55、弟二人と昼食にて⑤
「私分かることはシキュは学生でも学園の関係者でもないことだけよ。今のは、学園に支店置いて、仕切ってみたらと提案しただけ」
するとデュプルが更に首を傾げ問う。
「学生になれではなくて?」
それそれとダブリュが同意と頷くので、一瞬考えたアン。
「いくらここが各種族の適正年齢を受け入れているとはいえ、限度があるでしょう。けど、そうね、学院は規定などはなかったわね。シキュは、どちらが良いかしら?」
「「適正年齢?限度?え?シキュって何歳?」」
二人の視線が姉からシキュへ移ると、シキュが少し眉間にシワのある残念顔をしていた。
「お姉様、先になぜと聞いても?」
「どうしたの?」
「えーっと、私のどこを見て限度外と?」
双子もとこがと言わんばかりにシキュをぐるりと見てから、アンの応えを待つ視線。
洗濯魔法をかけ続けていたある日。
見えない細い根まで完璧に切らぬようにという縛りを楽しんで、追求していった。
すると、土の中の見えない根も魔力を帯びていることが感覚として分かった。
それを更に追求したところ、最先端の細い根まで洗濯魔法での採取した薬草を取れるようになった。
しかも、それはかなり割高で買い取ってもらえるというおまけ付き。
おかげで一定数のアンへの個人依頼が終わらないという、悪循環も出来てしまったが、凝り性なので仕方がない。
そんなある日、採取した物を出すときにふっと手元から落ちた。
大丈夫かとしっかりと薬草を見ながら拾いテーブルに乗せた時に、その奥にいるゴツマスの周りの魔力が見えてしまった。
それから、根を探るような感覚を意識すると対象の魔力が見えるようになっていた。
何人か見ていたら、魔力の濃さ=強さとは言い切れないと気付いた。
若い者は特に魔力が薄い、若く魔力が多い者もいるが、どことなく薄い。
更に色々な人を見ていたら、ある時年齢が関係していることに気付いた。
年嵩の方が濃く感じたのだ、多さではなく濃さを自分なりに整理整頓して、明確な表現として採用したのは、年輪。
木の年数がわかるアレである。
魔力の少ない年嵩の方は、かなりしっかりと見ないと分からない位に密着した層に、それもある意味ペラペラではあるが。
魔力の多い長寿な方は、厚い枚数多めな層で濃くなる。
このシキュのように。
そんな数えやすい年輪の枚数確認しているアンの視線で、シキュは複雑な顔。
「多いからよ」
「私の年齢はある程度把握で?」
「そうね。二人には残念だけど、女性の年齢は教えることは出来ないわ。我慢してね」
「えーっと、今度二人っきりのお時間頂いても?」
「他人に教えることはしないわ、安心して」
「そこを何卒。それにこちらも他言無用です」
先ほどから横でブーブー言い出す二人に、唇前に人差し指で黙らせる。
「あら。なら、場所も時間もこちらが指定するわよ」
やはり、シキュはあちらのアンも知ってるのを知らせて来る程。
ある種の脅しでもある為に、対策してみた。
「はい。構いません」
タイミングよく、昼休み終わりのチャイムが鳴り響く。
そんな感じに四人の茶会は幕を閉じた。




