15 れいかのおじいちゃん
土曜日の朝、れいかが飛ぶようにして、めぐみ先生のところにやってきました。
「先生、スマホのさがす方法がわかったじゃ」
れいかのパパの話によると、まず落とし物をしたら、警察に「遺失届」というものを提出するというのです。それはオンラインでもできます。
でも、先生の場合には、本人ではないので、「遺失届出証明書」を提出しなければならなくて、そのためには委任状というものが必要です。委任状はオンラインでダウンロードできます、でも、申し込むためには、警察署の窓口に行かなくてはならないのです。
そんなこと、知らなかったわ。
めぐみ先生はすぐに書類を用意しようと思いました。
今度、平日に時間ができたら、町の警察署に提出に行く予定です。
「先生、明日は山にいくんですか」
「そのつもりですけど」
「先生、あした町の警察署に行きませんか。早いほうがいいじゃ」
「でも、明日は日曜日だから、警察はお休みでしょう」
「大丈夫」とれいかがほほえみみました。
「休みでも、おじいちゃんがいるから、大丈夫」
「でも、そういうのはよくないわ」
めぐみ先生がためらいました。
「おじいちゃんの助けがなくては、見つからないんじゃ」
「どうして」
「調べてみたら、遺失届けはなくしてから2週間以内に届けなくっちゃならないんじゃ。先生のスマホはもう3年もたっているんだから。でも、おじいちゃんなら、何とかしてくれます」
というわけで、めぐみ先生ととれいかは電車にのって、町の警察署にやってきたのです。
れいかのおじいちゃんは本部長室にいました。
おじいちゃんは畑野与太郎本部長といい、とても貫禄のある人です。
こんな偉い人にスマホを捜してもらってよいのかしらとめぐみ先生はびびりました。
「わざわざ日曜日に出勤していただいて、すみません」とめぐみ先生があやまりました。
「いやいや、気にしないでください。忘れものを取りにきたついでですから」と本部長が言って、れいかの頭をやさしくなでました。
「休みにうちにいてごろごろしていると、ばあさんにじゃまもの扱いされるんじゃもんな」
「それ、本当じゃね」とれいかです。
本部長がフレンドリーな人のようなので、めくみ先生はほっとしました。
「先生、あのスマホの写真とメッセージをおじいちゃんに見せてください」とれいか頼みました。あの前日に、宿から撮った満月の写真と、よく朝届いた「みつかった。こうご期待」のあのメッセージです。




