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1.ああ、好きだ。
※この話はバッドエンド、ホラー、胸糞です。
「来るなっ…来るなあああああああっ!くそっ!この化け物があああああああああーっ!」
半狂乱になってる男を目にして、俺は懐かしさと愛おしさと…食欲を感じていた。
「木下…やっと…やっと見つけた…無事でよかった…。」
そして今、俺は島の繁華街にある小さなホームセンターのバックルームで木下と巡り会えたわけだ。
10年会っていない。その間に木下に何があったのかは知らないが、黒くてサラサラとしてた髪は、根元の黒い金髪になっていた。少し小さめの耳たぶにはピアスが3つ光っていた。碌に髭が剃れていないのか無精髭が生えている。中性的だった面立ちは少し肉が落ち、骨格が顕になり、全体に顔の彫りが深くなっていた。それらが全て28歳という年齢の木下にしっくりきていて、やはり木下だなあと俺は思った。
どうあっても、主人公たる風格の男。
怯える姿すら堂々たる風格。
ああ、好きだ。




