第65話 事情が判明
今の子供を殴った件でやるべきことはない。
暴行で訴えられたら大人しく従うだけだ。
噛みつかれたぐらいで頭に血が上った俺が悪い。
やれることをしよう。
ゴブリンのゴミ捨て場4階層。
そこは遺跡が乱立する森だった。
【よう体罰野郎】
【DV男】
【俺なら恥ずかしくて、配信なんかできない】
「この場を借りて子供には謝罪したい」
【場を借りてないじゃん。お前の配信だろ。低脳】
【おう、大変なことになっているな。まあ頑張れ】
アンチコメントが溢れ、コメントの99%はそれだった。
悪を貫くなら、目障りな子供を叩いて何が悪いぐらい言いそうだが、それはさすがに不味いだろ。
今日はコメントを見る気力が湧かない。
弥衣に頼みスマホのコメント表示を切って貰った。
このモヤモヤをゴブリンにぶつけるぞ。
出てきたゴブリンは少しガタイの良い奴だった。
「ゴブリンエリートよ」
「手を出すな」
よし憂さ晴らしだ。
ゴブリンエリートの一団の中に飛び込み。
辺り構わず叩きまくる。
残されたのはゴブリンエリートのミンチ。
「荒れているわね」
「荒ぶる殿も恰好いいですわん」
「ちょっと怖いにゃ」
「よし次行くぞ」
反撃もなんのその傷つこうが俺は止まらない。
ボス部屋まで俺は一人で到達した。
ボスは攻撃、回復どちらの魔法も使うし、近接戦闘もやるゴブリンだったが、所詮ゴブリン。
連打の前にはなすすべがなかった。
ミンチになったゴブリンスーパーエリートが残された。
少し気分が晴れた。
家に帰ると探偵から報告書が届いてた。
もうなのか。
早いな。
俺が叩いた子供、十条・俊介君は小学5年生。
動画が上げた子供は別にいて赤羽・修君というらしい。
修君は他にも動画を上げていて、それで通っている小学校が判明したらしい。
俺は報告書の次のページを見て胸糞が悪くなった。
修の動画には虐め動画が多数あった。
虐められているのは俊介君。
彼がなぜダンジョンに入ったのかが分かった。
修に命じられたのだな。
今現在、俊介君は登校拒否をしている。
殴られて人が怖くなったと言っているらしい。
俺はどうしたら良いんだ。
こうなったら悪役になりきってやろう。
俊介君は俺に不満をぶつけたら良い。
カメラのスイッチを入れた。
【おっ、配信が始まったぞ】
【どんな言い訳するのかな】
【どうせ大したことは言わないだろ】
「目障りな子供を叩いて何が悪い、うろちょろ邪魔なんだよ」
コメントのスクロールが目に追えないぐらい早くなった。
書き込まれたのは全てアンチコメントだ。
「子供の名前と住所も判明している。隠れてないで出て来い。そして文句をぶつけてこい。受けて立ってやる。学校なんか行かなくて良い。俺のせいにしたいならしろ」
俊介君は見てるかな。
「俺の住所を今から言う。手紙を出せ」
俺は住所を告げた。
脅迫状が来たら、もれなく訴えてやる。
俺は逃げも隠れもしない。
【抗議の手紙出そうぜ】
【いいね】
【差出人の名前書かなきゃ良いだけじゃん】
【俺も乗った。切手も貼らないぜ】
【だな】
【祭りだな】
「言っておくが脅迫したら訴える」
【告訴何か怖くない】
【ニート舐めんなよ】
「強がっちゃって、お外が怖いんだろう、無理するなよ」
なぜかピザが100人前届いた。
ピザはコボルトとケットシー達の腹の中に消えた。
代金は立て替えたがいづれ頂く。
電話の履歴を消さないように、ピザ店には通達した。
それから電話は掛かって来るし、食べ物のデリバリーは届くわ、お悔み電報は届くわで大変だった。
コボルトとケットシーがいて助かったよ。
さすがに100人前単位は食えない。
電話は全て録音したし、宅配デリバリーの業者には被害を訴えた。
あとで裁判所から連絡が来ると思うと言っておいた。
弁護士先生も大忙しだな。
まあそれが仕事だから、仕事がないことにはそういう人達も困る。
気にしないでおこう。
俊介君から手紙は来るかな。
恨みの手紙でも良い。
来ればそこから突破口が開ける。
来なければ色々と叩きまくるだけだ。
今までもそうやってきた。
叩いて叩く、これが分かり易くていい。




