56、見えざるものが見える喜び 1
依頼を選び、ゴツマス窓口に向かった。
依頼受付後に、後日鑑定室を私用で借りたいと願い出たら、あっさりとオッケーを貰った。
更に「お前なら、応接室や貴賓室のどれでも使ってもいい」とまで言ってくれた。
そこまでの信頼度を上げていたことに、地道な見えざる成果が実っていた事に内心ガッツポーズ。
ゲーセンのUFOキャッチャーを何度もやって、内部確率を地道に上げて、欲しいものをガシリとGETした気分。
たまにどこぞの誰かさんの課金のおこぼしがまた、いとうれしかったりもするが、それとは別もの。
何を言いたいのかと言うと、単純に嬉しいということだ。
だが、残念なことに、メーセージ機能付きの何かはここにはまだない。
連絡手段はあるにはあるが、不特定多数に送れるのは、まだこの世界には出来ないだろう。
シキュに今ここに来いと、メールなどですぐに伝えれないもどかしさを感じつつ、後日借りるとゴツマスに伝え、その日の依頼に向かった。
平日になり、学園にてシキュを見つけ、予定を取り付けた。
その金曜の授業終わりに星に変身、依頼を持っていきつつ、翌日に借りれる場所を借りる旨をゴツマスに告げる。
「明日は緊急時以外、応接が空いてるから使え」
と言われたので、ありがたく使わせてもらえることになった。
手紙などの手段は一応はあるが、移動手段も馬車などだから、手紙1枚が高価。
貴族としてはそこまで高くないが、高いからこそ記録される。
誰が誰に送ったのか、手紙の大きさや厚さや重さ、受付時刻から手渡し時刻も狂いなく記録される。
それはそれは、重要書類となってしまうのでアウトであったりする。
しかも、ここはまだしも、地方の村では月一の定期便に乗せられたりするから、発送から一ヶ月後に届くことも想定内。
火急な緊急時の連絡手段もあるにはあるが、緊急時のみの使用が原則。
なので、基本的には近場は本人に会えということ。
朝一でギルド入り、朝一のこの時間はかなり人がいる。
冒険者が依頼を受ける時間ではなく、朝一は依頼人の依頼提出の時間。
依頼人が依頼書に必要事項を書いて、ギルド窓口に提出していく。
ギルド窓口は、それらを間違いや訂正を確認。
受付の済んだ依頼をランク付けしていく。
そうして低ランクのものは張り出され、昨日の内に受付の終わっている低ランクと並ぶ。
駆け出し冒険者などが、それらを眺めてどれにするかをワーワーと。
でも受注出来るのは依頼受付が一段落してからなので、彼らは取ることもせず眺めながらワーワーするしか出来ない仕組み。
ちなみに中ランク以上の依頼は、低ランク依頼受注が落ち着いてから張り出される。
業務分散というやつだ。
受付の一番忙しいのは、この時間。
なので一番混む時間で、紛れやすい時間帯。
ゴツマスに目を向けると、顎クイされて、その方向を見ると奥様。
奥様へ向かうと鍵を渡された。
そこの三室目だと言うだけで、奥様は通常営業に戻っていった。
この一連の流れを、内心ウキウキしてしまうのは仕方がないだろう。
シキュが来るまで依頼を眺め、シキュが来たのでこちらも顎クイで応接室に向かった。




