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101 ちょっとレベル上げてくるね、お兄ちゃん!

ユリアがバッグから取り出した何かを右手に持ち掲げる。


「じゃじゃーん!偽装用仮面ー!」

満足げにそう叫んだユリアは、僕とリーゼとクラウにそれを手渡してきた。


「これは?」

目の部分に装着する様な銀の仮面。リーゼには薄い水色、クラウには桃色の仮面が手渡され困惑気味だった。


「早速付けて!」とユリアが急かすので、不本意ながらも装着する。眼を覆うように装着すると、ぴたっと吸い付く様に馴染み固定される。視界も十分に確保されなんら支障は無いようだ。見た目だけを我慢するのなら…


「うん!大丈夫!」

「何が?」

同じように装着したリーゼとクラウを眺め。ユリアが満足げにうなずいていた。


「兄ぃたちの偽装用の仮面だよ。外そうと思えばすぐに外れるけど、王都に行くなら付けた方が良いと思って!」

「ああ、偽装用ね。でも王都には暫く行かないよ?少なくとも僕たち3人は…」

「ちょっと王都に用があるんだよね。ついでに大迷宮で採ってもらいたい素材もあるし…後はついでにオーガキングとか、キングトロールとか、レッドバッファローとか?できれば狩っちゃえればなって…」

「なるほど。でも偽装用ならこれあるけど?」


そう言って腕にいつも付けている偽装用のブレスレットを見せる。

大迷宮は確かにまた行っておきたい。今ならカロナもいるし稀な遭遇も稀じゃないのだろう。だけど偽装も鑑定スキルが高いと看破されちゃうし、できればもめごとは起こしたくない。


「その仮面、機能はそれと同じだけど私の[鑑定]でも見破れないよ?」

「えっ!ユリア、こないだLv4になったよね?」

「うん。[鑑定]のレベルマックスなんてまずいないだろうから、実質それがあればスキルとかバレないよ」

「なるほど、それなら王都も行っておきたいかな?」


そう言いつつも仮面を外す。

ここでなら必要は無いはずだ。


クラウもさっと外してバッグへしまっている。リーゼは…何かよくわからないポーズを取っている。それに便乗してユリアが色々なポーズを教え出していた。「へーんしん!」って何に変身するんだ?


「とりあえず、遺跡、そろそろ行くんだよね?」

「うーん、私はちょっと準備があるから、暫く止めとくかな?」

「分かった。じゃあユリア以外で行ってみようか。と言っても今日のところは行って帰ってくるだけになりそうだけど……リーゼはそろそろ仮面外しとこうか?」


こうしてヘパイトスさんの工房を出てて森に入り転移する。

すでにグリンとクロエも合流していたようで、3種の魔物が入り乱れ一瞬身構えてしまった。


「にーたん!」

僕に気付いてトテトテと大木から離れ歩いてくるリアスを抱きしめる。癒され身が凄い。


「アレスちゃん、待ってたわ」

「お兄ちゃん、おかえり!」

2人も傍までやってきた。


「これから遺跡に入るけど、何も問題なかった?」

急に合流したから種族間の違いがありそうで一応確認しておく。


「何も問題はなし、と言いたいけどちょっと問題があるわ」

クロエにそう言われ何があったのか不安になるが、すぐに遺跡へと促されたので「ああ、遺跡についてだったのか」と安堵しつつ中へと入る。中にはアラクネが何体か居座っていた。


そんな遺跡内部にクロエを先頭に、僕たちとグリン、そしてリアスはセシリに抱かれ着いてきている。

歩いている途中で「そう言えば」と石炭と鉄の塊をクロエから受け取った。この空間にもゴーレムは居ないし、すでにメタルゴーレムまでは倒したということなのだろう。


そして2つの空間を素通りした後、ミスリルゴーレムがアラクネたちにより糸でぐるぐる巻きにされて放置されている光景に驚いた。


「ここまでは何とかなったんだけど、さすがにここからはお姉ちゃんもグリンも倒せなくって。全部簀巻で放置しておいたのよ」

「なるほど。じゃあ、ちゃっちゃと倒して…」


僕が一歩前にでると、それをクラウに止められる。


「アレス、ここはクロエかグリンに任せるべきでは?」

「でも、倒せなかったんだよね?」

「リーゼ、剣をグリンに貸してもらって良いですか?」

「ああ、なるほど」

僕は納得したが、リーゼは訳が分からないという感じではあったが魔剣をグリンに渡していた。


「えい!」

そう言って蔦で剣を振り回しミスリルゴーレムにたたきつけると、難なく突き刺さり倒すことができたようだ。ただ、ドロップしたはずのミスリルの塊が糸にまみれてしまっている。


早速[火炎]で糸を焼くが、この方法にも問題がありそうだ。


「うーん。糸を燃やすために何か魔道具が必要のようですね」

「そうだね。でもそれができればグリンたちに任せることもできそうだ…あっ、リーゼはちょっと待っててね。ちゃんと返してもらうから」

「う、うん。分かってる」

僕とグリンに視線を彷徨わせていたリーゼにそう伝え、優しく撫でておく。


続くアダマンタイトゴーレムについては魔剣が刺さらなかった。これは物理ではだめそうだと思い[火炎]を連射して倒し切った。

オリハルコンゴーレムについては、リアスに[植育]を掛けてもらったグリンなら、何とか魔剣で倒せるようだ。これを踏まえてヘパイトスさんに相談しようと思った。


その後、魔剣がリーゼの元に帰ってくるやいなや、愛おしそうに頬ずりをしているリーゼが可愛かった。


そのまま遺跡を出ると、グリンとクロエは「ちょっとレベル上げてくるね、お兄ちゃん!」「お姉ちゃんもレベル上げてくるわね!」と飛び出して行ってしまった。


取り残されたリアスを可愛がった後、帰還札で村へと戻りヘパイトスさんの工房へと足を運んだ。


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偽装の仮面

銀は盗賊クラス、水色は剣士クラス、桃色は魔法使いクラスのレベルに見合ったスキルのみ表示される偽装用魔道具。理論上は[鑑定]レベルがマックスでも看破されないほどの偽装が付与されている。仮面の右端部分の吸収口から、屑魔石1つで半日程度稼働が可能。最大3日分の魔石を吸収できる。

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