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彼女の鳴く声は~1~

 十二月、十八日の土曜日。

 来週に控えたクリスマスに向けて街は一気にクリスマスムードに包まれていた。

 俺――坂戸拓海というと、冬の寒さに身を振るさせるような季節になったなぁ、と思うこの頃。

 自分で立てた今年の目標を、半分近く残したまま今年を終えようとしていた。

 「さみぃー」

 冷たい冬の空気に体を縮こまらせながら、バイトに行くため駅への道を歩く。

 今日は各地で気温が低いらしく、羽毛のコートを着て首にマフラーを巻いてもまだ寒い。

 特に手なんかは直接空気にされされていて、しびれるくらい冷たくなっていた。

 

 たまに吹く強い風に、全身が震える。

 風の所為で、体感温度はかなり低いのかもしれない。

 目的の駅が目の前にあるのに、歩みが遅くなった。

 たしか今週いっぱいは、昨年と比べてもかなりの冷え込みだとか。

 そんなことをお天気キャスターのお姉さんが言っていた気がする。

 うーむ、我ながら天気に関心がなさすぎてあんまり覚えてない。

 

 それにしても、この桜ヶ丘の駅前にも変なの出来たな。

 駅の前につい先週できたばかりの珍妙な銅像に目をうつす。

 名前、なんだろうか。

 銅像を乗せた台座の部分には、『さくぽん』という名前が書いてあった。

 

 なにがどうして『さくぽん』なのか検討が俺にはつかないが一応、こんなキャラでもご当地ゆるキャラ選手権なるもので準優勝らしい。

 そう駅の垂れ幕には書いてあった。

 こんな桜の花びらに、手足が生えただけの不思議生物? でよく取れたな。


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