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12.永遠に
ホテルに潜伏して…今何日なんだろう。
脳みそも溶け始めたのか頭が回らない。
木下。もう死んだ?
真っ暗で何も見えない。
「飯島…い、いいじま…」
木下の声がして、俺の唇も舌もない口に柔らかくカサカサした何かが当たる。
「いい…じま…。」
吐息のようなか細い木下の声と全身を包み込まれる感覚。
「お前…まだ俺のこと好きだろ?…だからお前より…先に死んでやろうと思ってるんだ…そしたらお前が悲しむから…。」
木下に幻滅した顔を見せてやりたかったが、もう俺の表情を動かすものは何もついていなかった。でももうその必要もなかった。
木下は死んでいた。
俺は木下の望み通り悲しい気持ちになっている。
木下。
木下。
なんて残虐で狂ってて不憫で汚らしくて…愛おしい男。
そう考えているうちにも俺の脳みそは腐って溶け落ちていき、気持ちや思考が流れ出て消えていく。
気持ち悪い…助けたい…好き…怖い…食べたい…愛おしい…悍ましい…逃げたい…醜い…俺の主人公…
木下。
ねえ 木下。
俺のこと好きになってくれてた?
俺の頭蓋骨の中は空っぽになり、俺は永遠に木下に問い続ける。




