99 そりゃ、あんなもん見せられたらな!
「ここが突き当り?」
「そうみたいですね」
なぞの遺跡を突き進んだ僕たちは、中々の強敵との連戦に息をはく。
遺跡は部屋を進むたびに5体のゴーレムが襲ってきた。
2つ目の部屋からはメタルゴーレムが、続いてミスリルゴーレム、アダマンタイトゴーレム、オリハルコンゴーレムと出てきて連戦していた。
いずれも鉄、ミスリル、アダマンタイト、オリハルコンと小さいながらも塊が落ちてきた。スキル玉が出てこなかったがそれなりにレアな素材となるだろう。
ミスリルゴーレム戦で少し小さいようだがミスリルの塊が出た際に、「純度100!」と叫んだユリアのテンションがおかしくなり、結局そのままこの最奥まで連戦となってしまった。
アダマンタイトゴーレムの時は物理が効かず[火炎]と[竜巻]と[風矢]で何とか仕留めることに成功した。
逆にオリハルコンゴーレムの時は魔法が一切効かず僕とリーゼの[突く]で倒ししてゆくが、2体倒したリーゼの剣が折れ同じく2体倒した僕は魔短剣が砕き散った。
最後の一体は[黒牙]で普通に倒すことができたので、そういえば[黒牙]は物理だったなと思い出した。最初から使っておけばよかったと後悔したが、壊れた武器は戻ってこないので、また『魔の森』で稼いで買っておかなくては…
そう思ったが、ユリアが「ヘパイトスさんにこれで凄いの頼んどく!」と言っていたのでお願いしておいた。きっと凄いのを作ってもらえそうだ。
結局このオリハルコンゴーレムのいた空間が突き当りとなっていたので、今日は終了として戻ることになる。
「ユリア、ここのゴーレムってどのぐらいでまた湧くか分かる?」
「ちょっとまってね……24時間弱だって」
ユリアの[未知の知]による確認も本当に便利すぎて羨ましくなる。
「じゃあまた明日も来てみる?」
「うん、絶対くる。兄ぃ、ここのことヘパイトスさんに伝えても良いよね?」
「良いんじゃないかな?ヘパイトスさんならこの素材もうまく使ってくれるでしょ?魔短剣なんかも作ってもらうんだし、できれば友好的な関係でいたいからね」
「任せて!すっごいの作ってもらうから!」
「任せるよ」
こうして、ゴーレムのいなくなった道を歩き外に出る。
入った時と同じ場所でリアスが出迎えてくれ、疲れた心を癒してくれた。
その後、この遺跡近くを拠点にしてグリンとクロエにも集まってもらってはどうか?とユリアたちに相談する。
リアスにもその話をすると「お友達ふえるのうれしい」と笑顔で言っていたので、その方向でグリンとクロエにも話してみることにした。
遺跡のすぐ近くをダンジョンワープに保存すると、クロエ、グリンの順でその話をするため移動する。2人とも快諾し、すぐに移動すると言ってくれた。
話しが終わるとすでに夕刻前。
帰還札で戻るとギルドには寄らずに帰宅する。
そして夜には甘い香りにつつまれ歌って眠る。
そんな充実した今日が終わってゆく。
◆◇◆◇◆
翌朝、ユリアは遺跡から出た素材を持ってヘパイトスさんのところへ向かった。
残された僕たちは、ギルドで魔石以外の素材を換金しておいた。なんだかんだで現金が白金貨数枚分ぐらいしかない。困ることはないだろうがやはり少し金策をした方が良いのかもしれない。何かがあってからでは遅いのだ。
そう思ってクロエのところで入手した糸を1巻きも追加で出してみる。
目の色を変え「どこでこんなものを!」とおじさんに激しく迫られた後、「検証次第ではもっと出すがいいのか?」と言われつつ金貨10枚で5巻きほど換金した。
まだ2巻きほど残っているし、当面は金貨50枚もあれば困ることはないだろう。クロエに布地を作ってもらえばもっと高額で買い取ってもらえるかもしれない。
その後は畑を軽く見回りをしてからヘパイトスさんのところを訪ねてみる。ヘパイトスさんにもクロエの糸を渡しておきたかったからだ。ユリアに持たせておけばよかったと少し後悔。
だが様子を見てみたかったこともあり、みんなで尋ね糸を渡すと、ヘパイトスさんも解体のおじさんと同じように驚いていた。もう少し欲しいと言っていたので、後でクロエに頼んでおこう。
それにしても倉庫にある細長い球体のような形の物体は、いつになったら完成するのだろうか?
その物体を見ていると、ユリアがバッグから何かを取り出した。
「兄ぃ、とりあえずこれ」
そう言って出された長剣と短剣を受け取るが、どう見ても昨日まで使っていた物より良いものに見える。
「これ、なんか凄そうな奴じゃない?」
「ふふーん!そうでしょそうでしょ!」
作ったのはヘパイトスさんだろうに、なぜかユリアが得意げにそれなりな胸を張っている。
「そりゃ、あんなもん見せられたらな!急遽手持ちの奴に取り込んじまったよ!また取ってきてくれるんだろ?」
「もちろんです。ありがとうございます」
なるほど、黒い刃がうっすらと青く光っている。少なくともミスリルは使っているのだろう。
「それは粗悪品ではあるが、暫くはゴーレムを切る程度ならなんとかなるだろう。その内もっとちゃんとしたの作ってやるからな!」
「いつもホントにありがとうございます!」
今はこれで十分だが、もっとすごい武器を作ってくれるという言葉に、少し興奮してしまう。
早速手持ちのそれを使うべく「じゃあ遺跡へ行こうか!」と切り出すが、ユリアは「ちょっと待ってくれるかな!焦りは禁物だぜ!」と芝何か居がかった声で僕を止める。
まだ何かあるの?お兄ちゃん早く試し切りしたいんだけど?
そう思いつつもユリアのバッグから出てくる何かを見守った。
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なぞの遺跡の入り口
ストーンゴーレム、メタルゴーレム、ミスリルゴーレム、アダマンタイトゴーレム、オリハルコンゴーレム。それぞれ石炭、鉄、ミスリル、アダマンタイト、オリハルコンの塊を落とす。石炭は20cmほどでオリハルコンは5cmほどと徐々に小さな塊になっている。各部屋5体づつ出現し、24時間後に再び出現する。
アダマンタイトゴーレムは[物理耐性/Max]、オリハルコンゴーレムは[魔力防壁/Max]
混合魔剣[土属性付与<攻撃力強化・中>]/混合短剣[風属性付与<速強化・中>]
ヘパイトス作の長剣と短剣。それぞれミスリルとアダマンタイト、オリハルコンを贅沢に使用して属性付与を施した逸品。だがあり合わせの剣に数時間で付与したため、まだまだ粗悪品だとヘパイトスは語る。
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