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マリア様


「あぁフローレンスさんおはよう。」

「カーネル神父様、おはようございます。」教会に入るとそこにはカーネル神父が居た。


今日からいよいよ壁画の作業が始まる。念のため道具はひと通り持ってきた。服装も汚れてもいいように作業用だ。


礼拝堂に入ると既にマックさんが下書きを始めて居た。さすが画家と言うだけあって下書きもスムーズにさっさと無駄なく描いていく。


「マックさんおはようございます。」と挨拶すると「フローレンスさんおはよう。そこの道具入れの上に図案を置いてある。一度手に取って見てほしい。」と目線は壁のままフローレンスに話した。


空に浮かぶマリア様とマリア様に抱かれるキリスト様とその周りに飛びまわる天使達の絵。マリア様には後光が差し、愛らしい天使達がキリスト様を産んだマリア様を祝福するかの様に周りを飛んでいる。慈愛そのものと言ったマリア様の表情。


あぁ、周りにお庭を描きたくなるわ。木々が並び、花が咲き乱れてたら素敵なのに。祝福するのは別に天使達だけじゃなく他の存在があったって良いんじゃ無いのかしら?

森の動物たちとか。


だめね、どうしても発想が絵本になっちゃう。



「フローレンスさん、下書きをお願い出来ますか?僕と同じようにやって見て下さい。」とマックさんが相変わらず壁を見たままフローレンスに指示を出している。


「わかりました。やってみます。」と了解し見よう見まねで下書きを始めた。


自分の線画がマックさんの物と同じ様に。壁全体のバランスを見ながら描いていく。


「ああ、良いね。上手にかけてるよ。壁画は初めて?フローレンスさん。」と気がつくと後ろからマックさんが腕を組みながらフローレンスの仕事振りを眺めていた。


「はい、いつもは普通の紙で書きますので。」と返事をした。


その後はナタリーさんが来たので3人で下書きをした。ナタリーは歳のせいか線画の出来は良くなかったが、そこはご愛嬌といった所ね。マックさんと私でカバーしていく。


「皆さん、そろそろお昼にしましょう。今日はパスタですよ。」とサラさんの声がかかった。


「あっ、手伝いますね。」と直ぐに手伝う為にさっさと手元を片付けてサラさんの方へ行った。


パスタはフレッシュトマトを使ったあっさりとしたパスタだった。ニンニクも効いてとても美味しかった。


この日は3人でひたすら下書きを頑張った。久しぶりにこんなに描いたのでちょっと腕が痛い。


そして帰りがけにカーネル神父が、「フローレンスさん、明日は日曜日だから日曜日礼拝があるんだ。壁画はお休みだけど良かったら礼拝においで。」と笑いながら誘ってくれました。


「ありがとうございます。では明日は普通の信者としてこちらへ礼拝させて貰いますね。ではお疲れ様です。失礼します。」


明日は休みかぁ。そろそろ実家へ近況を知らせる手紙をでも書こうかな。箱庭も、もう少し進められるらしら?仕事にもそろそろ手を付けようか。


少しワクワクして来た。


サンダース家へ帰るとリディア奥様が出迎えてくれた。


「フローレンスさん、お帰りなさい。もうすぐご飯ですよ。」


「わかりました奥様。ありがとうございます。すぐ食堂へ行きますね。」と返事をした。


食堂に入ると既に奥様とリックさんがいた。「フローレンスさんお疲れ様でした。」とリックさんが労ってくれた。


「ふふ、ありがとうございますリックさん。」


「2人とも、主人は今日は街の寄り合いで遅くなるのよ。先に頂きましょう。」と、お祈りを始めた。


食べ始めた頃合いに旦那様が帰って来られた。


「お帰りなさいませ。」と皆で声を掛ける。

「ああ、今戻ったよ。」

「貴方、寄り合いはどうでした?」とリディア奥様が話を促す。

「ああ、国王陛下の病状の話で持ちきりだ。」


フローレンスには初耳だった。


「・・・・国王陛下、ご病気だったのですか?」


「あぁ、半年ぐらい前から公務を中断されている。」と旦那様は深刻な顔で話されていた。



「王宮の医療チームが全力を尽くしてはいるみたいだがね。」旦那様は、まぁ、わしには分からんよ。と言いたげに両手を広げてジェスチャーをした。

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