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処刑予定の邪神の生まれ変わりを逃がした少年、彼女から重い愛を受ける  作者: 有原優


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第八話 覚醒

 

 落ち込んでいる暇はない。自分の必殺技を使えなかったことに。


 アナはすぐさま気を取り直し、シドを回収するために竜に乗る。

 シドのもとへと向かって行くのだ。


 竜がしっかりと王都までの道を知っていたため、まっすぐ行けた。


 だが、忘れてはいけないのは、アナはお尋ね者。


 そのことを肝に命じ、そっと隠れながら、王城へと向かう。

 ちなみに竜は目立つので、小さくなってアナの肩にちょこんと乗っている。


 そしてようやく王城に着いたアナは、正面突撃を試みる。

 王城の中にシドがいると信じて。



「シドを返して!」竜に乗っているアナが兵士に向かって言う。



 だが「知るか。お前を殺す」と言われる。


 アナはそれに対し反骨をし、そのまま竜の力と、アナの新形態アマスターの力で兵士たちをを薙ぎ払っていく。


 そして地下にいくと、シドがいた。


 それも、傷だらけの。



「シドさん……誰がこんなことをしたの?」


 アナは縛られてるシドの姿を見ながら、そう呟く。


「……俺だ。自分から来てくれて助かったぜ」

「貴方なのね。分かったわ」


 そう言うアナの目からハイライトが消えていた。


「そう、貴方がシドさんをこんなに傷つけたのね」


 アナは怒っている。将軍、アルデュダに対して。


「あなたはどんな感じで死にたい? そうね、酷い死に方がいいと思うわ。ふふふ、シドさんに仇成す人間は死んだほうがいいと思うの」


 そしてアナの魔力は一気に増大して、辺りの大地を揺るがす。


「死ね!!」


 アナの拳がアルデュダの剣を襲いおおう。だが、アルデュダも将軍格、そう簡単にはくたばる様子を見せない。


「くくく、これは……」そう、気味の悪い笑みを浮かべたアルデュダは剣を変形させた。


「変形! アルスソード」



 そう、呟き、一気にアナに向かって行く。アナはその剣に対して腕で受け止め、そしてアナもまた拳をふるい、ぶつかり合う。二人の力量は互角、嫌アナは少し上と言った感じだろうか。


 だが、アナには竜による援護射撃が加わる。



 その攻撃で段々と、アルデュダは疲弊して言った。


「ははは。なるほど。奥の手中の奥に手だ」


 そうアルデュダが言うと、アルデュダの剣が赤く染まりだした。


「寿命が惜しいのう。まったく、損な役回りだよ!!」


 アルデュダは一気にアナに近づき、その命を奪おうとする。だが、アナは冷静に全ての力を防御に注ぎ込み、アルデュダの攻撃を受け流す。


 そのうち、アルデュダの体力が尽き、死――。


 だが、アルデュダは死ぬ直前で生かされた。アナが回復させたのだ。


「貴方はシドさんに酷い行いをしました。ならやられる覚悟もできているんですよね」


 冷たい目をするアナ、彼女はそのままアルデュダの顔を複数回ぶった。


「シドさんが喰らった痛みを味わうまで、貴方は殺さないです。自分の行いを反省しながら死んでください」


 そしてアルデュダはこの世の苦痛のすべてを喰らいながら死んだ。己の運命を嘆きながら。

「アナ」シドは呟く。アナの圧倒的な強さを目にしながら。


「シドさん、ごめんなさい」

「どうした?」

「抑えきれそうにないです」


 そう言ったアナの姿が変貌した。別の姿へと。恐ろしい姿へと。


「この姿を取り戻すのも久しぶりだな」

「誰だ、お前は」

「私は、災厄アマスター。世界を壊す存在だ」


 そう言ったアマスターから、恐ろしい魔力を感じた。これはまさに、災厄と言っても過言ではない魔力だ。その影響で大地が震える。

 シドはこの魔力を見に受けながら絶望した。どうすればこの災厄を元にアナに戻せるのだろうか、まずその前に自分は生きていけるのか。

 シドは自分の無力さを感じた。



「とりあえず、我を元に戻したお礼として、楽に命を奪ってやる」


 やはりそうなるのか。僕の選択は全て最悪なものだったのか。そう思うと、もう何も考えることが出来なかった。


 だが、そこで不思議なことが起こる。何故かアマスターの手から魔法が放たれないのだ。


「なぜだ!?」と叫ぶアマスター。だが、シドにはその原因はすぐに分かった。


「アナ、お前が戦っているのか?」シドがそう言うと、アマスターの体が震えて行く。まるでゲームのバクのように。その体は最終的に消滅していった。アマスターの断末魔と共に。


「アナ。お前……自分を犠牲に……消えたのか?」


 シドはそう虚空に向かって言う。だが、答えは返ってこなかった。


「……そうか」


 そして、失意のもと、歩き出そうとする。すると、


「シドさん、行きましょう」


 そう、シドの耳にアナの声が来た。


「お前、死んだんじゃないのか?」それに戸惑うシド。


「私は生きてます。シドさんを置いて死にませんよ」


 目の前にアナが立っている。

 そのアナの声を聞いて、シドの目に涙が浮かんできた。


「泣かないでくださいよ」

「だって、死んだかと思ったから」

「もう! シドさんは……でも私もシドさんが生きててよかった」


 そして二人で、肩を抱え合った。


 そして、敵の増援が来たので、二人は即、城から脱出し、別の町へと向かう。


 二人の逃走の旅は始まったばかりだ。


 そして、災厄アマスターの謎を調べ、アナを平和な生活に戻すための旅も。


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