自分らしくが一番
ハヤトくんとデート中、手を繋いでいたん
だけと、その手をハヤトくんがパッと離し
た。
ハヤトくんの視線の先には、綺麗な女性…
誰なんだろう。
気になるけど、聞くの怖い。
まさか元カノ?
確か、優花ちゃんが言ってた。
ハヤトくんは、年上の女性が好みだって…
もしかして、元カノでまだあの人の事好き
なんじゃ。
デート中気になって仕方なかった。
せっかく両思いになったのに、こんな些細
な事で不安になっちゃうなんて。
先が思いやられるよー…
恋って難しい。
優花ちゃんは、一年も付き合っててすごい
なぁ。
それにしても、あの女性が気になる…
結局聞けないままデート終了。
はぁ。
で、後で優花ちゃんにこっそり聞いてみた。
優花ちゃんがいてくれて本当に助かった!
あの女性は、おそらく優花ちゃんの家庭教
師らしい。
でも、付き合ってなかったと思うよって言
われた。その家庭教師の人彼氏がいるって。
そうかぁ。
じゃ、ハヤトくんの片想いだったのかな。
ってか、まだ好きなんじゃないの⁈
でも、そんな事聞けない。
聞いたらやっぱ家庭教師の人忘れられない
から別れようなんて言われてしまうかもし
れない!
ならば、私に出来る事。
とにかくハヤトくんを全力で私に向かせる
事!
いつもうんうんってハヤトくんの味方です
アピール。
常にハヤトくんに合わせてた。
嫌われないよに。愛想尽かされないように。
そんなある日、ハヤトくんが
「最近ヘンじゃない?なんか無理矢理オレに
あわせてるよね?何かあった?」
って。
やばい…バレてる…
なら、きちんと話し合うしかないか。
「あの、この前のデートで手離したでしょ?
ハヤトくんの視線の先に綺麗な女性がいた
よね…もしかして、何かあの人とあったの
かなってずっと気になってて…」
勇気を出して聞いてみた。
すると、
「あっ、ごめん。それは姉ちゃんの家庭教師
で、彼女と手繋いでるの見られたら恥ずか
しいって思って、まさかそんな事気にして
たなんて。まじでごめん。」
ハヤトくんが謝ってくれた。
そうだったんだ。
「あの、こっちこそ何か疑ってごめん」
って言った。
なんだ。
なら、その時聞いちゃってたらよかったな。
そしたら、もっとデート楽しめたかもしれ
なかったな。
恋って大変かも。
そんな些細な事を優花ちゃんに話していた。
しかも、優花ちゃんはラブラブでいいなぁ
って。
でも、実際優花ちゃんも恋に苦戦していた。
まさか、あの優花ちゃんも⁈
そもそも、美人だし余裕なんだと思ってた
けど、やっぱり彼氏が告白されたりしてい
るのを目撃してしまうと胸騒ぎがするんだ
って。
しかも、優花ちゃんもよく告白される。
すると、俊一くんがご機嫌斜めになるそう
な。
男子と話してるだけでも少し不機嫌になる
とか。
大変なんだな。
モテモテカップルならではの悩み。
恋についてゆっくり女子会しようってなっ
た。
なので今度の土曜日優花ちゃんちにお邪魔
させていただくことになった。
ハヤトくんは、男友達と出かけるそうな。
で、優花ちゃんち…
あ…
友達としてお邪魔するけど、お母さんにお
会いした時、友達のって自己紹介するべき
かな?
それとも、その弟さんとお付き合いしてい
ますって言った方がいいの⁈
あーっ。悩むー…
とりあえずお家に着いた。
ドドーン‼︎
おっきいお家なんですけど…
やばい。緊張マックス。
「お邪魔しまーす…」
「あら、いらっしゃい。さ、どうぞ」
にこやかなお母さん。
なんか少しホッとした。
「緊張しなくて大丈夫だよ」
って優花ちゃん。
いやいや、無理ですって…
とりあえず、優花ちゃんのお部屋へ。
自己紹介っていうか、こんにちはしか言え
なかった。
そんな事を考えながら階段を登る。
ガチャ。
ドアを開けると、スッキリしたお部屋。
ベッドの真ん中に丸くなった猫ちゃん!
