第66話 炎上が止まらない
5階層は遺跡だった。
いや今もゴブリン達が使っているから住居が正しいのかな。
敵は、重武装したゴブリンナイト。
と言っても革の鎧だから高が知れている。
叩くと一撃でミンチになった。
こういう敵は楽でいい。
槍や剣や斧を持った奴も出てきたが、みんな一発だ。
【元気だな】
【メンタルが強いんだろ】
【祭り再開かな】
「お前ら、法を犯した奴はもれなく告訴するから。震えて眠れ」
【かっこつけやがって】
【おっさんをへこますのは無理だと思われ】
【何となく悔しい】
【儲かるのは弁護士】
【民事で負けたら裁判費用請求されるんだぜ】
【俺は大丈夫】
【訴えるって本当】
【昔からみているが、おっさんは容赦しないぜ】
【俺、困るんだけど】
【なにやった?】
【ピザを頼んだ】
【終わったな】
攻略は進みボス部屋に入った。
ボスはゴブリンヘビィナイトだった。
重くなってどうするんだ。
笑っちまうぜ。
一撃には耐えたが、五撃で沈んだ。
【くそう。おっさん、いなくならないかな】
【無理だな】
【俺、訴状が届いた】
【匿名で攻撃するのは基本】
【お前の所にもきっと行く】
【隠していたが届いた】
さて、俊介君へのメッセージだ。
CMで呼び掛けるのを考えた。
さてどんなメッセージにしよう。
そうだ、俊介君との出会いを短い物語にしよう。
いじめっ子から命令されてダンジョンに入る、そこを俺がぶっ叩く。
最後に私書箱を伝えて終わりだ。
私書箱は弥衣に教わった。
住所を配信で言うなんて馬鹿よと。
すまん馬鹿なんだ。
CM以外にもなんかやるか。
弥衣は修の虐め動画を全て保存した。
拡散すると聞いてきたのでやらないと言った。
俊介君が見て辛くなるだろうと。
俺は逆に修の虐め動画の削除を訴えた。
事を重く見た動画サイトは修のアカウントを凍結。
まあそれぐらいでは懲りないだろうけど。
俺はケットシーとコボルトの子供達を、俊介君の家に向かわせた。
ケットシーとコボルトの子供達が家の前で「俊介君、遊びましょ!」と声を上げた。
手にはサッカーボールを持っている。
2階のカーテンが動いて閉められた。
あそこが俊介君の部屋か。
ケットシーとコボルトの子供達には毎日行くように頼んだ。
叩いて叩きまくるだけだ。
子供を使うなんて実に悪逆非道だろ。
急ごしらえのCGのCMが流れるのをテレビで見る。
枠が抑えてあればテレビCMは当日でも差し替え可能。
まあ無理を言ったから、番組へ協賛金とか出さないといけないけど。
手紙をチェックする。
俊介君からの手紙はない。
脅迫状ならいくつかあったので、そちらは警察に通報することにした。
うん、俊介君がしてほしいことは何なのか考えることにした。
虐めのない学校に通いたいだろうな。
なら俺が私立に通わせてやろう。
ただ本人のリアクションが何かない事には始まらない。
弥衣に頼んで、私立の小学校のパンフレットを取り寄せてもらった。
とりあえずは、こんな感じでいいかな。
相変わらずSNSと動画サイトは炎上している。
ただ、CMを見た人の中には、これが事実ならおっさんにも情状酌量の余地はあると言った意見が出た。
俺はCMの内容に変更を加えるように依頼した。
逃げてもいいんだよと逃げるのなら手伝ってやるよとメッセージを付け加えた。
俊介君の心に届くだろうか。
今日、アダマンタイトの鉄パイプができ上がった。
少し心が晴れた。
丸太に括り付けたタイヤに向かって鉄パイプを打ち付ける。
何度も打ち付けるとタイヤがバラバラになってしまった。
ストレスの発散に叩くのは実にいい。
その様子をカメラで撮影した奴がいる。
そしてこうコメントを付けくわえた。
このパワーで子供を殴るのは絶対に間違っていると。
ますます俺のSNSはますます炎上した。
人を勝手に撮影した馬鹿は訴えてやろう。
だが少し考えればわかる。
あのパワーで殴ったら歯の数本。
いや頭蓋骨にひびが入るだろうと。
あの時は限りなく手加減したんだよ。
でも結果は吹っ飛んだ。
手加減の練習もしないといけないようだ。
明日からタイヤを壊さないで叩く練習をしよう。




