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104 お前の鼻が役に立つからだ!

王都の冒険者ギルドでギルドマスターの執務室に呼ばれた僕たち。


目の前にはギルド本部会長のエルフ、ミューズ・ノルドオバストさんとギルドマスターのレグザリオさん


「早速だが、ギンとやら…なんで戻ってきた」

「あーはい…えっ?いや、えっ?」

戻ってきたって何?まさか仮面の偽装が効かない?


ユリアの方も見てみるが、フルフルと頭を横に振っている。


ミューズさんは深いため息をついていた。


「安心しろ。どこぞに報告なんぞしたりはせん」

「その、なんで…」

ミューズさんは、またため息をついている。


「お前らぐらいの年端も行かぬ冒険者があれだけの数を狩ってきたのだ。人目を引くというもの…それがおかしな仮面をつけた3人組を含むというのだから…盗賊に剣士に魔法使い…隠す気があるのか?」

「あーなるほど!」

思わず納得したのかユリアが感嘆の声をあげた。


「あーじゃないよユリア…」

ため息まじりの僕の言葉にユリアが舌を出す。「てへぺろ」って何?


「お前らが王都に来ることは警戒はしていた。ローラを呼びよせたのはそのためだったしな」

「へっ?私の転勤、そう言う理由だったんですか?」

「そうだ。他に何がある?アレスが来たら教えてくれと言っておいたのは、お前の鼻が役に立つからだ!」

「そんな…」

ミューズさんの言葉にローラさんが崩れ落ち膝をついていた。実績による栄転ではなかったようだ。


「確かにアレスちゃんの事はすぐに分かったけど…ひどいです…」

獣人族の嗅覚やばい。どうやら仮面も無意味だったようだ。


「さっきも言ったがこの件はこの部屋内の秘匿だ。ローラも分かっているな」

「それはもちろんです!」

ローラさんがビッと立ち上がり返答する。


「と言うわけで、その珍妙な仮面、外したらどうだ?」

「えっ?珍妙?」

ミューズさんの言葉にユリアが反応した。


そして僕は仮面を外す。


「ぐおっ!」

ミューズさんが目を押さえ後ろにひっくり返る。


「おい!大丈夫かよ!」

ここまで無言だったギルマス、レグザリオさんが慌ててミューズさんを助け起こす。


「とんでもないスキルを保持しおって…それに、お前は精霊様の加護まで貰っているのか!ああそうか、精霊眼まで持っているのか…もう何でもありだな…」

段々と声が小さくなってくるミューズさん。


結局、僕の事はギルド職員内の秘匿として扱われるそうだが、僕たち仮面の3人は絶対に仮面を外すなと厳命された。本当は他の4人も仮面をしてほしいとさえ言われた。

他の4人のスキルだけでも異常な状況で、Lv2の鑑定持ちならスキルまで判別するのでばれてしまうと言う。とりあえずは僕たちが使っていたブレスレットを付けてもらうが、当然1つ足りなかった。

ミューズさんが机を漁り、戦士クラス用のが出てきたのでそれをユリアが受け取っていた。カロナは魔法使い、セシリは剣士、サリアは盗賊の偽装ブレスレットを装着することになった。


この後、執務室を出た僕たちは、ローラさんの手引きにより、リオールさんとヘルベットさんを加えた総勢10名で仕事終わりに焼肉を、となった。2人も小声で再会を喜んでくれたのが嬉しかった。


一度ギルドを出ると宿を確保しておく。

王都中央の宿・ユルレイパレスで最上階のスイートをユリアが2週間借りる。なんでも大迷宮には2週間は入りびたる予定らしい。そしてシャワーを浴びたら焼肉タイムだ。


持ち込み可能な焼肉店『焼肉のバハムート』で、確保しておいたグリーンエルクの肉を堪能する。王都から戻る前には乱獲して確保しておきたい美味しさだった。


受付の3人は最後には酒盛りが始まり絡まれたが、カロナが「アレスちゃんはわたくしの婚約者でしてよ!」と公爵令嬢の圧力を見せつけると、酔いも覚めたようで大人しくなった。


結局日付を跨いだ深夜、宿に戻っていつもの様に眠りについた。


◆◇◆◇◆


翌日、早速大迷宮へと足を運ぶ。

ギルドのカウンターには、寝不足で疲れ切った様子の3人がいたが、軽く挨拶をかわし奥へと進んだ。


「そう言えば、30階層のダンジョンワープはひとつしかなかったな。クラウ、4人をこれで連れてってよ。僕はリーゼと20階層からそこまで向かうから…」

そう言って大迷宮用の30階層の記録しているダンジョンワープを渡す。


クラウ達がダンジョンワープで転移するのを見送ると、僕とリーゼで20階層後の休憩スポットに転移して30階層まで一気にすすむ。進んでいる間に何度か、スキル獲得のお知らせが脳内に響いたのであっちも狩りを始めたのだろう。


20分ほどで合流し、さらに先、31階層へと進んだ。

途中でレイスにMaxとなった[回復]を放つと、破裂するように消え、[隠蔽]のスキル玉が出ることが分かった。道すがらではあるが3体ほど倒し2つゲットした。

体力の特に少ないカロナとサリアに[譲渡]しておこうと思った。まあ決めるのはユリアとクラウだが…


31階層からはゴツゴツした岩の洞窟のような歪な構造になっている。出現する魔物は守り亀、大口袋、ビッグモウル、フラッシュカメレオン、オークとのこと。


今回の目的は亀を狩ることだが魔石も大量に集めたい。新しい魔物を存分に狩りたいと思っている。


このぐらいの階層なら大丈夫だろう。そう思って仮面組はソロで、他の4人はそれぞれ主従な組み合わせを決めた。以前と同じようにそれぞれスキル玉をつんする前に狩った魔物を教えてもらうように伝え、狩りを始める。


この階層もどんなスキルが出るのか楽しみだ。


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王都の大迷宮・ユルレイヒル大迷宮 [21~30階層]

レイス

時折、天井近くをふわふわ浮かぶ白っぽい半透明の球体。顔などはない。スキルなどの干渉が出来ないが基本無害。聖魔法での攻撃が有効で、[回復]程度のスキルだと逆にその魔力をチューチュー吸い取られてスッと消えてしまう。固有スキルは[隠蔽]と[吸収]素材は魔石のみ。


王都の大迷宮・ユルレイヒル大迷宮 [31~40階層]

ゴツゴツした岩の洞窟のような歪な構造になっている。出現する魔物は守り亀、大口袋、ビッグモウル、フラッシュカメレオン、オーク。40階層を抜けると休憩スポットがある。

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