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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第三章 アレスの新たなる力

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25 多分大丈夫だから気楽にいこうよ

翌日から僕たち3人は迷宮で狩りまくった。

思う存分狩りまくった。


必然的に11階層から進むため、オーガやハイオークなども2人がバシバシ倒してゆく。新装備もかなり良い感じの様だ。

それに伴いいくつかのスキル玉も勝手に増えて行く。


すでにリーゼとクラウもスキル玉などが出ても事後報告になっている。なのでぼーっとしていると脳内アナウンスを聞き逃し、能力板(スキルボード)を出して初めてどれが上がったかを確認できる状態だった。


毎日行けるところまで行っては帰還札で帰ってくる。

それでも毎日金貨15枚づつ以上は稼げてしまう。

気付けば4日ほどそんなサイクルを繰り返していた。


現在最高到達は19階層。

途中のゴブリン村については17階層と19階層のいずれも他の冒険者に取られてしまったようで、2度目の討伐の機会は来ていない。さすがにみんなリポップを待って討伐しているようだ。

逆に前回はなぜ普通に狩れたのか不思議なぐらいだ。


そして週が明け、いよいよ今週末には王都へ行かなくてはいけない。

今回は久しぶりに1泊していよいよボス部屋に挑む。


その為、貯めたお金で魔法の袋を1個づつ購入、さらに脛当て、肘当て、それなりに良い軽鎧を購入した。リーゼも同じ程度、クラウは防御耐性のある耐物ローブを購入してあり、準備は万全だ。


初日でサクッと19階層と20階層を繋ぐ階段までたどり着く。

いよいよ明日は本番だ。


「明日で攻略できるといいね」

「そうですね。今回できないと次は王都から戻ってになりますから、なんとしても!ですよね」

リーゼとクラウが夕飯を食べながら話をしている。


今回無理ならまた少しレベル上げもしておきたい。

オークションは週末の聖の日だ。

そうなると王都に2日前には出発するため3日後の風の日には出たい。その為には明日攻略して明後日は準備して、と言うのが理想だろう。最悪もう一泊してそのまま翌日には道すがら準備して出発、なんてことも考えてはいるが…


「そうだね。でも無理はしないようにね。駄目なら王都に行ってから戻っても良いわけだし…まっ、多分大丈夫だから気楽にいこうよ」

「気楽に行こー」

「そうですね。でもやっぱり、攻略は終わらせておきたいですし、アレスがそう言うなら大丈夫そうですね。アレスの事は、信頼していますから…」

そう言って僕を見つめてくるクラウ。


「うんうん。アレス、信頼してる」

面白がってなのか串肉を頬張りながらそう言うリーゼ。


ここ数日、2人からこういった言葉を多く投げかけられる。信頼してくれているのだと嬉しくもあるが、ドキドキしてしまう時もあるので困ってしまう。2人の信頼を損なわない様、自分を律しておかないとね。


話をしながらも夕飯を流し込み、寝る準備をする。

いつもの様に僕は毛布に包まれ2人をチラ見しならがら、明日の事を考えワクワクした心をなんとか落ち着かせていた。


その後も問題は何も無く交代となり眠りにつくと、あっという間に朝となり2人に揺り起こされ幸せな目覚めを迎える。

いざ、決戦の時だ!


凝り固まった体をほぐしながら朝食を軽く済ませると、20階層をボス部屋一直線で進む3人。

さらに強くなっているはずの魔物達も、パワーアップした僕たちにはなすすべなく倒されてゆく。そして1時間もしないうちにたどり着いてしまう。

一応一直線に来たけれど、さすがに飛ばし過ぎたのかすでに半分まで減ってしまった僕とクラウの魔力。


どうしようか相談するが、結局とどまっても魔物は集まってくるため、このまま一気にボス部屋に殴り込むことになった。


「じゃあ、たまに竜巻を起こしてくるから、それだけは気を付けてね。3匹とも同じように鳥爪(ちょうそう)を向けて突っ込んできたりもするけど…多分それはそれほど脅威ではないよ…きっと」


