1.失そう
・タスク説明
『もちぬし』とは、それぞれが「おまけ」という特殊な性質をもった人間です。
『たまとり』とは、『もちぬし』や普通の人の魂を奪い、自身の生命の糧として生きる出戻り人間です。
覚えているわけではない。後に、祖父から聞いた話だ。
赤ん坊のころ、添い寝をしてくれていた曾祖母が、突然いなくなった。
家の者が気づいたときには、敷布団に体の後だけ残して、きれいさっぱりと消えていた。当然、大騒ぎになった。わけがわからない。どこへ行ったんだ、ということでー。
近所の人々が総出で、心当たりを手あたり次第ーくまなく探したが、どこにもいない。曾祖母は、認知症ではない。腰は少し曲がっているが かくしゃくとしており、話し方もしっかりしていた。
まるで神隠しに遭ったようだと、村の年寄り連中が噂した。
その日ー、曾祖母はずっと家にいて、家人以外の目撃者もなかった。外出した形跡がない。周りは、見渡す限り田んぼと畑で、見通しもよく。全員が顔見知りという地域なので、百メートルむこうからでも、だれが歩いているのか判別できた。
したがって、不審者の目撃情報もない。誘拐や連れ去られた可能性もなかった。警察や消防団にたのんで、周辺の川や池の中を、棒でつついたり、底をさらってもらったーが、見つからなかった。念のため、最寄りの駅や、バス停にも確認したが、曾祖母を見かけた人はいなった。
男と逃げたんじゃないのか、という親戚がいたが、八十過ぎてそれはないだろうと、祖父が笑い飛ばした。また、そんな兆候すらなかった。狭い場所なのでそんな浮いた話があれば、直ぐに広まる。捜索の範囲を広げてみたものの、目撃情報は皆無だった。
しばらくして、捜査は下火になり、打ち切られた。曾祖母は、家出人として届け出が出され、行方不明者となった。忘れたころに、ふらっと帰ってくるんじゃあないかと、いう人もいたが、それ以降、曾祖母を見たものは誰もいなかった。
x x x x
やがてー、曾祖母のいない生活が普通になった。
多くの歳月が流れた。
そんなわけで、曾祖母の顔は、写真でしかしらない。白髪の皺くちゃのおばあさんが、線のように目を細めて、赤ん坊を抱いている。そんな、写真が残っている。
高齢者です。数年前、知人のすすめで深夜アニメをみて感激しました。
自分でもアニメのような話を書いてみようと思ったのが、投稿の動機です。