私達がきたから、猫ちゃんが目を覚まして
こちらをみながら、
にゃーん。ってないた。
かわいい。
一気に緊張が解けたよ。
ありがとう。猫ちゃん。
私が猫ちゃんと遊んでいると、優花ちゃん
が、紅茶を用意してくれた。
う〜ん。
美味しい。
ふと、本棚を見ると難しい参考書。
えっ⁉︎
もしかして、医師目指してる⁉︎
思わず優花ちゃんに質問した。
すると、なんとお父さんが小さな病院の医
院長だって言うじゃない!
だから、優花ちゃん後を継ぎたいんだって。
えー‼︎
でも、どおりで勉強頑張ってたわけだ。
ハヤトくんも医師目指してるのかな?
やんわり優花ちゃんに聞いてみた。
ハヤトくんは、動物病院の先生を目指して
いるそうな。
そうか…
みんなすごいな。
でも、俊一くんは優花ちゃんが医師になる
事をあんまり賛成していないみたい。
そうなんだ…
だから、その話はあんまりしないんだって。
紅茶をすすりながら、参考書をみていたら
助産師の本もあった。
「あっ、この本…」
思わず声に出してしまった。
「ん?何?気になるやつある?」
「あ、ただ助産師のやつもあるんだなーなん
てね」
「興味あるなら、貸してあげるよ。私今他の
やつやってるから」
そう言いながら本を差し出してくれた優花
ちゃん。
ペラペラめくると、たくさん勉強したあと
が。
頑張ってるんだな。
私も頑張ってみようかな。
優花ちゃんに本を借りる事にした。
ハヤトくんは、私の進路どう思うかな。
そんな事が頭をよぎった。
女子会は、あっという間に時間が過ぎる。
すっごく楽しかったな!
猫ちゃんも紅茶も最高だったし。
でも、今度お邪魔するのは彼女としてだっ
たら、お母さんどう思うだろう…
恋は本当悩みが尽きないよー‼︎
放課後、優花ちゃんに借りた参考書を中庭
のベンチで読んでいた。
そしたら、
「いっずみちゃ〜ん」
って、ハヤトくんが急に来た。
急いで本を閉じたけど、助産師?すごいじ
ゃんって言われた。
なれるといいね。頑張ってって。
それは、どう言う意味なんだろう…
私があなたの未来には、いないから勝手に
どうぞって事?
それとも、私のやりたい事を普通に応援し
ますよって事?
あー、わかんない…
ま、でも自分の未来だもん。
自分で決めなきゃね!
胸張って頑張るのみ!
恋と勉強に苦戦しながらもなんとか両立し
て、ついに三年生になった。
私は、助産師を目指してる。
優花ちゃんは、やっぱり医師希望。
相当俊一くんと話し合って結局二人は、破
局してしまった。
でも、優花ちゃんは後悔していない。
むしろ、スッキリ感があるように思う。
なんか、自分の意志がハッキリしている人
は、かっこいい。
私もじゃない方って言われなくなってかな
りたつ。
誰かの分身でもないし、誰かのものでもな
い。
私は、わたし。
それから十年があっという間に過ぎた。
優花ちゃんは、夢を叶えた。
私も、ハヤトくんも。
で、私の職場では
毎日新しい命がうまれる。
赤ちゃんかわいい。
助産師さんは、大変な事も辛い事も沢山あ
る。でも、素晴らしい事も沢山。
今日は、夕方には帰れるからハヤトくんと
デート。
だったんだけど、今日に限って急患が沢山
来てしまい…
仕方なく予定をキャンセル。
こんな事がたまにある。
ハヤトくんは、仕事頑張ってって言ってく
れている。
でも、申し訳ないな…
結局帰りは、夜遅くになってしまった。
次の日、お詫びの電話をした。
そしたら、やっぱりいつもどおりの明るい
ハヤトくん。
気を取り直して、別の日にデートした。
「いずみちゃーん」
「ハヤトくーん」
これからも私らしく生きていくんだ!
一度きりの人生楽しまなくっちゃ。




