第27話「風を継ぐ者」
翌朝。
蒼真と蓮司は、村人たちに別れを告げた。
「本当にありがとうございました」
村長が頭を下げる。
「こっちこそ、無事でよかった」
蒼真は地図を懐にしまう。
「この先にある場所を調べるか!」
蓮司が隣で頷く。
「夜叉衆が先に行ってる可能性もあるしな」
二人は山道を進んだ。
しばらく歩くと、古い石碑が現れた。
石碑には一つの文字が刻まれている。
『風』
蒼真が近づく。
すると、短刀が微かに震えた。
「また反応した」
蒼真が刀に手を添える。
石碑の周囲を風が回り始めた。
「蒼真、何か起きてるぞ!」
「分かってる!」
石碑の後ろに隠されていた道が開いた。
その先には、小さな洞窟があった。
二人が中へ入る。
奥には古い壁画が残されていた。
そこには、一人の忍びが風を操っている姿が描かれている。
その下には文字が刻まれていた。
『風を受け継ぐ者は、力に選ばれる』
蒼真は壁画を見つめる。
「風を……受け継ぐ?」
蓮司が尋ねる。
「お前の風遁と関係あるのか?」
「分からない」
その時、洞窟の奥から声が響いた。
「その通りだ」
二人が振り返る。
そこには、一人の老人が立っていた。
「誰だ!」
蒼真が刀を構える。
老人は穏やかに笑った。
「昔、この洞窟を守っていた忍びだ」
そして蒼真の持つ短刀を見る。
「その刀を持つ者が現れるとはな」
蒼真は尋ねた。
「この刀は何なんですか?」
老人は静かに答える。
「それは、風遁の忍びが代々受け継いできた刀だ」
蒼真の目が見開かれる。
「じゃあ、俺は……」
老人は首を横に振った。
「まだ何も決まってはいない」
「え?」
「力を受け継ぐ資格があるかどうかは、お前自身が決めることだ」
蒼真は短刀を握り直す。
その時、洞窟の入口から足音が響いた。
老人の表情が変わる。
「……来たか」
蓮司が振り返る。
「誰が?」
闇の向こうから、黒装束の忍びが姿を現した。
「夜叉衆だ」
蒼真は刀を抜いた。
第27話・完