ザックさん達の戦いを一度見ていた僕は、2人に軽く説明する。

特に僕たちは火力ではかなり高い方だと思っている。多分このボス部屋も軽々突破できる強さだと思うけど、油断しすぎは良くないだろう。


「よし!行こう!」

僕の合図とともにボス部屋の扉を3人で開け放った。


僕たちが扉を抜けるとガコンという音と共に扉が閉まった。

中は薄暗いが、部屋の壁自体が薄く光を放ち始め中央の床には魔方陣が光り始める。一度見ている光景だがやはり緊張もするが、幻想的にも見える光景に見とれてしまう気持ちが大きい。


2人からは「おお」と少し興奮した声が漏れ聞こえてくる。


「リーゼは真ん中を、クラウは右で」

「りょーかい!」

「分かりました!」


そして僕は左に湧き出たリトルワイバーンを目掛け[カマイタチ]を連発させた。

クラウも同じようにリトルワイバーンに杖でパワーアップした[火炎]を矢のような形状にして、無数の火の雨を降らせた。


予想通りではあるが、僕の狙ったリトルワイバーンは胴と首が裂けピクリとも動かなくなった。

クラウの方は、首に集中させた火の矢により、床にぐったりとしているリトルワイバーンから、香ばしい匂いが漂ってきていた。

そして、中央のワイバーンはすでにリーゼにより両翼が切断されており、最後のとどめとばかりに首がスパンと刎ねられていた。


僕の方とリーゼの方に浮かぶスキル玉。

僕がつんすると、結局今回は見ることのできなかった[竜巻]スキルを得ることができた。[カマイタチ]と被ってしまっている。そしてリーゼもつんすると、さらに[竜巻]を獲得してLv2になってしまった。


[竜巻/Lv2/暴風の渦を操る力]


2人にもその結果を話すと、まあそうだよねと言う驚きの無い感想であった。とは言え無事圧勝することができ、安堵のため息をつく。

目の前のワイバーンとリトルワイバーンたちを解体し、魔石と大きめの肉、両翼にある翼の先の風魔法発生器官を切り取ってゆく。大きさはあるが慣れに任せてサクサク解体してゆく。

肉はかなり大量に取れたし、特にワイバーンの方のお肉は美味しいらしいので、少し確保して食堂に持ち込み今夜の祝杯に堪能したいと思っている。


リーゼは全部確保してちょっとづつ食べようと言っているが、それほど日持ちもしないので、すぐに食べれる量にした方が美味しく頂けると言っておいた。一度冷凍すると味が落ちるのだ。

お店では当然時間停止の箱か何かに保管されているようで、とろけるような味を何時でも堪能できる反面、金貨が数枚飛んでゆく。だが今回は3人がお腹いっぱい食べる量は確保できるだろう。

今から楽しみすぎて仕方がない。


本当は戻って[竜巻]の効果を確認したいのだが、リーゼの早く帰ろうオーラには勝てなかった。なにより僕も早く帰って食らいたい気持ちが強かったからでもある。

一応1度使って部屋内に吹き荒れる風の渦を体感し、消費魔力が10と多めなため使い道は無いのでは?と思ってしまうが、後々ちゃんと検証が必要だと感じた。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv44

体力140 魔力180 外殻120

力31 硬15 速10 魔21

――――――

Up [睨む/Lv3+2/恐怖を与える威圧の瞳]

Up [毒棘/Lv3+1/毒棘を飛ばす]

Up [岩の盾/Lv3+1/固い岩の盾を生成する]

Up [残像/Lv3+2/一時の残像を残す]

New [竜巻/Lv2/暴風の渦を操る力]

――――――


------------------------------------------------------------

モレノの迷宮/20階層 ボス部屋

召喚されるのはワイバーンとリトルワイバーンが2匹。大きさの違いはあれど、どちらも固有スキルの[竜巻]を使い強力な風の渦により裂傷を起こす。怯んだところで鳥爪(ちょうそう)を向けて突っ込んでくる。

素材はどちらも魔石とお肉、両翼にある翼の先の風魔法発生器官。お肉は高値で買い取りされる。


曜日についておさらい

(つき)の日、()の日、(みず)の日、(かぜ)の日、(つち)の日、(ひかり)の日、(せい)の日。

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