4話 てんとう虫
[紅き構えの鉈森]に入り込んだ巨大な魔物は基本的にはすぐに死んでしまう。
森を歩くだけで鉈によって体を傷つけてしまい、紅き毒が流れ込んでくるためだ。
また、赤色でない魔物はほかの赤い魔物達の奇襲に会うため、これまたすぐに死んでしまう。
あるいは、それは森が破壊されまいとする必死の抵抗なのかもしれない。
つまり、この森には赤く、小さな体の魔物達のみが生き残ることができる。
だが、何事にも例外は存在する。
鉈が傷つけ、猛毒を流し込む?鉈ごときに甲殻を破られることはない。
赤色でなくては奇襲に会う?弱者の抵抗などはなんの障害にもならない。
体高50メートル体長200メートル。
圧倒的破壊者。コキュイネー・エリダ
それが、この森の現在の王者だ。
*
ブオオオンと音を立てて巨大な脚が迫る。
「レン君ッ!」
「了ッッ解ッッ!」
周囲の木と全速力で同期、伸ばし絡み合わせていく。
硬さで対抗したら負ける!衝撃を吸収するんだ!
蜘蛛の巣を意識した壁を頭上に作っていく。
そして完成と同時に脚と壁がぶつかった。
バガアアアアアアアアアン!!!
大きな音を立てて森が揺れる、が、ギリギリ耐えきったようだ。
「悪しき者ども祓いたまえ!」
眩い光とともに委員長の麗しき魔法が炸裂する。
一本の光の柱がコキュイネーを包む。
ジュワジュワと溶ける音とギチギチという威嚇音が聞こえてきた。
「撤収!討伐目標から一旦撤収するわよ!」
委員長からの撤退命令が出て、きた道を戻る事になった。
*
強い、強すぎる。
奴の危険度はAランク。簡単に言えばAランクスキル持ちと同レベルだ。俺が勝てるはずがない。命が危ないレベルだ。なのに、
「楽しみだなぁ。」
どうしてこうも、楽しみなんだろう?
「左から魔物きてるわよ!」
ちっ、逃亡中にかよ。
「僕がやる!」
「消耗は抑えるべきだ、海堂。俺が行く。」
こんな状況にぴったりな技、持ってるんだよ。
コキュイネーさんは委員長と同格か、それ以上の強さです、多分。




