あの、なにかお困りですか?」
話しかけてきたのは20代半ばの女性だった。服装はとてもきっちりとしており肩までかかる髪に眼鏡をかけたとても美しい見た目をしている
「あ、いえ、その、、これからどうやって生きていこうかと考えていまして…」
「あら、それは大変ね見たところまだ学生さんみたいじゃない」
―さっきの男は海外の人だとか言っていたが俺ってそんな変わった見た目をしているだろうか?
確かに先程から周りの人間は皆、黒髪に黒目それに俺より少し背が低い
―俺は金髪に碧眼だからなるほどこれは確かに目立つしこんな人間が辺りをキョロキョロしてたら周りから心配されるよな
「学生ではないですが歳は15です」
―俺のいた世界では15歳で成人だからな学生ではないよな
「あら、15歳ってまだ高校生じゃない、あれ、でも海外って飛び級があるんだっけ」
女性が頭を悩ませているようだ。少したち女性が俺に質問をしてきた
「あなたどうやって生きていこうか考えているのよね親御さんはどうしたの?」
そんな質問に対し俺は少し考えた末
「家族はもういません。俺はこの世界で1人で生きていかないといけないので」
そう応えた
「家族がいないってあなた家出してきたの?」
そんなふうに女性が言うので俺は事実を言うのもあれなので家族とは縁を切られたと伝えた
「じゃああなた今行く宛てがないってことよね、じゃあうちの学校に来ない?」
そんな提案をされた。正直とてもありがたいが俺はもう成人しているためもう一度学園に通うなど出来ないだろうと思い断ろうとし
「すみません、ありがたいですが15歳ってもう成人ですよね?学校にもう一度通うことなんて…」
そう俺が言うと
「何言ってるの?成人は15じゃなくて18でしょ15歳なんてまだ学生じゃない」
そう言われてしまった
―そうか向こうの常識じゃないのか、こっちでは18歳が成人なのか
「もう一度聞くわね!うちの学校に来ない?」
女性の言葉は決して冗談を言っているのではなく真剣だということが伝わってくる
「では、俺…私をあなたの学校に通わせて下さい!」
―正直俺はこの世界で生きていければいいからここはお言葉に甘えさせてもらおう
そんなことを思っていると女性が
「じゃあ決まりね私の名前がまだだったわね、私は安藤絵里よろしくね」
「俺…私の名前はアレン・ユグドラシルといいますよろしくお願いします」
「無理に私なんて言わなくていいからねこれから私の養子になるんだから!気軽にママって呼んでもいいわよ」
―ママっていったいこの人はいくつなんだ見た目は20代半ばとめちゃくちゃ若く見えるし
「あの、失礼ですがお幾つなんですか20代にしかみえないんですが…」
「あら、お世辞がうまいのね私今年で45歳よ」
―えーーー全然見えねーていうか45歳ってまじかよ、あれこっちの世界の人ってみんなこんな感じなのかな
軽く俺は混乱状態になった
こっちに来て2人目の人、安藤絵里さんに助けてもらいそして俺は養子として暮らしていけるらしい
―意外とあっさり養子になれてしまったけど本当に大丈夫かな、俺はこれから一生かけてでも恩返ししないとな
そう心に誓ったのだった
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