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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第四章 アレス、王都での楽しき日々

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46 クラウにも、何か譲渡してみたいんだよね

腹ペコなままシャワーを浴びてバスルームを出る。


するとリーゼがすぐに僕の手を握り「早く!」と急かすので「ああスキルの事か」と思い当たり、[突く]を全て譲渡する。リーゼが「あっ、うう、はぁっ」と悶えていたのでドキドキしてしまうのは仕方ないと思う。


その後、落ち着きを取り戻したリーゼは[突く]がLv3なっているのを確認すると、また飛び跳ねながら喜んでいた。その顔はまだ赤みを帯びていた。

そして僕は、また少し落ち込んでいるクラウが座るベッドの隣に腰掛け、帰り道で考えていたことを伝える。


「クラウ、僕は明日から時間がある時は迷宮に行くから、クラウとリーゼは別行動で風見の塔へ行って、土蜥蜴を狩りまくってきてよ。クラウにも、何か譲渡してみたいんだよね」

「アレス!」

思いっきり抱きつかれ、そのまま押し倒された。


ベッドの上なのでいつも以上にドキドキしてしまう。

リーゼは珍しく空気を読んで突撃はしてこなかった。すぐ近くに腰掛け、クラウの頭を撫でている。この後どうしたら良いだろうと思案してた頃、リーゼのお腹が可愛く鳴った。


ナイスタイミングと思って「ご飯食べに行こうか」と言うとクラウも体を離し、身なりを整えだした。


その後は、焼肉店でお腹を満たし、シャワーを浴びてから歌って眠るといういつもの流れとなった。


◆◇◆◇◆


翌日、オークションのお金が僕のギルド口座に振り込まれる予定なので、冒険者ギルドに確認に出向く。するとヘルベットさんという、いつもリオールさんの隣にいた女性に、ギルマスからお呼びがかかっていることを告げられる。

ちなみにリオールさんは今日はお休みのようだ。


僕たちは黒髪がゆれるスレンダーボディなヘルベットさんに連れられ、3階まで歩いてゆく。目の前の引き締まったお尻に目が行くが、サイドからのプレッシャーを感じて慌てて目をそらす。

そして目線を上げると、その背中がガバリと開いた独自の制服から覗く素肌にまたドキドキしてしまう。僕の外殻は全損した。


「何をやってるんですか…」

ヘルベットさんが振り返り、脇腹をガシガシ肘で叩かれている僕を見て、そう小さくつぶやいた。


そんなこんなでたどり着いた大きな部屋。

見目麗しいエルフのミューズさんと早くも2度目の再会となる。


入ってくるなり挨拶もそこそこに、僕をジロジロとみるミューズさん。少ししてリーゼとクラウを見る。そしてリーゼを2度見してからため息をつく。


「詳しくはレグザリオから聞いてくださいね」

そう言うとミューズさんは室内の横にある扉から出ていってしまった。


「これをお前と、2人にも渡しておこうと思ってな」

そう言ってギルマスのレグザリオさんからブレスレットのような物を手渡された。僕のは紫の石が嵌まっている。リーゼは青の石、クラウは赤の石が嵌まっている。


「盗賊に剣士、魔法使い用の偽装用魔道具だ…ミューズからは自分が退室したら3人に、残った場合はアレスだけに渡すように言われている。この意味が分かるな?」

「えっ、何が…あっ!うーん、そう、ですか…」


考えつかなかったわけでは無い。エルフ種の女性は鑑定眼を持っていることも多いと聞くし、どうやら僕と、ついでにリーゼが突然獲得した[突く]のLv3スキルに、僕の能力と、スキルの譲渡が行われることが分かったのだろう。

と言うか僕の方に[譲渡]スキルあるしね…なんでこれだけ分かりやすい名前なのか…


詳しく聞くとその魔道具は、それぞれの職業の今のレベルに合致したステータスに書き換えて偽装してくれる、かなり高度な偽装用魔道具だと言う。少なくとも護衛任務が終わるまでは付けていろとのこと。


そして皇太子殿下の護衛任務の詳しい日程などを確認する。


護衛任務は年明け5日から、期間は2週間。

殿下を含むパーティで魔の森の中層でギリギリ戦えるぐらいになるように、殿下を育て上げれば100点満点とのこと。僕たちだけが特出した動きでなければという条件付きだ。


つまり殿下の強さに合わせる形で戦い、中層でギリ何とか戦えるレベルまで経験を積ませると…聖剣士の殿下ならレベル30ぐらいまで引き上げることができれば、可能であろうと言う。


基本は殿下や聖騎兵の指示に従って、パーティ役を務めればよいとのこと。

失敗しても殿下が大けがしなければ大丈夫だと言うが、もし大けがしてしまったら?という質問には「そりゃお前…」と苦笑いされるだけだった。殿下だけは絶対に守り抜かなきゃならないようだ。

まあ当然と言えは当然だろう。皇太子殿下だし…


その後、無事にオークションのお金が入金されているのを確認する。

気を聞かせてなのか、僕の個人口座ではなく、パーティ口座の方に振り込まれていた。手数料の1割を引いた49,500,000ロズ、白金貨49枚と金貨50枚分の金額に、桁が多くてちょっと震えた。


そして移動した魔道具店で、予約しておいたハイレベル魔法のバッグ(時間停止、対物・対魔効果大の付与付き)を購入した。

お値段なんと白金貨40枚。普通では絶対買えない高額魔道具だ。


容量は20立方メートルで時間の完全停止に加え、対物・対魔の効果大が付与されているので、シンプルな黒い見た目にも拘わらず、ドラゴンブレスでも燃えず、剣聖の剣の一撃ですら受け止めることができると説明書きにあった。

本当かどうかはわからないが、これなら軽鎧やローブの裏側に取り付けできるように、調整してもらえば防御力アップにもなるぐらいの代物だ。誰が持つかで譲り合いとなったが、結局僕が付けることとなった。


軽鎧のベルトに挟み込む器具を付け、脇腹あたりを守るように装着した。これならあまり邪魔にもならないし、若干の遊びをもたせてあるので、取り出しにくいという事もないだろう。


他にもリーゼとクラウの着ている対物・対魔インナー(軽)を上下2セットで予備として追加購入。もちろん僕用にも3セット購入。その他、野営等に必要な細々したもの、衣類、軟膏などの消耗品、帰還札などを買い込んだ。

2人と相談し、あまり一気に散財しても良くないし、いずれはパーティホームなんて夢も考え、まずはじっくりレベルを上げてお金も貯めていこうという話になった。


そして早めの昼食を終え、予定通りに2人と別れ、僕は迷宮へ向かった。


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ヘルベット

黒く長い髪とスレンダーなボディで冒険者たちからの人気も高い王都の冒険者ギルドの受付嬢。引き締まったお尻と背中がガバリと開いた独自に改良された冒険者ギルドの制服に魅了される者も多い。独身で恋人募集中と言っているが、冒険者からの食事のお誘いなどに応じたことは無い。


偽証のブレスレット

紫の石が嵌まっているのは盗賊版。青い石は剣士版で赤い石は魔法使い版。それぞれの職業の今のレベルに合致したステータスに書き換えて偽装してくれる、かなり高度な偽装用魔道具。お値段時価で白金貨が数枚程度。


ハイレベル魔法のバッグ(時間停止、対物・対魔効果大の付与付き)

白金貨40枚。容量は20立方メートルで時間の完全停止に加え、対物・対魔の効果大が付与。シンプルな黒い見た目でドラゴンブレスでも燃えず、剣聖の剣の一撃ですら受け止めることができるらしい。

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