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めこねこが好きで作る料理集  作者: めこねこ


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【レシピエッセイ1️⃣】私の考える、究極のお好み焼き

 私の出身は九州の片田舎、宮崎県。


 食で言えば、「冷や汁」と呼ばれる味噌味の冷やし茶漬けや、地鶏の炭火焼き、あとはチキン南蛮が有名……かな? あとは、天領うどんと呼ばれる、腰があまりない柔らか系だけどしっかりしたうどんもある。あとは……野菜や果物、牛肉だろうか。


 何が言いたいのか。そう、なんかパッとした料理が出てこないのである。


 チキン南蛮はいいじゃん!と思う方もいるかもしれない。たしかに、味のおぐらチェーンのチキン南蛮は一度食べてほしい。あれは、チキンの唐揚げ、甘酢、タルタルソースの三位一体が織りなす絶品ではある。


 しかし、私からすると、あれは味のおぐらチェーンが美味しいからであり、他のお店のは、あくまでも美味しいチキンにタルタルソースが掛かっているものという印象が強い。

(すいません、美味しいんですけど、美味しいのと、「私の知っているチキン南蛮だ!」は違うって意味で……!)


 その点、私は、お好み焼きは素晴らしいと思っている。

 お好み焼き二大巨頭として、広島と大阪があるかと思う。そして、その流れを全国のお好み焼き屋さんが基本的に追随する。そのうえで、派生したお好み焼きが発生する。それが、様々なバリエーションを生み、味の奥深さを生んでいる気がする。チキン南蛮にはない奥深さと感じている。

(しつこいようだが、それぞれのお店のチキン南蛮は素晴らしく美味しい。だけど、私の知るチキン南蛮は味のおぐら……以下略)


 私はうらやましく思いつつ、自分のオリジナルのお好み焼きを作り上げたくなった。

 広島風でも大阪風でもない、「めこねこ風」としてのお好み焼きだ。

 もちろん、オリジナルとするならば意外性が必要ではあるが、だがしかし、基本の作り方を逸脱しすぎたならば、それはお好み焼きとは言えないものになる。その程よいラインを探して、私はお好み焼きを研究し続けた。


 とはいえ、取っ掛かりが必要であった。

 私のお好み焼きのルーツは、母の作るお好み焼きだ。大きなボウルにどかんとキャベツの千切りを入れ、山で採ってきた自然薯を擦り下ろし、卵と小麦粉でつなぎ、肉やエビ、イカなどを入れて焼くというものだ。

 美味しかった。美味しかったが、ごく普通といえば普通。言い換えれば、ソースとマヨネーズが味の主体になる。それさえ変えれば、何でもよくある気にもなる。


 さて、それを考えて自分のレシピを完成に持っていった。


 まず、私が注目したのが、甘みを足したいと思ったことだ。

 キャベツをとりあえず沢山入れて、キャベツの甘味を極限まで楽しむことを目指した。しかし、キャベツをいくら多くしても限界があった。

 そこで注目したのが、玉ねぎの甘さだった。これは、食べ歩いた中で入っている物を食べたことがない。その珍しさにも注目した。


 さて、その上で必要だったのが、食感。あの、焼きすぎると少しかたくなる生地を出来るだけ柔らかく、それこそ究極の柔らかさを目指した。なんのこともない、小麦粉を入れなければいい。つなぎがない分だけ、卵の数を増やそう。


 最後に香りに注目した。

 一般的なお好み焼きの場合、焼き上がりに青のりや鰹節をかけて香りや風味を付ける。いや、それ以上のインパクトが必要だ。その時に注目したのが、「鶏皮」である。鶏皮を一緒に焼き、鶏皮から流れ出る脂……鶏油チーユで焼き上げることで、香ばしさと深みある味に仕上げることが出来た。


 そうして完成したのが、このレシピである。


<レシピ:めこねこ版「究極の粉なしお好み焼き」>

(4人前:直径12cm×3枚ずつ、計12枚分)


【材料】

(生地の主役たち)

 ・キャベツ:1玉(ずっしり重い、甘みの詰まったもの)

 ・玉ねぎ:大1個(中なら2個。甘党なら増量可)

 ・山芋:600g〜700g

 ・卵:5個(MSサイズなら6個)

 ・もやし:1袋


(トッピング&脂)

 ・豚こま切れ肉:500g

 ・エビ:300g〜400g(背わたを除き、2等分に)

 ・鶏皮:300g前後(これが味の決め手!)


【調理工程】

1️⃣生地の仕込み

 まず、キャベツはスライサーを使い、薄く千切りにします。包丁でも可能ですが、私はスライサーでやっています。次に、もやしを手で細かく砕くように入れます。玉ねぎはみじん切りにして入れてください。山芋は、皮をピーラーで剥き、擦り下ろしてください。最後に卵を全て割り入れて、混ぜます。(混ぜると、山芋と卵が空気を含み、ふわふわな感じで混ざります。)


2️⃣黄金の油「鶏油」を抽出する

 事前に、小鍋で鶏皮を炒め焼きし、鶏油を取り出します。カリカリとなった鶏皮は、美味しいお酒のおつまみになります。(鉄板で少しずつ鶏皮を焼きながら鶏油を出しながら焼く方法もありますが、鶏皮に火が入りすぎて焦げるときがあるので、事前に脂を出すほうが美味しくいただけます。)


3️⃣「焼き」の儀式

 鉄板に鶏油を敷き、豚の細切れ(1枚につき40グラム程度)を鶏油で炒めます。(先に炒めることで焦げにくいです。なお、ホットプレートなら、200度程度)


4️⃣蒸し焼きの魔法

 炒めた肉の上に、生地をお玉1杯半ほど流し入れる。繋ぎがないため、お好み焼きというより「ふわふわの塊」を置くイメージだ。その上にエビを散らし、蓋をして5分。


5️⃣反転の瞬間

 蓋を開けると、野菜の水分が湯気となって立ち昇る。焼き色は「少し焦げているかな?」くらいがベスト。非常に柔らかいので、ヘラを2本使い、優しく、かつ大胆にひっくり返そう。


6️⃣完成

 裏面も5分。鶏油の香ばしい香りが部屋いっぱいに広がれば、出来上がりだ。


 まずはこれで食べてみてください。野菜の甘さが存分に味わえ、得も言えぬ食感を食することが出来ます。また、鶏油の香りが蓋をあけるたびに立ち上り、焼けた生地も香ばしく、食欲をそそりまくります。


 なお、魚粉を入れたり、出汁や乾燥小エビを入れる等、味の工夫もあるかと思いますが、まずは鶏油の旨味を堪能した後、それぞれの味を追求してみてください。


 小麦が入らないだけで、これだけ美味しいのか、食べやすいのかと感動するかと思います。

 生地を楽しむお好み焼き。特にビール、ハイボールにピッタリの一品です。

 ぜひ、ご堪能ください。

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